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骨伝導ヘッドホンを買った話

突然ですが、職場で音楽を聞くために骨伝導ヘッドホンというものを買いました。

骨伝導ヘッドホンとは

骨伝導ヘッドホンとは、鼓膜ではなく耳周りの骨を振動させることにより、聴覚神経にダイレクトで音を到達させることのできるヘッドホンです。

(出典:ゴールデンダンス様)

耳を塞がなくていいので、例えば音楽を聞きつつ話しかけられても受け答えに支障がなかったり、ランニング中の音楽がグッと安全に楽しめるようになったりします。

デメリットは?

ただしやはりというか、耳から聞くほどのダイレクト感は得られないため、音質は普通のイヤホン・ヘッドホンに劣る傾向があります。さらに耳にイヤホンを突っ込むのと違い、ヘッドホンの鳴っている箇所が基本的にはオープンエアーなので音漏れにも余計に気を配る必要があるようです。周囲がうるさいとあまり聞こえなくなってしまうようです。

しかし、そんなデメリットがあることを承知で、結局買ってしまいました。

購入前の実体験

POCに入る直前の有休消化でものすごくヒマだった時、新宿の某家電量販店で実際にブツを試してみていました。詳細は覚えていませんが、店頭で2万円くらいする製品でした。確かに音量を大きくすると相当な音漏れがありそうな感じです。(それなりにガヤガヤした環境だったので、あくまでも「ありそう」という印象)しかし、かなり音を小さくしてもちゃんと音楽が聞こえるのにはびっくりしました。

それを踏まえ、バンドの息遣いをリアルに体感したいとか、ベースラインをコピーしたいなどのシリアスな事情でなく、あくまでBGM的に音を楽しみたいという用途であれば、結構いい感じなんじゃないかと思うようになりました。

あえて骨伝導が欲しかった理由

ギターを長らく弾いていたこともあり30歳くらいまで結構色々な音楽を聴いていたんですが、子供が産まれるちょっと前からパタッと聴かなくなってしまいました。あれほど熱心に聴いた向井秀徳もピンクフロイドもジャコ・パストリアスもDCPRGも今や、電子空間の肥やしとして熟成されています。

そうなった理由はほぼ間違いなく自転車にあるんですが、一旦それはおいといて。

そんな中、先日POCに入社して発見したのは結構な割合の人が音楽を聴きながら仕事している!ということ。有線無線問わずイヤホンやヘッドホンを装着して自席でガシガシ仕事している光景はかなり衝撃的でした。(その後、今時のベンチャーでは普通の光景だと気づきましたが。。)

それで「そうかあ、認められてる風土ならそういうのも悪くないなあ。みんな音楽に詳しそうだし、noteのネタにもなりそうだし」と思ったわけです。

しかし、仕事中に耳を塞いでしまうことには抵抗がありました。というのも、長年楽器と共に過ごしたせいか、音楽の聴き方がどうしても分析的に寄ってしまうため「音が聴こえすぎる環境」は少しつらい。聞き惚れてしまったり考え込んだりしてしまうのです。いい感じにいい加減に音楽が聞こえる程度でないと、仕事に支障が出てしまうのが火を見るより明らかでした。

あとは仕事柄、オフィスに流れる音や声はきちんと聞こえるようにしていたいし、ましてや没入して話しかけるなオーラを出すのはご法度です。その点でも「いい感じにいい加減」に音楽が聞こえている必要がありました。

要するに「聴く」ではなくて「聞く」。そこで、骨伝導です。骨伝導ヘッドホンの原理であればこの「いい感じにいい加減」が達成できるんじゃないかなと思ったのです。

買った商品とその感想

諸々のレビューや評判を踏まえ、Amazonで下の製品を買いました。決め手は軽さと、圧迫感が少ない設計となっていること。また、職場で使う以上、取り回しに気を使わないワイヤレスは必須要件でした。

実際に使ってみると、周囲の音に溶け込んだ自然な感じで音楽が聞こえてきます。イメージとしては喫茶店で流れるBGMの雰囲気に近い。だから、既にBGMが流れている環境で聞くと脳がフリーズします

POCのオフィスのような割と静かな環境であれば、全く問題なく音楽を楽しむことができます。耳が開いているので急に話しかけられても全く問題なし。iPhoneの音量レベル1でも普通に聞こえるので、音漏れをすることもなさそうです。

ただし、大通り沿い(ex.R246とか)で歩きながら聞こうとするとやはり厳しいものがあります。音量を結構あげてもこれは無理。しかしこのことは最初からわかっていたことです。

欠点をあえて挙げるならば、長時間装着しているとヘッドホンをかけている耳の付け根あたりが少し痛くなってくることでしょうか。ただ、痛くなってくるころには帰る頃合いになっているのでそれであまり問題はありません。(電車で聞こえないので、移動中は使いません)

ということで、当初の目的通りの満足いく買い物となりました。

やはり音楽はいいものだ

音楽のない生活になんとなく慣れてしまっていましたが、やっぱり音楽はいいものです。なんというか、心をいい方向に連れて行ってくれる感じがあります。

ダンボール処分みたいな肉体労働をExtremeを流してノリノリでやってみたり、夕方のもう一息という時にHank MobleyのRecado Bossa Novaを流してLee Morganのペットに胸を熱くしたり、久しぶりに「音を楽しむ」行為の楽しさを思い出しました。

その他にも意外とレディオヘッドで仕事がはかどったり、逆にあんまりハードすぎるロックやジャズはデスクワークに向かなかったりなど、色々な発見があって楽しいです。

ただ、上のラインナップの通り、好みがなんか古臭いんですよね。学生時代なんかは別にそれでいいやと思って放っておいたんですが、最近はそれもどうだろうという気がして。同時代の素晴らしい音楽にもちゃんとアクセスしておくべきだろう、と。

こういうのみんなはどうしてるんだろう?、というのを今後の課題にして、今回の話は一旦締めたいと思います。

より長く走るための原資か、娘のおやつ代として使わせていただきます。