声調で重要なのは「平声」
タイ語をはじめてすぐにとまどう「声調」。
中国語とかは声調のあることばですが、経験ない人は結構苦労しますよね。
タイ語の声調は以下5種類。
第一声調(平声)……平らに発音
タイ「thay」
第二声調(低声)……低く、抑えつけたままにする
〜したい「yàak」
第三声調(下声)……上から下に、振り下ろす
難しい「yâak」
第四声調(高声)……高いところからはじめて、もうワンチャン高くする
弟分「nɔ́ɔŋ」
第五声調(上声)……低いところから、すくいあげる
2(sɔ̌ɔŋ)
しかし私はここで言いたい。
重要なのはむしろノーマル・ノーマークの、「第一声調・平声」だと。
世界のことばには「強弱アクセント」の言語と、「高低アクセント」の言語があるらしいです。
タイ語は日本語と同じ、「高低アクセント」言語だと思う。
ただ、タイ語はあくまで「単語」に関する「高低アクセント」だけど、日本語は「合成語」や「文章」によって高低が変わる。
伝えたいことを図にしてみた。
うちの母は、中部地方出身で「さざえ」は「高・中・低」となる。
父は四国の人で「低・高・中」となる。
ここまでは方言の高低アクセントの違いという話だと思う。アニメ「サザエさん」は、「さん」でさらに下がる。
しかし「〜漁」となると、「中・高・高・低」になる。
日本語は、単語の中で高低があるだけでなく、その後に続く言葉によってその高低は変化する。このあたりはバシっとしたルールがあって、なんかの法則で説明できるのだろうけど、外国人の学習者にとってみるとかなりハードルが高そうだ。
逆に母語が日本語の人にとってみると、タイ語学習において重要なのは、「日本語は発音が上や下に向かっている場合が多い」ことに気づくことだと思う。
タイ語に戻ってみます。
「タイに行く」
pai mʉaŋ thay
*わたしたちのくせ
単語単体をカタカナで見たときは──
「パイ」……上から下にむかって発音しがち
「ムアン」……上から下にむかって発音しがち
「タイ」……上から下にむかって発音しがち
続けて読むときは──
「ムアン タイ」……「ムアン」を下からすくいあげがち(人によっては上から下に振り落としがち)
おまけ)「ムエタイ」……「ムエ」を下からすくいあげがち
でも、「パイ ムアン タイ」「ムエタイ」はぜんぶ平声で発音しないといけない。そうしないと通じない。
声調を学ぶときの第一歩、重要なのは、「平声は平声のまま読む練習を自分で重ねること」、だと思うのです。
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