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GK変革の時

 12/18、ヴァンフォーレ甲府は2019シーズンのGKコーチに山岸 範之氏が就任することを発表した。

プレスリリース
山岸 範之 氏 トップチームGKコーチ就任のお知らせ

 甲府が外部からGKコーチを呼んできたのは、実は初めてである。2002年にGKコーチが新設されてから16年間、元々現役時代に甲府でプレー経験があり、引退後コーチとして甲府に戻ってきた坂本武久GKコーチと松下太輔GKコーチの2人を配置転換しながらやってきた。

 これまでの歴任年表はこちら
2002~2007年          坂本GKコーチ(トップチーム)
2008~2009年          坂本GKコーチ(トップチーム) 松下GKコーチ(アカデミー)
2010年                      松下GKコーチ(トップチーム) 坂本GKコーチ(アカデミー)
2011年                      坂本GKコーチ(トップチーム) 松下GKコーチ(アカデミー)
2012~2018年4月  松下GKコーチ(トップチーム) 坂本GKコーチ(アカデミー)
2018年4月~             坂本GKコーチ(トップチーム) 松下GKコーチ(アカデミー) 

 初代GKコーチに坂本GKコーチが就任。最初の期間は2002~2009年で、その時期に在籍した主なGKは阿部謙作(2003~2004と2005~2009、現 藤枝明誠コーチ)、佐藤優也(2004~2006、現 ジェフユナイテッド市原・千葉)、桜井繁(2007~2008、現 桜湯社長 桜湯HP)、鶴田達也(2002~2003と2005~2009、現 カターレ富山アカデミーGKコーチチーフ)に、なんと松下太輔GKコーチも在籍(2004~2006)。
 そして2010年から大木・安間体制からの脱却と共に、アカデミーGKコーチを務めていた松下GKコーチをトップに、坂本GKコーチをアカデミーに配置転換した。この時期から長年に渡って荻晃太(2009~2015、現 ヴィッセル神戸)が守護神を務めた。2011年J1昇格を果たしたが、坂本GKコーチと松下GKコーチを配置転換。
 2012年、前年降格しJ2で城福体制スタートとともに再び松下GKコーチがトップチームに就任。ここから今年の4月まで松下GKコーチがトップチームのGKコーチを務めた。

 今年も松下GKコーチでスタート。しかし松下GKコーチはセットプレーの守備担当も兼務していたが、昨季からと今季開幕してからもセットプレーでの失点が止まらなかった。この時期本人も責任を感じて練習にも出てこれなくなったという話もあったほどであった。2018年4月、チームは残ってほしかったみたいだが配置転換で場を落ち着かした。三度坂本GKコーチの登板だった。そしてその後のセットプレーの守備の構築は伊藤彰ヘッドコーチ(来季トップチーム監督)が務めた。しかしセットプレーでの失点は減ったが、ここからGKのミスが増えていく。とくに守護神を務めていた河田晃兵はコンディションがたちまち落ちていった。終盤はベンチ入りもできなくなっていた。

 甲府のGK陣(GKコーチも含め)は2013年くらいからほとんど変わり映えがない。荻が抜けて、岡が帰ってきてくらいしか動きがなかった。GKは今やただゴールを守っていればいいポジションではなくなってきた。時にはフィールドプレーヤーの1人にもならなければならないし、攻撃の1人目にもならなくてはならない。2018 J1参入プレーオフの横浜FC‐東京ヴェルディの試合で東京ヴェルディGK 上福元選手がほとんど上福元選手のゴールといっていいプレーもあった。(あそこまでは求めてないが...) また、GKは特殊なポジションでおそらくどんなに名将と呼ばれる監督でも専門的なことは教えられないだろう。そんなポジションをずっと置き去り、放置してきたツケがようやく今年回ってきたといってもいいと思う。

 オフで、12/10、11でポーランドリーグ エクストラクサ(1部)のレギア・ワルシャワからアカデミー統括GKコーチMaciei KowalさんがGKのトレーニングに参加し、一緒にトレーニングをした。自分も12/10に練習を見学したが、シーズン中では見たことのなかったトレーニングも多く、GKにとってかなりいい経験になっただろうと感じた。このときに坂本GKコーチがトレーニングの手伝い、松下GKコーチも見学をしていた。それらからおそらくこのまま坂本GKコーチが続投だろう...GKコーチなんか編成の後回しだろうと勝手に思っていた。

 そんな中12/18、個人的に、いや甲府にとって歴史的快挙だろと言わんばかりのニュースが入ってきた。それが冒頭の山岸範之GKコーチの就任である。正直、山岸GKコーチについては名前を聞いたことのある程度である。ここからはネット情報で紹介していきたいと思う。
経歴はWikiを見てほしい。そのなかで気になったのが、

日本大学卒業後の1995年にNTT関東サッカー部(現 大宮アルディージャ)に入団。

そう!我らが佐久間さんの得意の大宮絡みなのである。佐久間さんがNTT関東のコーチ時代の選手ということである。今の大宮アルディージャになってからは関係は調べる限りないみたいだが、よく見つけてきたと思う。
 次に気になったのが『ところでどんな指導者なの?』というところである。そのことが書いてある記事がこちら

FC東京のGK練習は、見ていて飽きない。それは、山岸範之GKコーチが趣向を凝らしたメニューを取り入れるから。今週のトレーニングでは、クロス対応練習でキッカーの足下が見えないように大きなバスタオルで隠したり、ゴール前に障害物を置いてリフレクションへ反応するメニューなどが取り入れられた。
 “秘密のバスタオル特訓”について、塩田仁史は「ギシさん(山岸コーチ)の練習はバリエーションがとても豊富。実戦でも、ボールが見えないところから出てくることがある。センタリングにDFが詰めて見えないこともある。いろいろなシチュエーションにも対応できるよう、工夫している」と、明かしてくれた。
引用元 [FC東京]来季加入内定のGK圍謙太朗が練習参加

 もう期待しかない。変わった練習をすればうまくなるのかと言ったらそうではないが、密閉された空間というか、血の循環の悪かったGK陣(GKコーチも含め)に新しい血が流れ込むことは個人的には非常に期待してたことで楽しみでしょうがない。これでもしかしたら今季調子を落としていた河田が復調するかもしれないし、このまま岡が成長しつづけてゴールを守り続けるかもしれないし、いままで第3GKで静かに成長していた岡西が一気に巻き上げてくるかもしれない。もしかしたら、他のGKが来r...。山岸さんが就任したことで新たな化学反応が生まれるのは確実だと思う。

 まだ12/23時点で契約満了のみで契約更新、移籍、加入の話は全くないヴァンフォーレ甲府。これから数日悲しいニュースや嬉しいニュースが増えてくるが、その中でこのニュースは来季に向けての期待ができる嬉しいものだったと思う。とりあえず今季の課題はひとつ解消されたが、まだまだ多く残されている。静観して見守りたいと思う...(ホント早く踊らせてくれよ)

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