前回のつづき

これは身も心も北のヨンマルに捧げたロクマル（還暦）の哀しい男の話です
念願の網走入りを果たし、翌日に聖地釧網本線北浜駅での撮影を控え「眠れぬ夜」を過ごすはずのkhkmaniaに届いた知らせは「1/25始発から網走地区のJRは全面運休」「災害レベルの暴風雪」という悲しいものでした

2024年1月25日

短い1日のはじまり

一晩中風と雪の音が鳴りやまない中、それでも長旅の疲れか暖かい寝床でぐっすりと寝て、5時のアラームで目が覚めました
レンタカーを借りに行く時間にセットしたのですが、そういう状況ではありません（車は昨日の夜にアプリでキャンセルしました）
まだ暗い窓の外をみると、絵にかいたような吹雪で外にも出られそうにありません
今日の夜は富良野に宿泊する予定です
パソコンやスマホで何とか網走を脱出する方法かないか時間をかけて検索しましたが、飛行機は全便欠航　頼みの長距離バスも国道もどこをどうやってもすべて運休で早々に「網走ステイ」が決まりました
宿泊予定だった富良野のホテルに伺えない旨を連絡すると快く了解していただいた上、「道中お気をつけて」と心配までしていただきました
つぎにすることはフロントに行って連泊の申告をすることです
「仕方ないよね、同じお部屋でご用意します」と、こちらも快諾いただきました　やれやれ
朝食を買いにホテルを出ましたが、風と雪で「ホワイトアウト」の状態です
平時なら２〜３分の距離も風と雪で思うように進まずなんとか食料を調達して部屋に戻りました

網走プリズン

雪まみれになって部屋に戻り、コンビニで調達したサンドイッチを平らげて時計をみてもまだ朝の８時、
朝風呂に入ってリフレッシュし部屋に戻ってもすることがありません
テレビを付けますが雪害のニュースを繰り返すばかりで気が滅入ります
持参した本も読み切り、持参したウイスキーも飲みきり、横殴りの雪が吹雪く窓の外を見て、、、
昼寝して、テレビを見て、また大浴場でお湯につかり、部屋に戻ってビールを飲んで、窓の外を見て、、、
やっと夕方になりました
どうやら翌日の運行情報は１７時くらいに判明するようです
それに先立つこと１５時頃には早々釧網本線が明日１月２６日も始発から終電まで運転見合わせの情報がJR北海道のサイトに上がっていました
朝に出たときより少し弱まった風に期待を込めつつ、網走駅に向かいます
歩道には除雪した雪が積み上げられ、車道を歩くしかありません
凍った路面に気を使いながら網走駅に着いたkhkmaniaがみたものは、、、

「明日は動くだろう」と淡い期待も破られる全面運休！最悪の結果です
たぶん同じおときゅうパスを利用しているだろう方が駅員さんに詰め寄ってましたが、どうしようもないですよね
どうやら北見から先は午後から動くようですが、何かの手段で北見まで行けたとしても16時56分の遠軽行きでは旭川までたどり着きません
網走プリズンの壁は高く、脱獄は容易ではないようです

不運の連鎖

あとは食事をして宿に戻るだけです
風速20mの風が吹き荒れる網走の街に、果たして居酒屋は空いているのでしょうか？
網走の繁華街は駅から海に向かって15分ほど離れたエリアですが、大雪のため倍近くかかりました

ブックマークしていたお店が空いていたので入店しました
とりあえずビールを頂きます

ネットの情報では人気店のようですが、さすがに客もまばらです
この先のことを考えると酒もすすまず、自分にしては珍しく1杯だけで店を出ました
ラーメンでも食べて帰りますか！

地元で有名なラーメン屋さんに向かいましたが吹雪の為か場所を見誤り、結局発見できずにホテルに戻ることにしました
そんな雪の中、誰も歩いていない路地に１台の空車タクシーを発見！
帰りは贅沢しましょうか

後部座席に乗り込むと流れてきた曲が松任谷由実のブリザードってｗｗｗ（実話）
タクシーは網走川を渡り、あっという間にホテルに着きました
行きは吹きだまりに足を取られ、強風によろめきながら30分、帰りはほんの5分でした
最初からケチらずタクシーに乗ればよかった
とりあえず無事に帰投しました

思案のしどころ

何もしなかった網走の二日目はこうして終わりを告げました
ホテルのシングルルームで、明日のプランを考えます
今回の旅行はおときゅうパスを利用した鉄道での移動が前提ですから、列車が動かない限りは北海道から出られません
明日1/26も網走には1本の列車も来ないことが決まっています
どうすればよいのでしょうか
khkmaniaが出した答えは
「網走にもう一泊して1/27に飛行機で帰る！」
でした？！
JALのサイトを見ると1/26は女満別便全便通常運航のようです
ということは、27も飛ぶでしょう
空港までのバスはわかりませんが、タクシーでも行けないことはありません
なにより片道9000マイルのストックがありますww
おときゅうパスは無駄になりますが、安全第一、空路で脱出することに決めました
2024年1月25日　撮った写真はスマホの5枚だけでした・・・おやすみなさい

2024年１月26日

番外編？網走グルメ旅

夜が明けました　カーテンを開いて窓外をみると風はおさまりつつあります
早速スマホで交通情報を確認すると、網走バスの女満別空港線は動いてますが、それ以外の路線は今日も運休とのことです
今日もお目当てのヨンマルは撮れず、チェックアウトギリギリまでホテルにとどまるしかありません
朝ぶろの湯につかりながら「もう割り切って網走を食べつくすしかない」と、わけのわからないことに思いを巡らせます、、、
利用時間ギリギリの10時前、お世話になった「網走ロイヤルホテル」さんをチェックアウトしました

外に出ると風は強いものの、昨日ほどではありません
することもないので、砕氷船の発着所になっている道の駅に向かうことにしました
途中、網走バスの営業所に立ち寄り運行情報を訪ねると、長距離は動いていて旭川には移動できるようですが、時すでに遅し！女満別からの復路便を予約したので、もう考えないことにしました
さて、へそまがりな（そして金欠気味な）khkmaniaの選んだ網走グルメの店発表します
昼食は回転寿司「月」さん

夕食は「桂ホルモン」さん

どちらも網走の郊外店舗で、鉄道を利用した観光客は行かないおみせでしょうｗ

前略、道の駅なう

というわけで、道の駅「流氷街道網走」に到着しました
数日前に２０２４年初流氷がきたと何かで見ましたが、いまはそれも確認できません
誰もいないかと思いきや、彼の国からきたツアー客でそこそこの入りです
彼らも自分も日程が変えられないところは一緒、次は是非天気のいいときにいらしてくださいね♪

さて、昼食に向かいますか
風はまだ強く吹いていますが、khkmaniaの貪欲な食欲（と呑み欲）をなえさせるほどではありません
地図を開くと普段なら歩いて３キロ弱、4０分ほどの道のりです
バスで行けばさらに短い時間で到着ですが、今日も空港行き以外、網走バスは運休しています　やれやれ、、、

折角たどり着いて開いてないとシャレにならないので、お店に電話で確認すると
「が、頑張って営業してます」
と嬉しい返事が返ってきたので
「が、頑張って逝きます♪」
と応えたら笑われましたｗ

途中、釧網線の桂台駅を横切りましたが線路の上に手つかずの雪がこんもり盛られていました
絶望的です(´;ω;｀)

回転寿司「月」なう

歩道にうずたかく積まれた雪に阻まれながら、道道を小清水方面に進み、ランチ会場に到着しました
途中、運休と聞いていたバスに抜かれたんですけど(# ﾟДﾟ)
どうやら郊外線が昼から運行を再開したようです
帰りはバスで戻りましょう

店内はさすがに人もまばらです
そそくさとカウンターに座って注文をお願いします

旨い、うますぎる
観光客目当てのセミボッたくり店とは一線を画すお味です
今回の旅は写真は撮れてませんが、グルメは相当いい感じです😢

あーおいしかった❤ごちそうさまでした♪
超お勧めの銘店です
帰りはバスで今日宿泊のホテルに向かいます✨

バスは貸し切りで、停留所から乗り合わせた方と二人きりです
偶然にも今日まで自分が泊まっていたホテルのサウナに行くとのことでした
「こんな雪でバスが来ないのはおかしい」と散々おっしゃってましたが、網走市内の学校が警報で全校休校だったのも関係していたのでしょうか？

今日は「ドーミーイン」網走に泊まります
素泊まり9,000円が相場ですが、当日6,000円で出てましたので即決しました
大浴場やサウナもあって気持ちい宿です

網走駅ロシアンルーレット

部屋でテレビを見ながらうとうとしていると、すでに時計の針は夕刻を指していました
さて、本日も網走駅に向かいます
昼間の桂台駅を見たら絶望的なのですが、「もし明日釧網線が動いてたらヨンマル撮れる」と、淡い期待を胸に抱き、少し慣れてきた雪道を踏みしめながら網走駅に向かいます

ええ、わかってたんですけどね、釧網線は「終日」運休です
でもね、石北本線も「終日運休」って、まあ、飛行機で帰るからいいんですけど、3日完全運休って、山手線だったら暴動が起きません？
まあ、ここは網走ですけど・・・
旅客救済は一切なし
長距離バスは始発から通常運行
JRは昔の国鉄にあらず、むづかしい時代になりました
毎回淡い期待を胸に訪れた網走駅ロシアンルーレットで３回死ぬとは想いもよりませんでしたｗｗｗ

〆の焼肉

実は焼肉が好きです　それもホルモン系が
2日と半日海鮮が続きましたので、最後の夜は焼肉にしましょう♪
「桂ホルモン」さんもまた、観光客が来ない（地元民に愛される）お店です
途中までは昼に伺った「月」さんと同じルートですので、浜小清水行きの郊外バスに乗ります
このバスはバスセンターの道を挟んだ向かい側から出発するようです

誰もいない待合室はご覧の様子です
これでも風が来ない分外でまつよりはましです
時間通りにバスがやって来ました

ホルモン桂なう

それでもまだ吹雪くバス停で下車し、雪道に足を取られながら歩くこと３０分、お店に着きました
入店前から銘店の予感ムンムンです

こちらも事前に営業を確認した上で訪れました
みなさんも見知らぬ土地のレストランに伺う際は面倒がらずに電話一本することをお勧めします

まずは生ビールを
冴えない北海道３泊４日反省会兼慰労会でも始めますか、、、

今日の焼き物はラムと牛さがりです
焼き野菜がセットで来るのがうれしいですね
七輪で焼きます♪

さがりもラムも絶品です
とくにさがりは柔らかく溶けるようでした　うまいなー
グルメはよかったんだよ、グルメはｗ
このあともっとゆっくりしたかったのですが、終バスの時間が迫ってきましたので酎ハイを１杯お代わりして切り上げました
ごちそうさまでした　いつかまた来ます　できたら家族といっしょに

時間に余裕をもって店を出ましたがバス停が雪に埋もれてわからず焦りました
ほぼ時間通り、小清水からのバスがやってきました
このバスはほぼ釧網本線と並行した道を走ります
今回の目的地北浜前を通ってきたはずです
行きたかったけど今回はかないませんでした
運が悪かったとあきらめるしかありませんねぇ

2024年1月27日

永訣の朝

ついに北海道を去る日がやってきました、何もできなかったけどｗ
とりあえず最上階にある大浴場で朝ぶろをいただきます
調子に乗って露天風呂に行きましたが肌を刺す北風にものの2分で撤退
髪の毛が凍ってます
恐るべし北国の冬
内風呂から外を見下ろすと、まだ風はあるものの嵐は去ったようです
今日の日程は、ほぼすることなし
昼の女満別発羽田行きで帰るだけです
鉄路が凍結されていますので、女満別空港経由で北見に向かいます

そのまま網走のホテルに滞在し、昼食を済まして女満別空港行きのバスに乗ってもよかったのですが、今日は北見から先、普通列車は始発から動いているようなので、せめて駅付近でヨンマルを撮影しようと北見に向かうことにしました

北見よ、おまえもか！

10時前に穏やかな北見に着きました
吹雪に打たれること2日間、もう思考も停止していたので何の下調べもなく駅のそばで編成写真でも撮ろうと思い、遠軽方面へ線路沿いに歩いていくと
ん？トンネル？こんなまっ平な場所で！
そうです
北見から3.7Km離れた西北見までの多くの区間は日本初の市街地地下トンネルになっているんです
これでは編成写真どころではありません(´;ω;｀)
這う這うの体で駅に戻り、出発前の列車を駅で撮影することにしました

入場券を求め構内に入り、木造のこ線橋を渡ってゆくといつものアイドリング音と排気のにおいがします
いつも階段の下で客を待っていたヨンマル
北海道のこの日常風景もあと1年ほどで終焉を迎えます

ホームには数人の鉄道ファンと思われるひとがいましたので邪魔しないように短く最後の撮影を済ませました
できれば遠軽まで乗っていきたかったのですが、叶いませんでした
11：37　いつもは網走始発の4658Ｄは雪害による路線支障の為、今日に限り北見始発で遠軽に向かいました
おそらく石北本線で見る、撮るヨンマルの最後です
思い起こせばまだ昭和の時代、周遊券で北海道乗りつぶしを敢行して以来40年以上付き合ってきたキハ40シリーズ
最初は50系客車ともどもあんまり好きじゃなかったですww
でも、長生きするといろいろ変節すること、ありますよね
今は心から「スキ」と言える「キハ」40シリーズ
長い間、お疲れさまでした

結語

またもやだらだらと意味の薄い記事になってしまいました
今回は自然現象に行く手を阻まれ、まったく違う方向へ行ってしまった旅行記と相成りました
旅行前に企んだウィッシュリスト⁑の一つもかないませんでした
まあ、長く生きていればこんなこともありますよね
⁑（①釧網本線北浜②石北本線白滝発祥の地③富良野ワインハウス俯瞰④森駅ヨンマル大集合）
　
1月に行った北海道の記事を書き上げたのが3月16日
奇しくも今日はJRグループのダイヤ改正が施行され、JR北海道の多くの路線からヨンマルやゴーヨンが離れる日です
狙ったわけじゃないんですけどね、遅筆、直したいです
最後までお付き合いいただいた方、ありがとうございました
khkmania