坂本 聰(考えるイヌ)

都内、青山、田園調布で、学校の勉強を題材に、考える力をつけることも目的とする、現代の寺…

坂本 聰(考えるイヌ)

都内、青山、田園調布で、学校の勉強を題材に、考える力をつけることも目的とする、現代の寺子屋「考学舎」を運営しています。思考力を継続トレーニングできる「時事学」(https://jijigaku.com)の運営者。知識をどうやって自分ごとにして考えるか、を大切にしています。

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最近の記事

言葉の意味に注意することの意味

2月に入り、全く違う2つのケースで詳細な、正確な言葉の使い方の大切さについて痛感する機会がありました。 もちろん言葉の意味や使われ方は時代とともに変わっていきます。 また、おおよその意味はそこまで変わらないのでしょう。 しかし、正しく意味をとることにアンテナを張らなくなることで、誤解やコミュニケーションミスにつながることも多くあります。 入試問題と岸田首相の発言から少し、考えてみたいと思います。 1つ目のケース 大学入試現代文読解問題で・・・  先日、高校生と大学入試の過

    • 共通テストに見る時事問題

      今年も入試シーズンが始まりました。 受験生のみなさんは、体調を整えて試験に臨めていますでしょうか? 共通テストでは、今回も積極的に(?)時事に関連する問題が出されていました。 例年、共通テストで問われたジャンルは私大等でも問われることがあります。 共通テストをわたしが見たところから少し、時事についてみておきたいと思います。 前段として、共通テストは目指す方向に進んでいるのか? もちろん、私の極めて個人的な感覚ですが、少しまとめておきます。 共通テストは、知識偏重から、

      • 大掃除に思う

        大掃除 2022年も年末、なんとなく年末には不要なモノを処分したり、埃のたまった場所をきれいにしたりしたくなる。 普段なら少しぐらい雑然としていてもそのままなのに、年を越すとなるとなんとなく気になったりするのはなぜだろうか? どこかで誰かから、年始はスッキリと、とか、気持ちを改めて新年を迎えるなどと言われていた(すり込まれた!?)のかもしれない。 この時期、私たちの寺子屋でも恒例となった大掃除が行われる。 少し皆さんと違うかもしれないのは、スタッフと生徒が集まり、みんなで掃

        • さあいよいよ本番! 一発勝負入学試験への最後の学び

          2022年が始まりましたがあっという間に1月も終わり。 各入試も本番を迎えています。 ここまでくると、とにかく体調を崩さず本番を迎え、力を発揮して後悔なく終わってほしい。と思ってしまいます。一方で最後の最後まで努力を続け、勢いをもって試験に臨むことも成功への秘訣の1つだと思います。 今回は最後の最後、何をすべきなのか、少し考えてみようと思います。 <入試で力を出し切るのは難しい>本番で力を出し切ること、想像する以上に難しいことです。 それも、その本番に向け、力を入れ

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        • 夏休みの過ごし方
          3本

        記事

          大学入学共通テストまであと60日!「何をすべきか??」

          少しずつ秋も深まり、11月も半ば。 あっという間に共通テストまであと2か月となりました。 国立を受ける受験生のみなさん「特に合格ラインギリギリの!」みなさんへのメッセージです。 受験生にとっては、最後の追い込みのタイミングです。 現役生の中には、ようやくエンジンがかかった、という生徒も一定数いるのかもしれませんが・・・。 さて、そんな中で今回は、国立大学に絞った話をさせて頂きたいと思います。 国立大学を受ける生徒が悩むのは、共通テスト対策と2次試験対策の配分です。 国立

          大学入学共通テストまであと60日!「何をすべきか??」

          東北大学の入試問題には出題意図が公表されている

          東北大学のWEBサイトには、他大学と同じように昨年度の問題が掲載されています。 しかし、他大学と違うところは、出題意図もまた、掲載されているところです。 初めてこの話を知り、驚きつつ、感嘆しました。 大学には、アドミッションポリシーがあるわけですから、当然出題意図があるはずです。 しかし、実際に見るのは初めてです。 そこで、英語と国語について、問題を読み、出題意図を見てみました。 英語1番本文、なかなか読み応えがあります。しかし、読解に必要な文法については、特殊なものは1

          東北大学の入試問題には出題意図が公表されている

          選挙と子ども

          10月14日に衆議院が解散されました。 19日に公示が行われ、来る31日に投開票が行われます。 みなさんは投票に行かれますか? 若者の投票率が低い、と言いますがこれはいったいなぜなのでしょうか? そもそも若者は社会でどんな立場なのでしょうか? 私たちの前にある課題には、時間軸で分けるといくつかの種類があるように思います。 たとえば 新型コロナウイルス(COVID19)にどう対処するか。  これは、今目の前にある課題であり、今すぐ対応しなければ、感染して亡くなる、経済的

          夏休みならでは!!

          さあ夏休み! 小中高校生にとっては1年で最も長いお休み、夏休みが始まります。 大人になるとこんな長い休みはありませんよね・・・。 うらやましいものです。。。 7月によく話すことがあります。 この夏にしかできないことをしよう! 最初のうち、子ども達は「え?」という顔をしますが、何年か通ってくるうちに、夏休みに何をするか?考えるのが楽しみになってきます。 残念なことに多くの子どもにとって、夏休みとはいえ、親が、学校が、部活が、やることを決めてしまう部分が多いようです。 も

          努力って報われるの??「道のりは長いかもね・・・」

          「努力って報われないじゃん!」 期末試験前なのに、勉強のやる気が出ないんだよね~という愚痴から始まった中1男子の話は、努力の話に展開しました。 彼はかなりの野球ファンなので、プロ野球選手の大変さを見ている部分があるようで、 野球選手だって同じように努力しても報われる人とそうでない人がいる。 すごく努力していても、新人入ってきて追い込されて1軍から落ちたり戦力外になったリする。  →これってもともと持つ才能や運もおおきいのではないか? そう考えると努力しようと思えない。と

          努力って報われるの??「道のりは長いかもね・・・」

          五輪委会長交代にみる同質と異質

          ご存じのとおり、森五輪委会長は失言により辞職されました。まだ次の会長は決まりませんが、この顛末は日本の社会だけでなく、世界の今をとてもよく表している、ということに気づきまとめてみることにしました。 森会長の失言と同席者、政治家の反応 森会長は2月3日のJOC臨時評議員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」と発言。おそらくは彼やその場にいて、声を出して笑いすらした評議員のみなさん、そして彼をそのままかばおうとした政治家やIOCの意識は、ちょっとした失言に過ぎ

          五輪委会長交代にみる同質と異質

          書初めで課題設定力を養う!

           私たちの教室では、1月、全生徒が書初めをします。それぞれが、色々な形で「1年の抱負」を表現します。そして、それを頭に置きながら毎月の目標を考えるのです。 12月の話題 12月が終わりに向かうころ、教室では来年も書初めするの?という話題がでてきます。年末にむけ、そして冬休み期間に、生徒は書初めで何を書こうか考えてくれます。そして新年初回の授業、生徒はそれぞれの「今年の抱負」を書初めます。言葉を決めてくる者もいればその場でウンウン悩む者もいます。四字熟語辞典を開いたり、インタ

          書初めで課題設定力を養う!

          第1回大学入学共通テストの問題を見て

           大学入学共通テストにおいて、時事的な知識があることがどの程度解答に役立つか、という視点と、思考力が必要な問題がどの程度あるのか、という視点で問題を見てみました。  全般的にいうと、時事的な知識が役立ちそうなところはほとんどありませんでした。残念。  しかし、思考力があれば、足りない知識を補える、という問題は随所に、とくに英語、社会では多く見受けられました。国語・数学では結局あまり以前と変わっていないように感じました。 世界史B 何らかの資料を読み取りながら、歴史的知識を使

          第1回大学入学共通テストの問題を見て

          全科目で必要な時事や社会の知識

          今日はいよいよ、初めての大学入学共通テスト。今頃は語学の試験中でしょうか。時事の知識は必要かなあ?とちょっと考えてみます。(明日以降今年の問題を実際に検証してみるつもりです。)  時事や社会についての知識は、入試で問われるのは、せいぜい小論文か面接くらい。と思っている方が多いようです。時々、中学・高校入試の社会では題材があるけれど、そのくらい。などと思いがちです。実際はどうなのか?少し考えてみます。 なぜか高校のころ難しかった文章を読めてしまう! ちなみにこれをお読みの大

          全科目で必要な時事や社会の知識

          新しい学習指導要領に見る、これからのまなび

           ~本質をつく、お絵かき作文の考え方~  来年度から順次施行される新しい学習指導要領では、一言でいえば「知識をどう活用できるようになるか?」が大切にされています。 これは小学校から高校まで、どの科目でも共通です。  学習指導要領と言えば非常に抽象的なものですが、今回、高校の学習指導要領には、一部、かなり具体的な記述があります。それが「お絵かき作文」のことを指しているのではないか?と思えてしまったので少しまとめてみたいと思います。  学習指導要領の中でも、国語系で多く出て

          新しい学習指導要領に見る、これからのまなび

          お絵かき作文ドリル上梓

          思考力をつけるためのトレーニングを具体的な形に。 2020年8月7日、朝日新聞出版より、考学舎の教材である、お絵かき作文をドリル化したもの(お絵かき作文ドリル基礎編・お絵かき作文ドリルチャレンジ編)を上梓いたしました。 この教材について簡単に解説しておこうと思います。  この教材の類書は今のところ、「国語が得意科目になるお絵かきトレーニング」(Discover21刊)以外には存在しません。 また、ここ数年で多くの思考力トレーニング教材が発売されていますが、お絵かき作文以外

          お絵かき作文ドリル上梓

          完全テレワークは結構たいへん

          考学舎は完全テレワーク化10日。 社員はだいぶ前から、週に1日くらいをテレワークにするメンバーも多かったのですが、私自身は、今までテレワークの経験がありません。 それどころか、高校生くらいの頃からごく最近までを振り返ると、週末をふくめて考えても自宅に終日いるケースは極めて少ない人生を過ごしてきました。 それが、終日家にいることになりました。これはなかなか大事件です。 普段は、午前は客先へ出ていますし、夕方から夜、授業をしているときは結構立っていることもあります。毎日平均して

          完全テレワークは結構たいへん