ひとり芝居の味の素(創作の為の日記)

2024.2.7wed「自己矛盾」

本当の人間は妙に纏めにくいものだ。”

とは夏目漱石の言葉。
ひとり芝居においても纏めづらい矛盾に満ちた人物こそが人間味に溢れておもしろいし、そこに人物の魅力が限りなくにじみ出てくると思います。

てなわけで、ここから先の長谷川恒希のひとり芝居のテーマは、そういう矛盾に満ちた人物の造形を、想像力を使ってかいていこうというところです。

一口に言えば、人間には本来性格なんてものはないと一旦してみるということ。あの人は優しい人、あの人は怒りっぽくてケチな人。人には優しくしない人。と決めつけないで人間を捉えようという事です。
捉えようという言葉ももはや矛盾している気がしますね。
人間そのままのわけのわからない矛盾をその人の魅力としてみようということです。

立派な仕事をしろ!と怒鳴った後、お酒を飲んだまま手術をしちゃうお医者さんだとか、お金がないお金がないと言ってボロボロのパンツを履きながら「今日は外食にしましょ、寒いからタクシーで」なんて言うお母さんとか。

話は逸れますが、自分と関係のない芸能人の不倫を叩いてる人間の90%は、自分も不倫しているか強烈な不倫願望があるかの二択でしょう。不倫経験があって、不倫芸能人と過去の自分をまとめて断罪しているパターンもあるかも。

なんにせよ人間のおもしろさは、言ってることとやってることの整合性のとれなさ、そういう矛盾の中から生まれるものなんじゃないでしょうか。

”人間はおもしろい”ということを信じてみようという長谷川恒希のひとり芝居はそういうところを出発点として演出の関根と始めたものです。

おもしろさと向き合おうと思うと、舞台上に人間を立ち上がらせないといけない、ではその人物はどうしたら作り物のキャラではなく、人間になるのかと考えると、
矛盾を孕ませるというところにその人個人が持つ唯一の人間らしさとユーモア・愛嬌が生まれるのではないかと考えたのです。
無論こんなことはオリジナルなアイディアでも何でもなく、大昔から文学がそれをやっています。
難しいことを言いたいわけでもやりたいわけでもなく、キャラクターにそういうものを忍び込ませ、お客さんと一緒に笑い合ってみんなで充実した時間をつくるというのが僕らが一番大事にしていることです。
人間は面白い、ここが! それはどこなのかをずっと探り続け舞台の上で試しています。

この日記は芝居を作るための頭の中の整理と、言葉に上手くまとまっていないことを立ち上がらせるために書いていく雑記です。
人に見せるためではないので、読みづらいでしょうし易しくないですが、ちょこちょこと更新していきます。
人に見せるためではないと言いながら人に見える場所で書くというのが早速の自己矛盾ですね。
これを魅力と捉えろとは口が裂けても言えませんが。
ひとり芝居の味の素になっていく様々なアレコレを書いていきます。マニアな方はお付き合いください。


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