市販のアケコンにボタンを増設する方法
ストリートファイターシリーズ最新作であるストリートファイター6(スト6)が非常に盛り上がっている。そのせいか格ゲー用のゲームパッドやアケコン、レバーレスはどこも品薄状態という、今まででは考えられないような事態が起きている。
一方、スト6はシステム上、市販のアケコンやレバーレスだとボタンが足りない、と感じるプレイヤーも少なくなく、プロゲーマーはもちろんのこと、一般ゲーマーの中にもボタンを増設したり、さらにはコントローラーを自作する者も増えているようだ。
かく言う自分もその一人で、過去にアケコンにボタンを増設した話を経験談的にnoteにまとめたが、経験談はどうしても冗長となる。なので、今回は市販のアケコンにボタンを増設する方法をマニュアル的にまとめておこうと思う。
市販のアケコンにボタンを増設する際に必要なこと
まず、市販のアケコンにボタンを増設する場合、
天板に増設ボタン用の穴を開ける
ボタンと基盤をケーブルで繋ぐ
ということをしないといけない。
天板に増設ボタン用の穴を開ける
天板を外す
「天板に増設ボタン用の穴を開ける」前に確認しておくこととして、現在主流のアケコン(オブシディアンやファイティングスティックα)は、天板がアクリルとメタルプレートの二重構造になっている。
なので、アクリルとメタルプレートの2つの同じ位置に同じ大きさの穴を開ける必要がある。
この天板の外し方はアケコンによってそれぞれで、旧パンテラなどは、この2つが糊付けされてる関係で、結構無理しないと外せないらしい。
自分が使ってるオブシディアンの場合は天板の端にネジ穴を隠すシールが貼ってあり、それを外すとネジが出てくる。そのネジを外すとまずはアクリルが外れ、その下のメタルプレートも同じようにネジで止まっているのでこれを外せばメタルプレートも取り外せるので、天板の取り外しは楽な方。
必要となる工具
穴を開ける際に必要となる工具は電動ドリルとホールソー。
電動ドリルについては、数ミリの金属プレートに穴が開けられる程度のパワーがあれば十分。自分は以下のものを使っている。
また、ホールソーについては使用するボタンのサイズによるが、アケコンなら直径30mm、レバーレスなら直径24mmが主流だ。
穴を開ける場所はメタルプレートを基準に決める
アクリルとメタルプレートは二重構造なので、この二つの位置がずれないように穴を開ける必要がある。
ただ、基本的にはアクリルよりもメタルプレートの方がサイズが小さく、ボタン位置のボトルネックとなりやすい。そのため、メタルプレートから穴を開ける場所を決めた方がいい。
穴を開ける場所については、目分量だと失敗する可能性があるので、最低限プレートにマスキングテープを貼って位置を決めた方がいい。
天板に穴を開ける際の注意点
電動ドリルとホールソーで穴を開ける際の注意点は以下の通り。
メタルプレートに穴を開ける際は、電動ドリルに負担がかかるのでドリルを適宜休ませる
アクリルは割れやすいのでしっかり固定する
作業中は細かい破片が飛び散るので新聞紙などを引く
以上が、天板に穴を開ける方法である。
後は、開けた穴にボタンをはめ込めばいいのだが、その際のボタンは「はめ込み式」よりも「ねじ式」の方がいい。
ただ、Amazonにはねじ式のボタンでめぼしいものがないのがちょっと悩みどころ。可能ならアケコンパーツを売ってるリアルのお店に行くか、他の通販を探したほうが良いだろう。https://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/search.php?maker=GamerFinger
ボタンと基盤をケーブルで繋ぐ
L3ボタンやR3ボタンは基盤に直付け
開けた穴にボタンをはめ込んでもケーブルが繋がっていなければただの飾り。なので、今度はケーブルを繋げる必要がある。
ただ、市販のアケコンの場合、天板上の8つのボタンはケーブルで基盤と繋がっているが、天板に増設したいL3ボタンやR3ボタンは基盤に直付けとなっている。
なので、基盤とケーブルをはんだ付けしないと、L3ボタンやR3ボタンを増設することはできない。
なお、天板の他のボタンのケーブルを増設したボタンに繋げるという場合、(つまり、ボタンの数を増やすのではなくボタンの位置を変えるだけの場合)、以下の作業は不要だ。
ケーブルの自作
まずはケーブルを作成。
ケーブルの作成については、ケーブルを加工するための電工ペンチと平形端子が必要だ。
電工ペンチを使えば、ケーブルのビニールを簡単に外せるし、平形端子の接着も簡単なので、ここはそれほど苦戦することないと思う。
ケーブルを基盤にはんだ付け
問題ははんだ付けだ。
オブシディアンでは、L3ボタンやR3ボタンは基盤に以下のように直付けされている。
2つの端子?が、かなり近い距離で円形に、連続するU字の隙間を空けて設置されているのがわかるだろう。
通常は、この基盤を直接ボタンで叩いてるわけだ。
この円形を形作る2つの端子のそれぞれに、以下のようなイメージでケーブルをはんだ付けする。
はんだ付けには、はんだごての他にフラックス剤がないと、ケーブルと基盤が上手くくっつかないので注意。
基盤にフラックス剤を塗り、2つの端子の隙間を埋めないように、基盤とケーブルをはんだ付けしていく。仮にはんだで2つの端子の隙間が埋まってしまっても、はんだを熱してはんだをどかせば隙間は復活するので慌てないように。
こちらがはんだ付けが済んだもの。見た目があまり綺麗でないのは、素人のDIYなので許してほしい。
なお、後で「ボタンが効かないんだけど!」と泣きたくない場合、基盤とゲームを起動したPC or ゲーム機を繋げたまま、適宜ボタンが動作するか確認しながら作業すると、そういった失敗はなくなると思う。もちろんこうした作業中は電源を切って行うのがセオリーなので、このように作業する場合は自己責任で。
基盤とケーブルがきちんとはんだ付けされれば、あとはボタンとケーブルを繋げるだけ。
まとめ
こちらが完成品。
正直、市販品の改造だからといって簡単というわけでもないし、必要となるものも多い。ただ、やってみると意外と楽しいし、何より使い慣れたデバイスをそのまま使えるのはかなり快適。
なので、市販のアケコン改造を考えてる方は参考にしていただければと思う。
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