学校と塾の違い

新型ウイルスの関係で多くの方が困ってしまっているわけですが、
前回は、学校の休校について考えました。

学校と同じように、休校を強いられているのが学習塾で、
こちらも映像配信などでどうにかしているみたいです。

ただ、映像配信であっても、保護者からは、
「授業料の割引があるはずだ」との意見が聞かれます。

前回の「学費とは…」では、
学校が休校しても授業料は収めるのが適当だと、
そのような考えを書きましたが、学習塾はどうでしょうか。

学習塾では、単位を認定しているわけでもなく、
こちらは、まさに授業をすることへの対価が授業料と考えます。

成績のアップや志望校の合格といった、
具体的な結果までは請け負っているわけではないわけですが、
そのための具体的な指導が受けられなければ、
そもそも学習塾に通う意味はないわけです。

家で自分で勉強できるのなら学習塾は必要ありません。
できないから行くのです。そのためにお金を払うのです。

なので、休校となれば授業料返還という話になるのは必然で、
映像授業でも、直接の指導ではないわけですから、
その分授業料を安くしろ、というのは仕方がないかと。

学習塾の方も、好きでそうしているわけではないのですから、
そんなことを言うのは酷だな、と思うところはありますが、
それこそ、そんなことを言いだしたらすべての業界がそうなわけで。

学校と学習塾は、一見すると同じように見えますが、
やはり、決定的に違うものだと、今回改めて感じました。

一番大きいのは「資格」や「認定」というところでしょうか。

学校は、「資格」を持った人たちにより運営されており、
また、国によってしっかり「認定」を受けた団体です。

学習塾の先生になるには、特に何の資格もいりません。
法律に基づいて、認可を受ける必要もありません。

ただ、だからといって、
学習塾や予備校で教えている人の質が低いというわけではなく、
とても教え方がうまいすばらしい塾講師もいるし、
まったく授業がうまくない学校の先生もいます。

学力の向上、知識の習得という観点から見れば、
実力のある講師が「認可」を受けるべきなのかもしれませんが、
「資格」がなければ、ある意味では無力だということになります。

身を取るか実を取るか、というのはちょっとずれているかもしれませんが、
中身がなくても資格があればお金は払ってもらえます。

中身があっても資格がなければ、金返せと言われてしまいます。

この、本音と建前というのでしょうか、
ブラックジャックなのかやぶ医者なのか、
なんとも難しいところですが、いいバランスはないものでしょうか。