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僕がPOCに入社した理由

早くも6月も最終週。僕がPOCに入ってそろそろ1ヶ月が経とうとしています。このへんで、入社理由について簡単にまとめておきたいと思います。

もちろんnoteとcakesというサービスの将来に期待が持てたから、待遇に問題なさそうだったという実利的な理由もありますが、以下に書くあんまり損得に関係ない感じのものこそが決め手になったような気がします。

気が合ったから

今風の言葉だと「バイブスが合った」という感じでしょうか。とにかくコミュニケーションが自然に取れる雰囲気を面接や各種やり取りから感じました。

これは僕のコミュニケーション能力が高いとか、POCが特別コミュ障にも寛容とかそういうことではないと思います。相性みたいなものです。現に、コミュニケーションを少しでも頑張る必要があった会社は普通に落ちてました。

それはCTOのこんぴゅさんも同様だったようで、内定後ごはんを一緒に食べていた時、当初からコミュニケーションに支障を感じなかったということを言ってくれました。(最初にオフィスに話を聞きに行ったとき、対応してくれたのがこんぴゅさんでした)

先日書いた通り、僕はビルドアップに参加しなければなりません。いざパスを出そうとしたときに「あの人にパス出して大丈夫かな。。」とまごまごしている暇はありません。コミュニケーションが自然に取れる場というのはいい仕事をする上での必須条件でした。

身につけたい技術と視座があったから

転職活動をはじめてほどなくして、某サイト経由でPOCからコンタクトがありました。ふむ、noteの会社かー、とりあえず話を聞きにいこうか、ということでこんぴゅさんやtoB事業のエンジニアと話をしていた時期、Twitterのタイムラインに↓が流れてきました。

弊社CEOの加藤さんとCXOの深津さんのインタビュー記事のnoteです。この記事の中にある以下の図を見たとき、思わずぎょっとしてしまいました。

CXOになったばかりの深津さんが作って持ってきた図、とのことでしたが、見た1分後にはサイクルを暗唱できるくらいに洗練・整理された図でした。デザインを極めると、難しいことを抽象化した上でこんなにわかりやすい図に落とし込めるのかと衝撃を受けました。

難しいことを難しいまま、それなりに克明に図示することはエンジニアをしばらくやっていれば大抵できるようになります。しかし「過不足なく抽象化してわかりやすく図示する」というのはとても難しい。

一般的なコーポレートITの仕事では、難しいことを抽象化してあまり詳しくない人に説明して理解してもらう必要があります(お金を引き出さなきゃいけないので)。何を要素として取り出して、いかに端的に表現して、どうやって並べればそれが伝わるか、いつも悩みに悩む挙句スカッと成功した記憶がほとんどありません。

そこにきて上の図です。その時から、この会社はもしかしたらとんでもない会社なのかもしれない、と思うようになりました。そして、できることならば、このデザインを踏まえた「技術と視座」がほしい、と思ったのです。

「続けること」にもフォーカスしていたから

株式会社ピースオブケイクは以下のコーポレート・ポリシーを持っています。

だれもが創作をはじめ、続けられるようにする。

この文言で特に重要なのは「続けられるようにする」だと思っています。一時のテンションで何かを始めるのは誰もがやること(一応言っておきますが、これも素晴らしいこと!)ですが、しばらく後にじゃあ、それ、続きましたか?と聞くと口をつぐんでしまうことのなんと多いことか。

アメリカのフェンダー社(有名ギターブランド)の調査によると、エレキギターを購入した初心者の9割は1年以内に弾くのをやめてしまうそうです。僕の皮膚感覚としてもこれは正しいと思います。

これまでに音楽や自転車など様々な趣味のコミュニティに出入りしてきて、たくさんの人が半端に投げ出すのを見てきました。そういった人にばったり街で会い、「あれ、最近どうしたの?」と尋ねた際に一様に見せる困惑と恥ずかしさが混じった表情は、いつも小さなトゲとなって僕の心をちょっとずつ傷つけました。有り体に言えば「あっ・・・(察し)」というやつです。

しかしギターこそ15年弾けた僕だって、続かなかったものはたくさんあります。それだけ、何かをずっと続けるっていうのは難しいことなんでしょう。

そういうわけで、初めてPOCのポリシーを見た時「続ける、に着眼してるのは本当にわかってるなあ」という印象を(かなり上からの目線で)持ちました。

何かを、特に何らかの創作や表現をずっと続けるのは難しいけれど、続けた先にしか見えない景色があるのは確か。そこをきちんとフォローしよう、とポリシーに掲げる会社のサービスは、きっとすごいことになると思いました。

もちろん、このご時世において「継続率」が重要なマーケティング指標であることは確かです。しかし数字の先で「あの表情」をする人が減るのであれば、それは大きな社会的な意義になるはずです。

まとめ

ということで、今回は僕がPOCに入った理由を書きました。

幸いなことに、現時点であまりギャップは見えていません。やはり誰とも普通にコミュニケーションが取れますし、当たり前のようにデザインとその考え方が重要なものとして在るし、続けさせるための施策の打ち方(「カイゼン」や CS、プレスリリース含)も常軌を逸しています。

その文化の上でどういうコーポレートITを作っていくか、というのが僕の長期的な課題になるわけですが、実はごく基本的なポリシーは最初から決めてあったりします。

このあたりの話は色々なものが結実して収穫できたあたりでお見せできるようにしたいと思います。とりあえず熟成下書きコースに入っていてもらいましょう。

より長く走るための原資か、娘のおやつ代として使わせていただきます。