ONE X

3/27日曜日の朝。コロナの影響で延期に次ぐ延期で今日が娘の卒園式です。どちらか一方しか参加できないので妻が参加。母と娘、精一杯のおめかしを見て頬が緩む中お見送りしました。
少し時間があるので昨日行われた格闘技メガイベントONEXの雑感を書かせてください。目次立てて1試合毎の雑感書こうと思ったけど冷静に考えてそんなの誰も求めてないし、ここはやはり自分の素直な気持ちを殴り書きするいつものスタイルで行かせていただきます。

第一部、大会に火を着けろ

青木秋山戦が発表されてから早々にPPV購入をしました。まだ大会の全容がわかる前の段階でしたが記念すべき10周年記念大会。素晴らしいカードが並ぶ事は明白でした。今大会は3部構成になっていて1部と2部が無料で見られる仕様。本当にAbemaには感謝です。格闘技を伝統を文化を世間に伝えて後世に残す、という部分での最大限の努力であると思っています。

オープニングの日本人生き残り対決から勝負論満載のカードを持ってくるあたりONEはやってくれるよなぁ。もうこのカードでこの大会に火が着いたし、流れが完全に出来上がった。とにかく内容が素晴らしかった。勝った仙三選手のバックボーンだとか諸々の歴史は格闘技ファンであれば少なからずわかってるはずだし、だからこその感情移入ができた試合。対する澤田選手も人生懸けてシンガポール移住までしてこの舞台でやっていくという覚悟を決めた選手。そんな2人だからこそできた試合だと思いました。仙三選手の試合後のマイクパフォーマンスも良かったよなぁ。おじさん達に勇気を与えてくれるファイトでした。

女子のグラップリングがあって、ヘビー級のド突きがあって、ここも注目カード。高橋選手vsアミールカーン。この試合の感想として僕個人としては高橋選手が勝ったと思っています。たぶん多くの日本人はそう思ったはず。明らかな相手の地元判定だったし、ONEの謎判定でした。やはりラウンド毎の採点ではなく全体を通してのマストだとジャッジの主観が強くなるしそこは映像を通して見ている側と一番近くで見ている者との差も多分にあるかと思います。ここはどちらが良い悪いは難しい問題なのですが賛否があるでしょうしこれからも起こる問題でしょう。少なくとも高橋選手の株が落ちていない事は確か。ダメージがないのならまたすぐに試合が見たい。内容は本当に素晴らしかったです。ナイスファイトでした。

佐藤選手、アディワン選手と残念な結果が続いてムエタイ。この先にも書きますが本当にONEの立ち技レベルが高い。こんなの見てたら国内の試合では物足りなくなる。もっとK-1、RISE頑張ってくれ。
ガヴァオンの寝技レジェンドがあって、フェザー級キックボクシングのワールドGPの決勝があって1部が終了。もうこの時点で結構お腹いっぱいというか、前菜として味も量も想像の遥か上を行っていました。

第2部、実力派による現在進行形

ここからが本番。勝負論満載の現在進行形のハードカードが続きます。フェザー級のど迫力KOがあって、次に我らが平田樹の出陣。正直下馬評では僕は平田選手がここも圧倒的な勢いで勝つのかなと思ってたけどここでラズワンが世界を教えてくれた形になりました。謎の1票が平田選手に入りましたけど控えめに言って完敗。ラズワンのパフォーマンスばかりに目がいきました。平田選手はプロ初黒星です。唯一の救いは本人が完敗を認めて受け入れていたところです。過去から何も成長が感じられなくて不満もあったファンも多いでしょうけど彼女ならたぶん大丈夫じゃないかな。自分の負けを、自分の弱さを、至らなさをちゃんと認められる選手は伸びます。これは競技者としてやってきた人なら誰もがわかるはずです。これからどんな風に変わってくれるか期待。本当今回負けて良かったと思うし、正しかったそう思わせてくれないと困る。

女子戦が続きます。平田ラズワン戦の2段階くらい上のレベルでした。さすがハムソヒでした。ザンボアンガも強かった。日本の女子格闘技のレベルが世界と離れていってると痛感させられる試合でした。伊澤選手くらいですもんね即戦力として期待できるの。須田選手、古賀選手もいずれ日本女子格闘技を背負う存在になると思うけどまだ時間かかりそう。

そしてバンタム級のキックボクシングとムエタイのタイトルマッチ。まずは何より秋元選手。素晴らしかった。本当に日本の誇りです。カピタン相手にこの圧倒的なパフォーマンス恐れ入りました。本当にこの階級の世界最強の1人になりました。日本人でもあんな闘いが出来るんですね。気持ちも素晴らしかった。勿論カピタンも。世界最高峰の立ち技を見せてもらって本当に感謝です。秋元選手にはこの先長期政権築いてほしいですね。本当におめでとうございます。
そしてノンオーはさすが。現在進行形最強レジェンドたる所以でした。立ち技の素晴らしさをまざまざと見せつけられた試合でした。本当比べたら怒られるけど、RIZINとは天と地の差やね。圧倒的な現実を目にして、しっかりとした舵取りをしてほしいなと一ファンとして思いました。

第3部、グランドフィナーレへ

さぁここからがPPVマッチ。すでに疲労困憊ですがまだ見たい、まだ見せてくれと思わされるカードが並びます。

まずはペトロシアンをKOして世界を震撼させたスーパーボンvs優勝候補筆頭グレゴリアン。いや何ってね、本当甘く見てた。ごめんなさい。本当に凄すぎて震えたんやけどスーパーボンの神業としか言いようがないテクニックよね。こんなことができるのかって。よく理想としての例えは出したりするんやけど、この大舞台でこのレベルでそれを実行してる選手を初めて見た。立ち技って技術の幅がMMAに比べると圧倒的に狭いから深さの勝負になるんやけど、みんなある程度の深さに行ったら地盤硬すぎて諦めるか納得しちゃうんですよね。勘違いしてる若い子なんかは表面から少し潜ったところでやってますからね。全然違う。僕自身も勉強になった。立ち技の技術を素人なりに少しは理解してたつもりだったし、立ち技選手の凄さ素晴らしさをわかっていたつもりやったけど全然やった。何もわかってなかった。もはや口ですら伝えられるレベルでもないんやけどこの試合を見るべきだと思いました。押忍。

フォラヤンとパーの試合。これもレジェンド対決枠ですよね。レジェンドって簡単に言葉使うけど軽々しく使っちゃ失礼なんだなって思わされた試合でした。パーの気持ちの強さですよ。45歳でボロボロの身体でなんでこんな闘いが出来るんだ⁉︎って。誰もが出来ないことをやってるからレジェンドなんだなぁって思いました。これも押忍!しか言えないです。

さぁそして大本山。青木秋山です。敢えて最大限のリスペクトを込めて、呼び捨てにさせていただきます。
結果と内容は周知の通りです。青木選手の試合後の映像も見ました。あの言葉で全てを受け入れました。2人が格闘技界に舞い降りて来た時から今の今まで見続けてきた人ならわかりますよね。青木真也は青木真也。いつもそうだ。いつだってそうだった。だから俺たちの心を揺さぶるんじゃないか。それでも俺たちの青木真也でいてくれることに本当に感謝してるし、そう思ってくれてるファンがたくさんいる。
秋山だってそうだ。無理だと言われた軽量を約束という言葉を使って守ってきた。過去も全て受け入れてここまで走ってきた。2人ともヒールとして確立してダークヒーローになった。そして紛れもないスーパースターだ。
試合前の中央でのフェイスtoフェイスの時に青木から握手を求めた時、それに秋山が答えた時に心が握り潰されたくらいぎゅっとした。PRIDE、HEROs、そしてDREAMで止まった時計が動きだした瞬間でした。どこまでも青木真也でいるし、どこまでも秋山成勲でいる。まじでかっこよかった。日本格闘技の歴史が海外の地で紡がれた瞬間だったと思います。
みんなで創り上げてきた試合。生き方も存在もお互いが全てを偽りなく本気で懸けたからそこ2人とも輝いたし、生きたし、これからも生きる。本当にありがとう。この闘いを実現させてくれた全ての関係者へありがとう。

さぁさぁここで終わらないのがONEX。もはや疲労困憊。解説の大沢さんも言ってたけど口ん中が凄いことになってる。フライ級タイトルマッチ若松vsモラエス。予想以上に組みで勝負できてた若松選手の成長っぷりに驚かされました。と同時にやはり昔の勢いが感じられなかった。経験なのか、この大舞台だからなのかはわからないけどいつもと少し違うように感じました。これだからMMAは難しい。何かを補えばバランスが崩れたりするんですよね。そのバランスの比重ってのは選手それぞれ違うくて。全部出来ないといけなくてそれも高いレベルで全てを上げないといけないのに綺麗な均等のパラメーターが正解じゃないところ。ここは正解なんてないと思うから一生みんなが闘っていくところなんやろな。難しい。だからこそ面白い。モラエスはさすがでした。若松選手は厳しいと思ってたけどよく頑張ってくれたと思います。また必ずこの舞台に帰ってきてほしいです。

さぁスーパーファイト。ロッタンvsDJ。軽量級のムエタイとMMAのスーパースターの対決。まじで凄かったなぁ。なんなんやあれ。2人とも凄すぎやろ。とにかく凄いしか言えない。ごめんなさい言語化できないです。マジですげぇ。とにかく見ろ。本当にこの対決リアルタイムで見れて良かった。ありがとう!!

ラスト。このメガイベントで女子戦がトリを務めます。凄いですよね。プレッシャーとか。これも時代の流れやし良いことだと思う。女子選手にとっては夢や希望に溢れる出来事だし。これ見て未来ある子達が格闘技をやるキッカケになったら最高だし。何より内容がね。男女のレベルの差なんて関係ないんやなって思った。世界最高峰やとそんなことも全く関係なくただ純粋にとんでもなく興奮するファイトを見せてくれる選手が宝なんやなって。アンジェラ、スタンプこの2人がいる限りONEの女子戦は安泰やなって思いました。本当に素晴らしい試合でした。

ざっと振り返ってこれほどまでに神がかった興行はあまりないんじゃないかな。間違いなく今後も語り継がれる歴史的なメガイベントだったしどれもが素晴らしかった。改めて格闘技の素晴らしさを教えてもらったし、この大会を見て何かを感じてくれた人達が多くいるはずだし、僕はまたもっと格闘技が大好きになりました。

先週から若い子を集めて週に一回ですが選手練習会を始めました。これは僕個人としての責務と言うか我儘も入ってるんですよね。僕は若くして格闘技を辞めた人間です。諦めた人間です。才能が無くて全然何も出来なくて、けど一生懸命にもなれなくて。決してやり切ってないし後悔だらけです。それでも自分が選んだことだし歩んできたからそこの気持ちに偽りはないです。だからこそ何回も言ってるけどやっぱりこの格闘技の素晴らしさを伝えたいし、今後に紡いで行ってほしいし、同じ志で同じ熱量でやっていきたいし信じたい。何より気持ち。ここが感じられない子は無理だし、僕も本気になれない。時間がある訳じゃないんです。まだ全然わからないけど僕は僕を信じてやっていきます。まだ何をしても響かないしよくわからないけど僕のやり方で想いを伝えるし、伝えてきてほしい。そうすればまた見える世界が広がるはずだから。

本当にこの大会見れて良かった。幸せです。

俺たちはファミリーだ。

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