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花嫁の父

「花嫁の父」と聞くとどんな印象を持ちますか?
・緊張した姿
・娘の隣にいる脇役
・結婚式なんて大嫌いだ…とどこぞのCM
実際に娘のいる父親にとっては「ムムム…」と考えてしまうのではないでしょうか

少し前…僕らが応援するアルビの試合が、ホームで開催される某日に、僕の娘の結婚式が無事に執り行われました
初めての「花嫁の父」を経験したのです。娘がもう一人いるので、順調ならもう一回あるわけです…ね。既に入籍していたので、当日も、前日も特別な想いになることはなく、案外緊張もせずに式を迎えることができました

少し時間を遡り…
花嫁の父の服装といえば…そうモーニング
嫌で嫌で仕方ありませんでした。着させられている感満載だし、似合う色や形を選ぶこともできず、そしてレンタル代が結構お高い!
同じお金を出すなら、そのお金で自分に似合うスーツを購入し、バリっとカッコ良くその場に立ちたい!と力説しましたが
「理由はごもっとも。でもね…」と嫁さんと娘2人にあっさり却下…納得できないままにモーニングを着ることに…
ちなみに、僕の弟が衣服業界に勤めていて、この話をすると
「結構同じような理由で、スーツを購入しにくる人いるよ」
だそうです。ほらやっぱり…おっと心の声が漏れそうなので、この話はここまで

当日
快晴。でも台風によるフェーン現象により、気温が高く、熱風が吹く日
でも来賓の方々には雨が降るより余程いい。正に「新郎・新婦の日頃の行いのお陰ですね」と言わんばかりの天気
さて式場に着いてもすることがない。例のモーニングに着替えてしまえば全くすることがない。
あっちへウロウロ、こっちへウロウロ…写真を撮ったり、娘の友人達と談笑したり…そうヒマ
一応本を持っていったけど、何となく『時間的に追われている感』があり開かず。このソワソワ感…如何ともしがたかった

ようやく出番?
娘たち主役の準備が整い、式場への入場方法など事前打合せが始まった…けど、なんだか気恥ずかしい。式場の方々の思惑と、僕ら夫婦の心境が一致していなのではって感じで恥ずかしい
多分、式場の方々は
・綺麗な娘
・かしこまった花婿
・それを感慨深く見つめる父母
・娘を見て涙する母
・普段話さない娘と顔を見合わせ恥ずかしい父
…なのだろう
まぁ恥ずかしいは合っているか。種類が違うけど笑
僕ら夫婦は、ただただ面白かった。可笑しかった
確かに綺麗だった、可愛かった。花婿は緊張していた
でもそこまで。後は娘と進める手順の説明に、お互いに顔を見合わせ笑いながら進んだ
僕は娘が大きくなった今もよく話すし、一緒に行動するので(娘が付き合ってくれているが正しいか笑)『あんなに小さかった娘がいつの間に…』みたいなのは全く無かったのです

ようやく式が始まる
先に花婿とご両親が入場。ぎこちなく入場する花婿を見て、その場にいる僕らと娘は笑いを堪えるのに必死だった。式場の方々ごめんなさい…緊張感のない親子で笑
ついに僕らも入場
扉がバーーーーンと開くと視線が一気に僕ら…もとい娘に視線が集まる
感嘆の声。綺麗、かわいい…様々な声。そうでしょう、そうでしょう。かわいいでしょ…かわいいんです。綺麗なんです。よーーーーく見てください…なんて余裕はなかった笑
とりあえず足と手が一緒にならないこと、娘と歩く速さと歩幅を揃えることで精一杯。ようやく新郎の待つ前に到着。娘を渡して…あれ?こっからどうすんの?説明なかったけど?…とりあえずみなさんの視線が新郎、新婦に集まった瞬間にしれーーーと着席
あとはもう何もすることない。よし完遂!

緊張…


式が終わると親族紹介
子ども達からみた関係で紹介するそうで…つまり僕と嫁さんは「娘の父、母」となるわけです
これが面倒。叔父だの叔母だの言ったこともないし、意識したこともない。幸い新婦側は後だったので、その間に(○○は叔父、おじ、オジ。△△はい・と・こ…)と脳内リピート。なんとか切り抜けた笑

さぁ披露宴
ここはもう自由!もう僕の出番は無し!!
何やらサプライズ動画の連発だの、ファーストバイトだの(…友人代表に食べさせてたよな?)、「それではご歓談を…」の時間はほぼ無い盛々々々の披露宴

新郎新婦自作動画のOP


僕はといえば、一昨年良くできた嫁さんから50才の誕生日プレゼントに貰ったカメラ片手に、会場を縦横無尽に駆け回る…こんな新婦の父がいるんだろうか、、、と自分でも思いながら(まっいっか!)と脳内で完結した笑
披露宴での娘はかわいかった。笑っていた。娘の友人達、新郎の友人達も笑っていた。会場中が笑顔だった。素晴らしい空間だった。スタッフの方々も色々気づかいしていただき、僕のカメラで家族写真を撮影してくれたり、新型ウイルス禍で各テーブルに挨拶ができない中、段取ってくれて最低限のご挨拶もできた。本当にありがとうございました

披露宴も終盤…娘からの手紙
嫁さんは「いらない」と言っていたけど、僕からお願いした。感謝の気落ちって想っていても中々伝わらない。言葉にして伝えるってホント大事だと思うからと娘にお願いした。
手紙を読むにつれて、少し泣き出す娘。泣く娘の姿にもらい泣きしそうになった。最大限に感情が揺さぶられた…目が潤んだ。言葉にも文字にも表せない感情。なんだろ…結婚するんだなぁでも、幸せになれよでもない。なんだろ…とりあえず手紙を渡す娘の手をグッと握った

長い一日が終わった
いい一日だった。最高に楽しかった
自分達の結婚式も楽しかったけど、またそれとは違う楽しさ。緊張も多少したけど、花嫁の父も悪くない…そう思えた一日だった
終わって寂しさが増すわけでもなく、懐かし思い出にふけるでもなく、ただ今日一日が楽しかったことを話しながら、お酒を飲んでいた。こんな一日をくれた娘と息子には感謝だ!ありがとう!!

最後に
娘の手紙には「僕ら夫婦を超える」とあったけど、それは無理!笑
単純に「ふーーんそれは難しいよ。やってみな」的な親目線でもあるけどね
僕らには僕らのやり方がある。そしてなんでこんなにかわいく、いい娘たちに育ったのかという謎もある笑。ゆえに無理なんだ。まぁリップサービス的な意味合いがあることも十分承知してるよ笑
僕ら夫婦が君たちの一つの目標になれたことが幸せです
君たちには君たちの未来がある。君たちは自由だ
前に進むもよし。右にも左にも道はある。なんなら後退したっていい。立ち止まったっていい。自由に君たちらしく、君たちが思うものを描けばいい


「この道を行けばどうなるものか。 危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし。 踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。 迷わず行けよ、行けばわかるさ。」
1・2・3 ダァーーーーーーー!

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