野田さんサムネ

野田徹 Way to Harmony

福岡県出身で東京都在住のシンガー・ソングライター野田徹(のだとおる)さん(44)率いる「野田徹&The Cave Band」がこの度、夏を彩るスペシャルライヴ、那須塩原 三島ホール公演を行います。今回は野田さんに、なぜ栃木でライヴをするようになったのか、栃木や今回のライヴへの想いなどを伺ってきました。

―そもそもどうして栃木に来られるようになったんですか?

 普段は東京近辺や地元の福岡でライヴをすることが多いのですが、4年ほど前に那須塩原市に旅行に行ったんです。温泉街にプライベートで。その近くを散策していたら、あるカフェがあってオープンエアでアイリッシュハープの生演奏が聞こえてきて。ふと思い立ってそこに入ることにして、コーヒーを飲みながらその生演奏を聴いていたんです。その後カフェのオーナーさんとお話をしてる流れで「実はシンガーソングライターなんです」と伝えたら「じゃあこちらで一度ライヴやりましょうか」と話が進んで。それをきっかけに一人で弾き語りに行ったのが、栃木での初めてのライヴでしたね。その時のライヴに、今もお世話になっている他店舗のカフェのオーナーさん方もたまたまいらしていて、そこで話をして、ライヴをする機会が増えていったんです。

―最初は偶然だったんですね
そうですね。普段からカフェなど色々なところでライヴをやらせていただいていますが、今まで経験したことがないくらい、那須塩原や大田原、那須町の方々のつながりがどんどん広がっていったんです。正直、東京や地元福岡より、一番僕のことを応援してくれているんじゃないかと思うくらい(笑)。今では平均すると月に2回くらいは栃木に来てますね。

―普段は全国を飛び回っているんですか?
関東や福岡が中心ですね。1997年にインディーズでCDを出して、その次に自分のソロアルバムをリリースしたのが2007年。そして自分の生まれた月も7月。たまたま「7」に関係するタイミングで新しいことをしていたので、自分の次のステップになるようなことをやりたいなって2017年に思った時に、現在僕を支えてくれているサポートバンド「野田徹&The Cave Band」のメンバーが、音楽的にも質が高くて素晴らしく、そして普段から仲の良いメンバーで。

そのメンバーと一緒に大きな場所でコンサートをやれたらいいなと考えた時に、東京でも福岡でもなく、那須の地でやりたいなと思ったんです。それで那須野が原ハーモニーホールでコンサートをやることを決めました。ただコンサートをやるのではなく、普段から応援してくれているカフェのみなさんと一緒に何かコラボレーションできたらいいなというところから、スタンプラリー付きカフェマップの案を思いついたんです。

―スタンプラリー付きカフェマップ?
スタンプラリー付きカフェマップというのは、コンサートのガイドブックに自分おすすめのカフェを10店舗紹介し、そのうちの3店舗以上を巡ってコンサートまで来てくださった方にはスペシャルCDをプレゼントする、という企画でした。

※今年のマップは12店舗を掲載。

普通だったら、店舗から広告費をいただいて…なども有り得ると思うんですけど、僕はそこを一切なしにして、デザインから印刷など全て自分負担で製作しました。その代わりに「カフェマップを持ってご来店されたお客様に、お店独自のちょっとしたサービスを考えていただけますか?」とオーナーさんたちにお願いしました。例えば、割引とかドリンクサービスとか。店舗ごとに個性と温かみがあって、面白かったです。

―カフェマップも野田さん主導の元、行われたんですね。歌い手は歌うだけじゃないんですね(笑)
それは人それぞれですね(笑)。僕はここ那須に、決してビジネスライクに稼ぎに来ているわけではないんです。たまたま偶然のご縁があって、それが人から人へと広がり、これだけ応援してくださるようになった経緯にすごく感謝していて、さらに那須の自然や温泉、カフェをはじめとする独自の文化や、チェーン店ではない個人店舗の連携など、お互いに意識しながら、どこかで協力もし合っていて、そんなところに、この地域の大きなあたたかさとポテンシャルを感じました。

なので、非常に個人的で勝手で大いにお節介なアイデアだと思いましたが(笑)、大田原や那須塩原、那須町を音楽やカフェをきっかけにもっと盛り上げられたら、そしてこの那須を訪れる人がもっと増えたら、という想いがまず根本にありました。カフェの皆さんにはそこに共感していただいて、あのカフェマップが出来上がったと思ってます。そうじゃないと成り立たないんですよね。

―どういうことですか?
店舗としては、まずどの店舗も日々繁盛を願い切磋琢磨しているライバルでもある関係、そしてカフェマップを持ってこられたお客様にはもれなくサービスをしていただくので、ご来店人数によってはマイナスになってしまうかもしれないんですよ。それにスタンプラリー期間の3ヶ月の間は普段の業務とは別にそれをしなくちゃいけない。オーナーさんだけではなく、全スタッフの方々に想いを伝え実践していただく必要がある、そこを超えて協力し合えたのは、ひとえにこの想いに共感してくださったことと、一過性ではなく継続して一緒に何かを作り上げていく中で、地域を盛り上げていくという喜びを分かち合えたから、だと思います。なのでこのスタンプラリー付きカフェマップには造語ですが、調和への道という意味を込めて「Way to Harmony」と名付けました。この取組みもやってみると一筋縄ではいかないこともあります。でもカフェそれぞれの考え方や個性を、掛け合わせていくことで、すぐには結果につながらなくても、「あのカフェ、なんか面白いことやってるらしいよ」と少しずつ広がっていくのをイメージしています。

この取組みに共感してくださった下野新聞社さんや、とちぎテレビさんが応援してくださって、メディア露出も増えました。今年はそのおかげもあって、下野新聞社、とちぎテレビ、那須塩原市や大田原市、レディオベリーも後援についてくださいました。

―変な質問していいですか?
いいですよ。

―野田さんって感情的になることはありますか?なんかこう初対面ですけど、話していて心が静かだなあと。
もちろんありますよ(笑) 

ただあまり感情的に怒ることはないですね。家系も性格もあるんじゃないかと思っています。物事が起きてから、両側からの視点を公平にみて、ワンクッション置いて考えるところは小さい頃から癖としてありますね。音楽聴いたり映画見たりして、感動して泣くことももちろんありますし。高校まではプロ野球を目指して野球一筋に打ち込んでいたので、その過程には先が見えなくなるくらいの挫折や悔し涙なども。

―変な質問に答えていただいてありがとうございました(笑) 今度の三島ホール公演でコラボレーションする三島中学校ブラスバンド部の皆さんと今日合同練習でしたね?どうでしたか?
 いやもう予想以上に素晴らしかったですよ。よく短い準備期間であそこまで仕上げてきてくれたなと。歌っていてワクワクしてとても楽しかったです。昨年コンサートを開催した時にカフェのスタンプラリーを始めたじゃないですか。また来年同じようなコンサートを開催できるとしたら、地元で音楽をやっている若い世代の子たちと何かコラボレーションができたらいいなと考えていました。それで今年4月、ツテも何もなかったんですが、アポも取らずに自分で三島中学校に電話をしたんです。「初めまして!シンガーソングライターの野田徹と申します。那須で開催するコンサートでブラスバンド部の皆さんと演奏したいんです」って。

―突然ですか?(笑)
はい、そうです。そうしたらなんとその中学校の教頭先生がとても理解のある方で「生徒も楽しいでしょうし、いい経験になると思います」という返事がありました。次の日にはもう顧問の方の許可も得た状態で電話がかかってきました。「ぜひやりましょう」って。電話の声しか聞いていないのに、教頭先生もよくやろうと決断して下さいましたよね(笑) ちなみに今回はブラスバンド部の3年生17名と演奏することになりました。

―またレベルアップしたコンサートになりそうですが、どんな人に来てほしいと思っていますか?
普段あまり接することが少ない特に10代~20代くらいの若い方たちには出会ってみたいですね。あとはやっぱり音楽をやっているやっていないに関わらず、音楽を好きな色んな年代の方たちに来て楽しんでいただけたらと思っています。


―野田さんの夢や理想の未来像ってどういう感じですか?
音楽は生きている限り何かしらずっと関わっていくと思っています。辞める辞めないではないなと。

あとは自分が後悔せず納得して死ねたら、と思います。自分に正直に生きたいですね。ボク、実は昔野球選手を目指していたんです。小学3年から高校まで野球をやっていました。ピッチャーでした。高校を卒業したら日本体育大学に行って、社会人野球かプロになれれば…と夢を目指していたんですが、高校2年エースの時に、夏の大会前に自分の投球フォームを突然忘れてしまう状態に陥ってしまいました。1年間どん底まで挫折を味わいましたが、その時自分の心を支えてくれたのがシンガーソングライターの方たちの音楽だったんです。それがあって、大学入学後から音楽を始めました。それがなかったら、大学以降は野球をやっていた可能性が高いですね。 なので、どこにも約束された未来はないし、逆にどこにも描けない未来はないと。 自分の人生に何が起きても、どう転がっても、心の声に耳を傾けながら生きていけたらいいなと思ってます。


―音楽の何に惹かれましたか?
野球って数字に結果が表れる勝負の世界なので、勝ち負けを強く意識して生きてきたんです。でも挫折を味わい聴き始めたシンガーソングライターをはじめとした音楽は、自分の内なる声や弱みをさらけだして、そこに共感が生まれていました。今まで生きてきた世界とは真逆だと感じたんです。弱いところを出していいんだっていうことを知って、それが一番の魅力に感じました。野球だけじゃなくて、他の広い世界を知りたいな~という思いが芽生えましたね。

―最後にメッセージをいただけますか?
7月13日、那須塩原の三島ホール公演、野田徹&The Cave Band渾身の演奏と歌でお迎えしようと思っています。年代関係なく、色々な方に楽しんでいただけるようステージを考えています。そして、三島中学校ブラスバンド部の皆さんの素晴らしい演奏とのコラボレーションも楽しみにしてください。ぜひ多くの方々に見に来ていただけたら嬉しいです。

―ありがとうございました!
こちらこそ、ありがとうございました。

取材後にパシャリ☆

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三島ホール公演詳細

[公演名]
野田徹&The Cave Band
Special Live
【La Pasiega】

[日時]2019年7月13日(土)

[会場]栃木・那須塩原 三島ホール
http://www.city.nasushiobara.lg.jp

[時間] open 16:30  start 17:30

[料金] ¥3500(税込) 中高生¥1500(税込) 小学生以下無料

【野田徹&The Cave Band】
野田徹 Vo.Guitar.Bouzouki
藤野俊雄 Bass
コウノハイジ Guitar
山口ゆきのり Hammond Organ
田中徹 Drums
田中優至(UJ) Sax

(主催) OFFICE SOUL VOYAGE

(後援) 那須塩原市・大田原市・下野新聞社・とちぎテレビ・FM栃木・FLY HIGH RECORDS

(協力) ハーブ&カフェ FUTAMI/那須野ヶ原ファーム/Cafe&Restaurant Clover BONHEUR/自家焙煎珈琲 コトリ/Cafe as/FRANKLIN'S CAFE COFFEE ROASTERS/塩原温泉のくだものやカフェ 通りの茶屋 藤屋/レコード喫茶 MORIYA/hikari no cafe' 蜂巣小珈琲店/軽食と銘茶 ピーターと茶々/ナスシオバルウニコ/Livingston Cafe/Surf's Up Design

三島ホール公演について
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取材/執筆
NPO法人キーデザイン代表理事 土橋優平
(「ちなみに私も三島ホール公演行きます!」)


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