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ツール・ド・フランスについて乱雑かつ個人的なことを書く

1000文字以上書こうと思う。

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jsportsでツール・ド・フランスがやっている。僕は相撲も好きなのだけど、毎年この時期は名古屋場所をほっぽり出して、ツールだけに注力している。どっちも情報量が多すぎるからだ。僕は相撲についても、サイクルロードレースにおいても、この情報量を愛している。

ツールなどのグランツールを含むいわゆるプロツアーと呼ばれる最高峰のヨーロッパの自転車リーグ的な放送は、日本ではJ SPORTSというCSのスポーツ専用チャンネルが独占的に放送している。一時期DAZNが一部のサイクルロードレース、例えばジロ・デ・イタリアやロンド・ファン・フラーデレンのようなビッグレースの日本での放映権を得たりしていたが、あっという間に撤退してしまった。独占的に放送してきたが故に、J SPORTSは明らかに自転車のことを「わかってる」番組の構成をしている。そこには否応なしにサイクルロードレースに対する愛を見出さざるを得ない。僕はその愛に感動して一本noteを書いたことがある。

「ツール」としれっと書いたが、「ツール」といえばほぼイコールでツール・ド・フランスなのだ。実際フランス語で「le tour」といったら宿命的に「Tour de France」のことを指す。こういう一般名詞が事実上の固有名詞として機能してるのってとてもかっこいいと思ってしまう。商事と言えば三菱商事的な(?)。

マーク・カヴェンディッシュのインタビューが流れてきた。正直言って、カヴェンディッシュは好きな選手ではなかった。世界選手権を獲ってなお、ライディングスタイルがあまりにもカッペ臭いというかダーティすぎるし、リオデジャネイロオリンピックでの韓国の選手に対する狼藉にはストレートに怒りを覚えた。それでも、カヴェンディッシュが雌伏に陥っていたときのツールは何故か少し寂しかったし、パトリック・ルフェーブルに取り立てられれてウルフパックで勝てた時は何故か胸が熱くなった。今今では、もう数少ない同い年のサイクリストがツールを駆る姿に素直に励まされる。あれほど栄華を極めたフルームもツールに出られなくなってしまった。ゲラント・トーマスはジロに出てしまってツールには出てこない。そんな中、1984年生まれの新城幸也が普通にヨーロッパのトップレベルで仕事をこなしている姿は普通に怖い。

僕の推しの選手はもうずっとスーダル・クイックステップのジュリアン・アラフィリップなのだけど、現時点で38位と全くパッとしていない。推しのチームはアラフィリップのいるウルフパックとユンボ・ヴィスマなんだけど、ユンボは去年ツールで勝ってしまった上、ワウト・ファンアールトという、ポガチャルを山でぶっちぎりつつ、カヴェンディッシュにスプリントで勝つような化け物のせいでとても目立つチームとなってしまい、大手を振って推してます!と言いにくくなってしまった。ツールで勝ちそうで勝てないログリッチがリーダーだった時代はまだ言いやすかった。そんなログリッチも、ブエルタを3連覇するなど当代のトップオブトップであることには間違いないのだけど。

ツールというかサイクルロードレースの特に平坦ステージはとにかく画が退屈だ。ヨーロッパの風土上、そしてスポーツとしての展開上仕方ないのだけど、それ故にASO(アモリ・スポルト・オルガニザシオン。日本で言うと多分ベースボール・マガジン社が近い気がする、スポーツメディアのコングロマリットで、ツールの主催者兼配信元)も空撮やその地方の観光名所を紹介したり、撮って出しに近い選手のインタビューを挟んでみたりする。一方で配信先(?)J SPORTSでもサッシャさんや栗村修さんなど「プロのロードレース観客」とでも言えるような方々がいろいろな話を挟んで視聴者を退屈させないような工夫を無数に散らばせている。そういえば、先日同僚がサッシャさんのラジオに出演したのだけど「話を引き出す気配りや先回りがプロかった(意訳)」と言っていた。

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好きな話を脈絡なく好きなように書く文章はとても楽しい。今日は金曜日。言うまでもなく、呑みながら書いている。


より長く走るための原資か、娘のおやつ代として使わせていただきます。