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ポモドーロ・テクニック

コーポレートITの仕事は多岐にわたるため、いろいろなプロジェクトが並行して走り、タスクが山の様に積もっていく日々を過ごしています。

それらを片っ端から機銃掃射していく快感というのも確かにあるのですが、むやみやたらにタスクの山を崩していこうとするとどうしても雑念が発生し、あっちに手をつけ、こっちに手をつけ、結局何も終わっていないという最悪な状況になりかねません。

最近、新入社員のアカウント周りの作業をしている時にそういう状況(Gsuite等の各種アカウントを作っていたはずが、気付いたら社内wikiの執筆に勤しんでいた)に陥り、これはもしかして各個撃破で対応した方がいいのかな?と思うようになりました。

そんな中、普段から厳しい環境でタスクと時間を管理しているリモートワーカーが愛用しているという、「ポモドーロ・テクニック」という手法がアンテナに引っかかったので、ちょっと試してみましたというのが今回のお話となります。

ポモドーロ・テクニックとは?

「ポモドーロ・テクニック」とはずばり、時間管理の手法です。イタリアの大学生がトマト型のキッチンタイマーを使って始めたことからこの名前がついたそう。具体的な方法は以下の通り。

・25分の作業と5分の休憩、計30分がワンセット
・25分が経過したら、作業をバッサリやめること
・5分はとにかく休むこと

たったこれだけ。しかし、これだけを意識することで生産性が上がるそうです。25分+5分のサイクルを「1ポモ」とか言ったりするそうです。ポモという語感がかわいいので、気軽にポモポモ言ってしまうのが玉にキズでしょうか。

実際にポモドーロ・テクニックを1週間くらい試してみて、悪くないなーという感触を得ることができたので、まずはどんな仕事に向くのかを紹介していきたいと思います。

ポモドーロに向く仕事

僕がやった範囲の仕事で、ポモドーロ・テクニックがハマった仕事をご紹介します。「僕がやった範囲」なので、これを読んでいただいている方の仕事に当てはまらない部分もあるかと思いますが、その点は悪しからずご了承ください。あ、始める前にトイレに行っておくことを忘れずに。

1.書類仕事

ある程度の分量があり、かつあんまり面白くなくて放置しがちな書類仕事はポモドーロ・テクニックで処理するのにうってつけの仕事です。とりあえず25分集中してみたら、大体の書類仕事は案外簡単にクリアできてしまいます。25分で終わらない時も、もう一回ポモを回してみれば綺麗さっぱり片付くはずです。

ただし、途中で都度つまづくのは効率が悪いので、不明点を潰すために一度ざっと全体を眺めるためのポモも事前に作っておくと、より気持ちよく作業を進めることができると思います。

(このようにポモごとのテーマを意識して、作業を構造化していくことがもしかしたらこの手法が強力である所以なのかもしれません。)

2.プログラミング

プログラミングはクリエイティブな側面を持ちつつも、手を動かす局面ではそれなりの量のタスクが積み重なっていく状況となります。また、多かれ少なかれゲーム的というかパズル的な要素を持っているので(ありますよね??)、自分の世界に没入しやすい性質を持つ営みです。

そんな風に長時間没入してしまうと、自分では集中できていると思ってもやはり気づかないところで消耗するもの。徐々にミスしがちとなり、結局のところ、適宜休みながらの方が最終的な効率は良くなる傾向はあると思います。

そこで、ポモドーロ・テクニックを使って時間を機械的にバサッ!と切り分けて行くことで、精神を現実世界に戻してあげる時間を設けることができます。

もちろん、問題をブレイクダウンして解決する手法としても強力ですよ〜。

3.調べ物とそのアウトプット

わからないことを調べる行為は楽しいですが、これを無限にやっていたら肝心の仕事はいつまでたっても終わりません。また、調べたことをレポートに起こす際に細部をキワキワまで磨き上げても、その労力に対する効果は低い場合が多いです。

そのため、こうした作業は「このポモで〇〇について調べて、wikiにざっくりまとめよう!」というように、時間を区切って当たるのがいいと思います。もちろん判然としない点は出てきますが、判然としない部分を別のポモのテーマとして設定すればOK。ブレイクダウンです。

ただし、あまり深掘りしすぎるとやはり仕事は進まないので、深遠すぎる調べ物はポモドーロ・テクニックには向かないということなのでしょう。ヤバいと思ったら撤退することも大事です。

ポモドーロに向かない仕事はある?

上で書いたように、ポモドーロ・テクニックは硬軟様々な仕事に向く手法ですが、割り込みが起きやすい環境での仕事には向かないと思います。

「このポモでは、あのスクリプトのバグを取ろう!」と作業を進めているときに、「あのー」と横槍が入るとポモのテーマが崩れ、時間を区切って取り組んでいる意味が無くなってしまいます。

そのため、あまりにも人に話しかけれられる頻度が高くなってしまう場合には自席以外のフリースペースで仕事をしてみる、なんてことも考えた方がいいのかもしれません。(作業端末がラップトップであればですが。。)

続けるコツ

以上の通り、様々な活用方法があるポモドーロ・テクニックですが、全ての仕事をこのサイクルに無理やり当てはめようとするとやっぱりどこかで頓挫してしまうようです。一日中ぶっ通しで作業できる時もあれば、どうしてもだらけてしまう日もあります。

だから、続けるためのコツとしては「何が何でもポモに当てはめようとしないこと」が挙げられるのではないでしょうか?ぶっ通しでできるときはぶっ通しでやればいいのです。逆に「今日はちょっとダラけ気味だけど、2ポモだけ頑張ってみよう!」というように、集中したいときの伝家の宝刀としてポモドーロ・テクニックに頼るという考え方もあると思います。正直に告白すると、僕はそっち派です。

また、ポモドーロ・テクニックでは、25分を始める前に「さて、このポモでは何をしようかな」とターゲットを決めるところが重要です。さっきからテーマテーマ言ってるのはこのことです。

ポイントはターゲットの大きさで、あまり大きすぎる目標(1日がかりの仕事とか)だと途中でベクトルを見失ってしまうし、小さすぎると25分を持て余してしまいます。大きいターゲットはきちんとブレイクダウンして、小さいターゲットはいくつかまとめて対応すると良さそうです。

ポモドーロ・テクニックを助けてくれるツール

ポモドーロ・テクニックはエンジニア界隈で人気のある手法のためか、色々なツールが用意されています。僕が使っているのはChromeのプラグインとして提供されている以下のツールです。

このツールをChromeにインストールすると、右上にトマトのマークが現れて、ポモを管理してくれるようになります。

このツールの秀逸なところは、ポモ中は各種SNSへのアクセスを遮断してくれる点。こんな風に。SNSの誘惑に駆られることなく作業に集中できます。(せざるを得ない)

※Twitterを見ようとしたところ。「仕事に戻れ!」

まとめ

今回はポモドーロ・テクニックを実際に試してみて気づいたことをまとめました。途中でちらっと書いた通り、この手法のキモは「25分という制約を踏まえた、作業の構造化」にあるのかもしれません。

有用な手法であることがわかったので、しばらく使っていこうと思います。

より長く走るための原資か、娘のおやつ代として使わせていただきます。