レビュー

10年ぶりの快挙?〜2019シーズン J2リーグ 第3節 鹿児島ユナイテッドFCvsヴァンフォーレ甲府 マッチレビュー

 開幕アウェイ3連戦、勝ち点7(2勝1分)、でかい!!!!!!!
 開幕3試合で勝ち点7超えたの10年ぶり?らしいですぞ!!!


しかも苦手な初物チーム!!いい雰囲気で小瀬に帰ってくるぞおおお!!!

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◆スタメン・フォーメーション

甲府  基本1-3-4-2-1⇔守備1-5-4-1
鹿児島 基本1-4-1-4-1⇔守備1-4-4-2

甲府は前節から佐藤和、武岡に代えて横谷、橋爪を起用しました。橋爪は今季初スタメンとなりました。また、森晃太が今季初ベンチ入りしました。
対する鹿児島は前節のメンバーからCBウイリアンに代えて、山梨県出身(フォルトゥナ)の平出をCBで起用しました。

◆鹿児島への対策

甲府はこの試合いつものオーガナイズから少し変更し、ボール非保持時に曽根田とドゥドゥのポジションを内側に配置しました。それは鹿児島に対して2つの対策をしたからです。
まず1つ目は鹿児島のアンカー中原秀を消すことでした。

 鹿児島のビルドアップは中原秀を経由して前進します。甲府はいつものように相手CBがボールを持つとウタカがアンカーへのパスコースを消して対応します。そこにプラスして今回はウタカ、曽根田、ドゥドゥ、横谷、小椋でアンカーの中原秀を囲み、ボールが入ると一気にプレスをかけて鹿児島を窒息させたいという意図がありました。それに対して鹿児島は中原秀を経由せずにIHの酒本、中原優がシャドー横に落ちてきてボールを受けることで前進しようとしましたが、前線が薄くなり韓が孤立して効果的な攻撃に移れませんでした。
鹿児島目線で見るとすれば、甲府のシャドーは内側に絞っているのでSBはもっと高い位置にポジションを取ってSHを押し上げてあげて甲府のWBをピン留めすればSBを経由して前進できたのではないかと思います。というか後半はできていたので前半からできていれば、甲府を押し込めたのではないかと思います。

中原秀を囲む図

 2つ目の対策はアンカーというポジションを置いているシステムの泣き所"アンカー脇"を攻略することでした。

 甲府の狙いは中原秀にボールが入ったら一気にプレスにいくと先ほど言いましたが、奪った後にすぐこのアンカー脇を狙うために曽根田とドゥドゥを内側に配置しました。しかし鹿児島のネガティブトランジション(攻→守の切り替え)が速く、ボールを奪ってシャドーの2人へパスが出てもすぐに囲まれてしまい、なかなかこのスペースを使うことができませんでした。ここを使うなら、

とても単純な策ですが、奪ったときにシャドーの1人がDFの裏に飛び出してスペースを空けて、そこにウタカが入ってくるなど工夫が必要です。前半はこのスペースを使おうという意識が強く、裏への抜けだしはPKを獲得した場面くらいだったと思います。

◆狙われる隙

鹿児島は一貫してサイドから放り込もうというスタイルでした。その狙いはドゥドゥの甘いネガティブトランジションでした。

相手のミスパスで終わったが、危険なところへパスを通されたシーン

 ドゥドゥの戻りが遅いことで甲府の左サイドで数的不利が起き、何度も攻め込まれました。また本来ドゥドゥがいるべき位置にいないことで酒本がハーフスペースを自由に使うことができ、ここからシュート、パスと危ないシーンが何度かありました。ただ、毎回ドゥドゥが遅れてるわけではありません。しっかり戻って頑張ってはいますが、このたった1回の戻り遅れでやられてもおかしくないですし、相手は狙ってくると思います。山口戦、鹿児島戦と露呈してしまったこの姿はおそらく今後スカウティングされ突いてくるチームがあると思います。このときにどう対応するのか。中盤の残り3枚がスライドして塞ぐのか、後ろの5枚が逆サイドの大外を捨ててボールサイドにスライドして内田が前に出て埋めるのか。鹿児島には申し訳ないですが、これが柏なら...手塚、クリス、瀬川、江坂...などここでボールを受けたら仕留めてきます。この位置でフリーで持たせるのは煮るなり焼くなり好きにして状態です。今週の伊藤監督の修正力に期待です。
鹿児島目線で言うと酒本が攻守において重要な役割を担っています。

守備の時には前へ出てハーフスペースの入り口を塞いで甲府のビルドアップの邪魔をし、逆に攻撃になるとこのハーフスペースで上手く受けて韓勇太へパスを配給するというシンプルなプレーでありながら甲府にとっては厄介な選手でした。

◆ここ3試合を通じて感じた甲府の目指すもの

 今季の甲府はボール保持時は3-2-5で開始します。DFの3人+DHの2人で相手のプレスを回避して前線の5人に繋ぐことを意識しています。この試合の前半6分になかなかおもしろい攻撃が見えました。

相変わらずのごちゃごちゃ絵ですが...。山本から始まります。山本が小椋にボールをつけることで相手を2人引き付けます(①)。相手を引き付けた小椋はワンタッチで小柳に落とします(②)。ここから小柳の曽根田への縦パスで攻撃のスイッチが入ります(③)。ハーフスペースで浮いていた曽根田は縦パスを受けターンをし、受けに来たウタカにつけます(④)。ウタカは横谷へ落とし(⑤)、横谷は左大外レーンで待っていた内田へ展開(⑥)。内田からドゥドゥへボールを渡し(⑦)、ハーフスペースへランニング。ドゥドゥがボールを受けている間にリマが大外レーンをオーバーラップ。この後フィニッシュまで行ければよかったのですがドゥドゥのクロスで跳ね返されて終了。レーンまで意識しているかはわかりませんが、誰かが入ってきたらそこからどく、誰かが出たら入るというのができていた場面だと思います。これをゴールまでもっていくのはこれからの楽しみになります。この流れの動画↓

◆雑感

 この試合に勝ったことで開幕アウェイ3連戦で勝ち点7、そして2連勝でホームに帰って来れました。そしてある程度の手ごたえと課題があることはこの時期いいことではないでしょうか。あんまりピークを序盤にもってきてしまうと中盤に対策され、終盤に失速してしまいますからね。ここからまだ伸びしろたっぷりなので楽しみしかないです。ただ思うのが昨年はルヴァンカップがあり勝ってしまったがために罰ゲームなんて世間では言われましたが、ルヴァンカップはあった方がよかったと思います。ここから出てきた選手が昨年何人もいたのをみると今年は新たな芽が出てこれるのかは不安であります。昨年よりもTMの数を増やすとは言っていましたが、やはり公式戦とTMでは全く違いますからね。そうも言ってられないですが...。そんな中で昨年ほとんどリーグ戦に絡めなかった太田が2戦連続ベンチ入りなどいいニュースもあるのでどんどん出てきてほしいです。
全然鹿児島戦に関係ない話になってしまいましたが(;゚Д゚)
 次節の長崎も実は初物チームなんですよね。ただ鹿児島と全く違うのが、J1から降格してきたチームということです。ただつけ込む余地はたくさんあります。また、長崎は中2日、中3日続きの中での甲府戦なのでメンバー構成はわかりませんが、なかなかハードです。これはうちも昨年味わいましたがきついですね。これはうちとしてはやっつけないといけないです。またこの辺はプレビューに書きます。ではこのへんで。


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