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関学声研ブログ第131回 【アニメによる町おこし政策と害悪オタク】

お久しぶりです、GIMです。
アニメやゲームの聖地巡礼やイベントなどによる町おこしが行われるようになり、アニメの経済効果などが証明され、オタクマネーやコンテンツの立場が少しずつ築かれるようになってきましたね。

こういう、普及の期間に困るのは身内の無能と相場が決まっています。普及には必ず反発があり、身(内)から出た錆は反発の口実になりますので。
そこで今回は、オタクコンテンツがなぜ今政策に採用されるかを自分なりに分析したうえで、オタクコンテンツは広く価値が認められたものではないからちゃんと分をわきまえましょうね、という話をします。勘違いして欲しくないのは、そもそもの話、オタク趣味に限らず趣味と呼ばれるもの自体が、通常多数に受け入れられるものではなく、アニメとかオタクだからこのブログで必要以上に卑下している訳ではない、オタクを否定している訳ではない、という点です。通常じゃないからこそ趣味って呼ばれる訳だから、多少はね?

さて、そもそもなぜこの話をしようかと思ったかと言うと、ゆずソフトという成人向けゲーム制作会社と某有名お菓子店(店名は伏せさせていただきます)で、店舗の外観が無断で使用されたため、イメージに関わるとして、使用を止めるようお菓子店側が
求めた、という問題が起こり、それに反発したゆずソフトのファンの手によって、お菓子店のレビューが荒らされる、という何とも耳の痛くなるようなことがあったからです。
荒らされたレビューの内容は、聖地になってオタクが呼び込めるんだから有難い話だろ、といった内容や、オタクは客じゃないのか、といったなんとまあ身勝手なものでした。

性的なものを連想させるからオタクコンテンツは受け入れるのが難しくなっているというのに、エロにコミットしてるエロゲの舞台にされて喜べ、というのはあまりに勝手な話です。
どうせグッズで武装したオタクやモザイクが必要な痛車とかで店に乗り込む迷惑なやつが何人かはいることでしょう。そんなやつを見て、一般人が気にせず店に入れますか、ということです。
ちなみに、こういった市場の外部から受ける不利益を外部不経済と呼びます。

分かりやすくまとめると、マーケティングの基礎にもならないことが分からないようなksが、最近アニメとかが受け入れられつつあるという現状を勘違いして、オタクコンテンツは素晴らしい、それが分からないお前らが駄目なんだ、と言っているかのような現状を見て、頭が痛くなる思いであるということですね。
ゆっくり丁寧に理解を求めないといけない段階で、身内のこの反応はよくある事とはいえ困るものです。

本編です。
ではなぜ、町興しやクールジャパンなどでオタク文化は政策に採用されているのでしょうか?

1番の理由は、アニメが素晴らしいから、ではなく経済的にメリットが大きいから、です。
お店を出すときなどの経営戦略もそうですが、政策を決める時にはまずターゲットを決めます。そのターゲットはより具体的に狭い範囲で定めることで、より具体的なアプローチが出来るようになり、大きな効果を上げます。しかし、その範囲が狭くなると、今度は対象となる数が小さくなり、効果に対する成果が小さくなります。なので、ターゲットを決める際は、より限定的であり、かつ利益が取れる大人数であるという条件が付きます。
例えば、家族(夫婦またはカップルと区別するため、こどもがいる家庭に限定します)をターゲットにした場合、こどもを連れて来れる環境、車でのアクセスの良さ、泊まる環境の整備などにより、ある程度地域が限定されることになります。そして、家族は地域を越えてコミュニティを作ることはあまりないため、呼び込んだ後の二次的宣伝効果は望みづらいです。 なので、町興しなどをしたい場合、出来るだけ広い地域にアピールがしなければならないため、家族向けなどのコンセプトは取りづらくなります。
では、ここでオタクをターゲットにした場合にどうなるのか。
オタクは、Twitterなどによって地域を越えてコミュニティを作っています。さらに、少数派であるが故の忍耐力を備えており、イベントで移動することに慣れている人も多いため、ある程度の殿様商売でも人を遠くから呼ぶことが出来ます。そして、1人のオタクにアピールすることで、コミュニティに広がるため、波及的に多くの人に伝えることが可能です。なので、オタクをターゲットにした場合は、地域の制約をある程度無視することが出来るのです。

つまり、オタクは少数派であり、かつ、多数、という戦略上極めてメリットの大きいターゲットと言えます。

アニメの素晴らしさはまだまだ理解されているものではなく、私たちは引き続き布教のために丁寧な働きかけを心がけなければならないのです。
これを勘違いして、アニメの素晴らしさを先に説くことなく、アニメの素晴らしさを前提にした態度を取る事は、オタクコンテンツの成長を阻害することになります。

初めの事例を見ると、アニメや漫画でさえこれなのですから、成人向けゲームなど言わずもがな、そんな狭いターゲットを取り込むために既に成功しているお菓子店がリスクを背負うなどありえない話ということが分かります。荒らし行為など品位が問われるので本当にやめてください。

ということで、長くなりましたがここらで終わりとさせて頂きたいと思います。
最後までお付き合いいただき誠にありがとうございます。
ちなみに問題となったソフトは、12月20日発売(予定)の「喫茶ステラと死神の蝶」です。作品は良いもの(だと思います)なので、気になる方は是非ご予約を。ちなみに今回のカバーはその作品のヒロイン、四季ナツメをモデルに描いてみたものです。頑張りましたが相変わらず下手くそな上にミスしたので、全体図は個人のTwitterに密やかに載せたいと思います。

では、また次回

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