アカ_ヨシロウ

vol.6『アカ ヨシロウと旅』

はじめに

 夫と旅に出た。

 夫とは、毎夏どこかに出かけている。
 はじめて遠出したデートでは福島県に行った。深夜に車を走らせ、道の駅に泊まり(もちろん車の中)、気になる場所を見つけては車を止め、足を運んだ。
 車の中でずーっと喋り続けているわたしたちは、時々目的地を行き過ぎたりする。伊豆に足を運んだときは、高速道路を走行中「面白そう」という理由だけで伊豆とは違う方向を選び、危うく目的地が名古屋に変わるところだった。
 長野県、千葉県最南端、大阪府、和歌山県、あらゆる場所にドライブデートしに行くわたしたちが今回選んだのは「九州」。わたしたちの結婚記念日である6月25日を含んだ約1週間で敢行することにした。今回のドライブデートは一味違った。「キャンピングカー」デートだ。

 月刊アカ ヨシロウvol.6『アカ ヨシロウと旅』では、夫と共に巡った九州旅行の様子を特集する。スーパーマーケットを巡ったり、いわゆる観光名所にも足を運んだりと、なかなか色濃い旅になったので共有したい。

 夫と旅の特集。夫と旅した1週間の話。


アカ ヨシロウと旅 in 九州

(↑)キャンピングカーの前でノリノリなフレディ(・マーキュリーの真似をする)ヨシロウ

旅のきっかけ

 まずは旅のきっかけを話そう。
 旅のきっかけは「サガミオリジナル」発売20周年を記念した企画「デート代20万円おごりますキャンペーン」に当選したことだ。

 相模ゴム工業株式会社が、“国内No.1ブランドコンドーム”である「サガミオリジナル」20周年記念企画として打ち出した企画。愛し合うすべてのカップルを対象としたキャンペーンに、わたしは「自分のやりたいことのために突き進む夫のために、キャンピングカーデートをしたい」と応募した。
 「20万円をおごってもらうのだから、明細はしっかりしていたほうがいいだろう・・・」そう考えたわたしは、ざっくりとした勘定ではあるものの、
・キャンピングカーレンタル代
・九州までの飛行機代(往復)
を算出し、「移動にかかる費用だけでもキャンペーンで補完できれば、夫が行き先だけに集中できると思う」といった旨の文章を書き、送った。

 そうしたら、ありがたいことに当選したのだ。

 後日、当選メールに記載されていた日時に20万円が振り込まれた。

 夫に好きなように旅してもらおうと思い、旅の行程は夫に託すことにした。夫はかなりマイペースなため、旅当日まで予定が不明瞭である。
 そして事件は起きた。

ーいやぁスゴイね~、当選して旅費をゲットしてくるんだからタクマシイもんだなぁと。奥さんの行動力と実績に感動したし、改めてステキな女性だなぁと思ったよ。

ーキャンピングカーに興味を持ち出したのは、2月に幕張メッセで行われた日本最大のキャンピングカー展示会『ジャパンキャンピングカーショー2019』に2人でふらっと見に行った時だったね。
 いろいろなキャンピングカーを観ているうちに「あぁバンライフ憧れるなぁ」ってなって、その練習も兼ねて旅行を考えたんだよね
 ここまで早く実現できると思ってなかったから、本当に嬉しいよ。


出発前日に衝撃の事実発覚

 「そういえば、明日の飛行機何時なの?青梅(現在の住まい)からの始発で間に合わないとか、ない?」

 出発前日の朝、わたしはそう聞いた(今考えると、出発前日の朝まで飛行機の出発時刻を知らないのはどうかと思うが)。夫はいそいそと時間を調べ始め、こう言った。

 「あ、間に合わないや」

 夫が選んだ飛行機は午前6時20分発の飛行機。搭乗20分前までにはゲートをくぐっていなければならない。青梅駅からの始発の出発時刻は午前4時35分。乗り継ぎを経て、羽田空港国内線ターミナルへの到着は・・・午前6時47分。
 それじゃあもう、飛んじゃってる
 夫は、一番コスパのいい飛行機チケットを選んでくれていた。だが、その頭に「青梅から出発する」がスポーンと抜けていたのだという。
 なお、帰りの飛行機も同じような感じだった。福岡空港を午後21時20分に出る便で、羽田への到着は午後22時50分。帰れなくもないスケジュールではあったのだが、離陸が遅延したことにより着陸が10分遅れ、結局予想通り終電を逃すことになる。

 それでも、わたしたちからするとこんなハプニングは「いつも通り」のことなのだが。

ーいや~、ミスったなー。「間に合わねぇじゃん!」ってね。あー、笑った笑った。『最も安いチケット』をキーワードにしてチケットを探してたんだけど、やー、早かったね。
 結局、青梅の家からだと間に合わないから空港近くに前泊するという、ケチるつもりが本末転倒な結果になってしまったんだよなぁ~。
 うーん、すまない。


1日目 佐賀

(↑)博多駅に到着

 早朝、羽田空港から出発(前日は大森のビジネスホテル(2人で4900円!)で1泊)。無事、福岡空港へ到着した。さっそくキャンピングカーをレンタルしているレンタカー屋さんへ。わたしたちは当初「軽キャン」、小さいが寝床はしっかりしている軽自動車仕様のキャンピングカーが借りられるのだと思っていた。
 が、目の前に現れたのは「THE・キャンピングカー」と言わんばかりのハイエース型キャンピングカー(通称・キャブコン)であった

(↑)普通に立派なキャブコン。

 平日のレンタル料金8,000円也。あまりのコスパの良さと「何もこんなガチなキャンピングカーでなくとも・・・」が入り混じった空気がわたしたちの間に流れたが、さっそく乗り込み、旅がスタートした。

 1日目の目的は、私事で恐縮だが、大学時代の友人に会うことだった。その人は夫の友人であり、わたしの先輩である。「九州に行くからには会いたい!」と2人でラブコールを送ったところ、快く応じてくれた。

 お元気そうで良かったです。

ーキャンピングカーを借りるときも『軽キャン・最安値』で探してたから、てっきり軽キャンになると思っていたんだけど、やぁ立派なキャプコンでしたなぁ。快適でよかったよかった。
 大学時代の友人は僕らの結婚式から会えていなかったから、元気そうでよかったね。1番の収穫は、彼の人見知りベイビーと奥さんに挨拶ができたことかもね。やー、大変そうだけど、幸せそうでしたな。
 あと、佐賀の日本酒はどこの銘柄も美味しかったし、魚も旨かったねー。


2日目 佐賀・吉野ヶ里遺跡

(↑)顔ハメパネルとの一体感

 1日目、佐賀県の地図を眺めていた夫が「吉野ヶ里遺跡あんじゃーん!!!」と叫んだ。2日目はそんな吉野ヶ里遺跡を見て回ることになった。
 お恥ずかしい話だが、わたしは「社会」科目全般に弱い。小学校・中学校・高校と、最も興味を抱かなかった学習分野である。そのため「へー遺跡見れんだ、なんかすごそう」レベルだったことをここに告白する。
 だが、そんなわたしに対して夫は熱の入った解説をしてくれる。吉野ヶ里遺跡は「弥生時代の大規模な環濠集落跡」なのだと

 足を踏み入れると「タイムスリップした?!」と錯覚するほど、現代とはまったく違う景色が広がっている。集落の外から来た者を追い払うような、「威嚇」とも捉えられる独特な木の杭が並ぶ。弥生時代は、人口と集落数の増加により争いが起きるようになる。吉野ヶ里遺跡からは銅剣が発掘されている。少しだけ血なまぐさい歴史も感じさせる遺跡だ。

(↑)遺跡入り口で大はしゃぎのヨシロウ

(↑)吉野ヶ里遺跡の見張り台ではしゃぐヨシロウ

 吉野ヶ里歴史公園は驚くほど広い。天気が良かったため、途中途中「暑い・・・」とこぼしながら延々と歩いた。園内にいるスタッフさんは丁寧に解説してくれる。

(↑)見張り台から見た景色がすごい

 吉野ヶ里歴史公園内のレストランで昼食。弥生時代の食事をイメージした貝汁御膳を注文すると、びっくりするほどカリッカリに焼かれたムツゴロウの唐揚げが出てきた。

(↑)貝汁御膳。あさりたっぷりな汁物と古代米のおにぎりが美味

(↑)カリカリ黒焦げムツゴロウ

 ムツゴロウの見た目は黒すぎたが、味はうまい。骨はめちゃくちゃ硬い。古代米のおにぎりは小ぶりだが、ものすごく腹もちがいい。
 佐賀県に行かれる際には、ぜひ吉野ヶ里歴史公園に足を運んでほしい。

 2日目の夫、ものすごくはしゃいでいた。

ーやぁ吉野ケ里遺跡が近くにあったのは嬉しかったな~。小学生の時に『平成最大の発見』とか『邪馬台国では?』とか言われていて、気になってはいたんだよね~。
 てっきり『日本最大の集落の跡』とかだと思ったけど、規模としては中レベルで、『弥生時代の初期から終末までの変遷が1つの遺跡に残っている』ことが最大の特徴だったんだね。
 施設の人も質問したら詳しく丁寧に教えてくれたし、再現された建築物も立派だった。やー、勉強になった!楽しかった!さすがは国立公園ですなー!!


3日目 長崎・土石流被災家屋保存公園&南島原キリシタン遺跡記念館

(↑)土石流被災家屋保存公園の看板

 なお1日目は友人宅に泊めてもらったのだが、2日目からは道の駅、RVパーク※、サービスエリアのいずれかに駐車し宿泊となる。キャンピングカー旅の醍醐味だ。

※トイレ・電源設備なども完備された車中泊公認の駐車場

 2日目の夜に到達した「道の駅みずなし本陣ふかえ」には、土石流被災家屋保存公園が隣接されている。夫曰く、この施設が目的で周辺の道の駅を探したのだという(周辺どころか隣接だったことが判明したのは朝になってから)。

 雲仙普賢岳の噴火による土石流で被災した11棟の被災家屋が保存・展示されている公園だ。立派な家屋が土中に埋もれている。解説によると、土石流の流れがゆるやかだったために、倒壊するのではなく埋もれてしまったのだという。あまりにも壮絶な見た目に絶句してしまう。写真にはおさめてみたものの、まあまあ怖い画である。

(↑)埋もれた家屋・歪んだ屋根

(↑)室内展示。立派な家屋が土砂に飲み込まれている

 保存公園内には、火砕流・土石流の凄まじさが音と振動で体感できる映像資料館も。資料館の中には、土石流に埋もれ、激しく劣化した軽トラックの姿が。

(↑)劣化した軽トラック

 「軽トラックってこんなになっちゃうのか!!!」と驚く夫。
 映像資料館では音と振動と共に当時の映像が流れ、自然の脅威を思い知る。

ー雲仙火砕流災害の被災現場は、ズーンとくるものがあったね。
 やぁ被災が’91年だから存在しか知らなかったんだけど、見に行ってみてよかったね。火砕流・土石流の怖さを感じたよ。「雲仙普賢岳の方を通っていこうよ~」ぐらいで当初は予定を立てていたから、重々しい雰囲気にやられてしまったなぁ。


 その日は熊本県・天草市にフェリーで渡る予定があった。「せっかく島原にいるのだから、キリシタン遺跡は見たいよね」ということで南島原キリシタン遺跡記念館へ。

 かの有名な島原・天草一揆をはじめ、当時のキリスト教布教の様子と弾圧の様子を知ることができる記念館。
 「島原・天草一揆」という単語は知っていたが、社会科の授業で「島原・天草の乱」に到るまでを深掘りすることはないだろう。だが、記念館にて親切なスタッフの方に年表や展示物について丁寧な解説を受けたことで、「キリシタンが一揆を起こした」のではなく「重税に苦しんだ農民が一揆を起こし、そのほとんどがキリシタンだっただけ」という見方を知った。そのうえ「天正遣欧少年使節※」の存在がなかったことにされ、岩倉具視がヨーロッパに訪れた際まで、日本国内で知られていなかったことを知った。
 もしかしたら、今わたしたちが知っている、学んでいる歴史も、誰かから歪められたものなのかもしれないな・・・と思った。

※1582年(天正10年)に九州のキリシタン大名、大友宗麟・大村純忠・有馬晴信の名代としてローマへ派遣された4名の少年を中心とした使節団

 キリシタン遺跡記念館のスタッフの方々が勧めてくれたこと、国指定史跡であることから、島原・天草一揆の舞台となった「原城跡」へ。

 無料のVR端末が貸し出され、説明が書かれている箇所の前に立つと、当時どのように城が立っていたのかが映像として映し出される。

(↑)VR端末をのぞいてはしゃぐヨシロウ

 原城跡は見事なまでに「跡」だ。VR端末がないと、そこに城があったとは想像しにくいほどの場所だ。だが、それには理由がある。島原・天草一揆に勝った幕府は、二度とそこに城が建てられないよう徹底的に壊したのだ。壊した石垣は人骨を混ぜて放棄した。日本は死者を弔う文化があるため、人骨を弔うことなく石垣と共に放棄するのは異例のことだという。これまた血なまぐさい歴史を知ってしまった。

(↑)どこか物悲しい十字架

(↑)天草四郎の祈る像

(↑)崩された石垣

ー九州旅行をする上で、どうせなら全県制覇をしたいなと思って長崎県に降り立ったけど、長崎って『長崎ちゃんぽん』か『島原の乱』くらいしか知らないニワカな僕です。けど、そんなふわっとした知識しかなくても、行って観光したら島原は面白かったなぁ~~。
 やぁ歴史の勉強は面白いね。特に案内してくれる人が良かった。キリシタン遺跡記念館のカワイイお姉さんはとても丁寧に解説してくれたし、原城跡のシャトルバスのおっちゃんも、乗客を楽しませようと工夫していて良かったなぁ。


4日目 鹿児島・A-Z

(↑)A-Zを前にはしゃぐヨシロウ

 熊本から鹿児島までドライブ。4日目の目的地であるスーパーマーケット「A-Z」に到着した。今回の旅の目的地として、あらかじめ設定していたスーパーマーケットだ。

 東京に暮らすわたしたちからしてみれば、わけのわからない規模のスーパーマーケットである。「年中無休24時間営業」というキャッチコピーだけ聞くと、珍しい印象はないかもしれない。だが店の規模を知ってほしい。
・面積は東京ドーム3.6個分
・商品の取り扱い品目は40万以上

 スーパーマーケットで、である。わたしたちが足を運んだ「A-Zはやと」は駐車台数2,800台だ。もう一度言う、スーパーマーケットの駐車台数が2,800台なのだ
 商品の幅も広すぎる。食料品はもちろん、日用品、文房具、調理器具、おもちゃ、庭石(?)、車(?)、ガソリンスタンド(?)である。しかも、まあ、安い。食料品もビビる。1通路ズラーっと醤油だけが並ぶ場所がある。1通路ズラーっと味噌、1通路ズラーっとお酢、1通路ズラーっとカップ麺・・・ここにくればなんでも揃うのだ。「選ぶ」という行為に飽きてしまうほど広い。商品がいっぱいある。

 広すぎる店内にワクワクしていたわたしたちだが、食料品売り場を回るだけで疲れ切ってしまった。本当に、広すぎる。

ーやぁA-Zはビビったというか、スケールの大きさに呆れたなあ。笑 なんなんだろうね。僕も卸売の仕事をしていたから思うけど、A-Zのバイヤーは本当に仕事をしているのかなぁ。メーカーに発注書を書かせているんじゃないか?って思うくらい、雑なラインナップだったなぁ。(褒めているつもり)
 A-Z安かったなぁ。生鮮も安かったけど、1番印象にあるのがガソリンだね。多分、地元の人はガソリンを入れるついでに買い物をしていくんだろうなぁ。
 っていうかガソリンスタンドが敷地内にあるスーパーってなんなんだよってね。笑(スーパーA-Zでは車の販売も行っているよ。)


 また夫は肉牛の生産が多い九州での旅行ともあり、霧島市の有名な肉屋さんである『今肉屋』で鹿児島県産の高級牛を物色する。

 ここまでの間、夫は各地のスーパーマーケットに立ち寄ってはその県特産の肉を購入し、食べている。キャンピングカーにキッチンはない。どうやって食べているかというと、こうだ。

(↑)ワイルドな食事風景

 『今肉屋』では
・鹿児島県産黒毛和牛リブロースステーキ
・国産黒毛和牛赤身焼肉用
・国産和牛切り落とし
・国産牛旨辛赤ホルモン
・国産豚あご(味付け)
・国産ピリ辛ミミガー

を購入。その日の宿は「道の駅霧島」に決定。プチキャンプである。夫は終始楽しそうだ。

ーいやー和牛は高いが、美味いんだよなぁ。(リブロース:1500円/100g)もちろんアメリカ産などの輸入牛も美味いが、濃厚さと深みだと和牛の霜降り肉に軍配が上がる。
 だが一方、霜降り肉は脂が多くて胃もたれる。量が食べれない。カホさんに至っては腹を下してしまった。「和牛は食いたし、腹痛は嫌し」とは、よう言ったものである。(そんなコトワザかったっけかね?)
 霜降りリブロースと牛モツで和牛恐怖症になってしまったカホさんよ。すまなかった。
 今度は赤身の美味いエイジングビーフをお詫びに食べさせてあげるでよ。


5日目 宮崎・日向岬 馬ヶ背

(↑)看板に書かれた説明を熱心に読み込むヨシロウ

 5日目は「日向岬 馬ヶ背」へ。日本有数のリアス式海岸※(最近の教科書では「リアス海岸」が一般的と聞く。今までの「式」ってなんだったんだろう)である日向岬。また馬ヶ背は、日本最大級の柱状節理(ちゅうじょうせつり)※が見られる場所としても有名なのだとか。

※せまい湾が複雑に入り込んだ沈水海岸
※火山性の玄武岩などに五角形または六角形の柱状の割れ目が生じ、それらが集合したもの

(↑)馬ヶ背

 馬ヶ背の断崖は圧倒される。大海原の絶景に圧倒されてしまう。夫とは「ずっといられるね」と会話した気がする。断崖絶壁を生み出したという大荒波には怯えるし、70mという高さに足がすくむ。だが、穏やかな波の音と壮大すぎる景色は、ゆったりした時間を過ごすには最高だった。本当にずーっとボーッと見ていられる。不思議な体験だった。

ーリアス式海岸といえば東北の三陸海岸(岩手県の太平洋側の海岸)や、三重県の志摩半島が有名だけど、調べたら宮崎県にも評価が高いリアス式海岸の観光名所があったんだ。
 行ってみたら、やー壮大だったね。大きすぎて正直怖かったわ。
 山と海が両方楽しめるリアス式海岸の近くで住みたいなーって思ったけど、いざ行ってみたら雄大さにビビってしまったね。
 市街地からそんな遠くないから、宮崎県に観光に行った人は是非見ていって欲しい~!


 馬ヶ背から次の目的地へドライブしようと動き出したとき、「誰が行くんだ、こんな・・・」と思えるような細道に車がたくさん止まっているのを発見。小さな看板もあった。
 「“黒田の家臣”って書いてあったよ」「う〜ん、かほちゃん、気にならない?車がたくさんあるってことは、なんかあるってことだよ」めちゃくちゃ細い道だったため、わたしは無視しようとしたのだが、夫の好奇心は強い。車を引き返すと、でかいキャンピングカーで細道を進む。「黒田の家臣」に到着だ。
 調べてみると検索窓に「黒田の家臣 心霊スポット」と出る。え、怖いの?!

 話によれば、この島で3人の侍の惨殺死体が発見されたのだという。京都伏見で起きた「寺田屋事件」。寺田屋に集まっていた藩の人間のうち、数名が鹿児島まで護送されることになったのだが、その途中惨殺されたとのこと。惨殺死体を発見した黒木庄八という人物が、彼らの遺体を荼毘に付し、墓を建てて守り続けたとのこと。怖いというより、なかなかに悲しい場所だと知る。
 海辺に降りられるスポットであり、一部は釣りスポットとして有名なのか、家族連れと釣りを楽しむ人がいた。惨殺された彼らの眠る墓からの景色はものすごく綺麗だった。

(↑)心霊スポットではしゃぐヨシロウ

ー細い裏道に続くようなとこだったんだけど、やけに車がいるなと思って降りてみたんだよね。やぁ好奇心に従うことは良いことですなぁ。楽しかったね。
 ちょうど良い感じに海が開けてて、家族向けの釣り場・水遊びにはピッタリの場所だったね。
 今回は水着を持っていかなかったから潜れなかったけど、ウニとかアワビとかもいる感じだったな~。(密漁!ダメ!絶対!!)


6日目 熊本・阿蘇山

(↑)奥に見えるのが活動中の中岳

 5日目の夕方「黒田の家臣」を経った後、「今から行くとこの景色を見せたい〜」と話しながらドライブする夫。夫が連れてきてくれたのが阿蘇山だった。元々行こうとしていた目的地ではなかったが、夫は今回のスケジュールに丸一日「予備日」を用意していた。余裕ができたため、夫が行きたかった阿蘇山へ行くことになったのだ。

(↑)他のどことも違う景色に驚かされる。

 阿蘇山の中岳は今なお活発な火山活動が見られるスポットだ。

 「阿蘇山火口の見学が再開」という記事を読んだという夫。その記事によると、平成28年10月の噴火で規制が続いていた火口見学が再開。有料の阿蘇公園道路を車で上る、またはバスや徒歩で上れば見に行けるとのことで進んでいたのだが・・・当日は「ガス発生による登山規制」が発令中で見に行けず。火口見学は叶わなかったが、活火山周辺だけ草木が生えず、異質な空気が漂っていたのが印象的だった。あと、ほんのり焼けたような匂いも体感。
 火口見学はできなかったものの、「阿蘇火山博物館」に入館。

 正直なところ、平成初期からアップグレードされていない「古い」博物館といった印象を受けた。またこの博物館は火山マニア向けだと思った。常設展示室に展示されている内容があまりにもマニアックだったため、小学生と思しき団体を見かけたとき、「彼らは果たして火山に興味を抱けただろうか」といらん心配をする。
 だが、3階の「五面マルチホール」で30分おきに上映されている「火山の噴火を探る」という映像資料に感動。カルデラ※の成り立ちや噴火の違いについてわかりやすく解説する映像資料に見入ってしまった。

※火山の活動によってできた大きな凹地

 「大観峰展望所」にて、阿蘇の広大な景色を眺める。本気で「人ってちっぽけだなあ」と思ってしまうほどの景色だ。

(↑)眺めが良すぎる

ー阿蘇いいね。過去に行ったこともあったけど、改めて行ったらステキな場所だったなぁ。
 地形は雄大で、空気と水は澄んで清く、流れている時間がゆったりしている感じ。あぁこんなところで暮らしたいものですな。
 なんて思っていたらカホさんも阿蘇を気に入ってくれたみたいで嬉しいよ。宿泊で使ったRVパークのご夫婦も全国を旅したキャンピングカー愛好家さんで、彼らの”阿蘇を惚れ込んだ話”は実によかったね。ここで暮らすことも目標に入れようかね~。

(↑)5日目の夜〜6日目の朝までお世話になった「RVパークB&B阿蘇」

(↑)RVパークB&B阿蘇では、親切なオーナー夫妻に囲炉裏を借り、焼肉。


 6日目の宿探し(道の駅探し)兼、阿蘇山噴火によってできた地形巡りとして夫が連れて行ってくれたのは「原尻の滝」。

(↑)原尻の滝

 阿蘇火山堆積物は、大分県・豊後大野市の約1/2を覆っているとのこと。超巨大な火砕流が急激に冷えて固まったことでできた地形に足を運ぶ。

(↑)「急激に冷えて固まった」特徴のある地形

 写真では伝わりにくいのだが、まあまあな高さがある。田畑が並ぶ景色に突然現れる滝の姿は異様に映る。自然ってすごいね。

(↑)滝を真正面から捉えることのできる吊り橋ではしゃぐヨシロウ

(↑)滝とヨシロウの2ショット

 地形巡りとは関係ないのだが、吊り橋を渡った先にあった鳥居と神社の威圧感も印象に残っている。鬱蒼とした林の中に見える神社は、夜、足を運ぶとめちゃくちゃ怖いのではないだろうか。

(↑)威圧感のある鳥居

 なお、この日の夜は「道の駅 竹田」へ一泊。道中さまざまな特産品を購入し、夕飯として食べていたのだが、この日食べた「あくまき」がなかなか衝撃的だったので紹介したい

(↑)あくまき

 あくまきは鹿児島県で購入。南九州で食べられている季節の和菓子で、原材料は「もち米と“灰汁(あく)”」である。もち米を灰汁で炊いた食べ物・・・「ど、どういうこと?」と混乱しながらも「これは絶対旅先じゃないと食べられない!」と思った夫は即購入。いざ「道の駅 竹田」で実食。 
 あくまきはきな粉をかけて食べる。付属されていたきな粉がめちゃくちゃ美味しい。砂糖の他に塩が入っていて、ほんの少ししょっぱいのだ。甘じょっぱい味が口に広がり、食感は・・・にょふにょふしている。
 “にょふにょふ”で伝わるだろうか・・・・。
 食感はわらび餅などによく似ている。だが「ぷりっ」とも「もちっ」とも違う。わたしは「にょふにょふ」だといまだに思っている。そして灰汁で炊いただけあり、後味が謎なのだ。ものすごく不快とまではいかないが、えぐみがある。えぐみは決して強くないのだが、食べ終わる頃に「何を噛んでいたのだろう」と疑問が残るような、独特の後味だ。

ーあくまきの不明瞭感、実によかったね。付属のきな粉をつけないで食べると、意外とホントに味がなく、最後に灰汁のクセ(苦味・臭み?)が残る感じ。きな粉が必須だったけど、僕は結構楽しんだなぁ。
 調べてみたら、あくまきは九州ではメジャーな郷土和菓子なんだね。灰汁に漬け込むことで、竹の皮の抗菌作用もあいまって保存性が高くなるらしく、常温で1週間持つとのこと。あれだけ水分量があって1週間もつって考えたら、確かに保存食だなぁ。うーん、美味かった。

7日目 大分・書肆ゲンシシャ

(↑)書肆ゲンシシャ外観

 大分県ではずっと気になっていた「書肆ゲンシシャ」へ。

 ダメな人はダメだと思うのだが、わたしたちの目的は「エロ・グロ・ナンセンス」な本を読みに行くこと。公式ツイッターをフォローしているのだが、そこで紹介されていた「死者を1人にしてはいけないという考えから、防腐処理した遺体と共に暮らす文化」に一目惚れ。自分たちとは違う「死」の文化が知れるのでは?と足を運んだ。

 書肆ゲンシシャは、時間制で店内の本を自由に読むことができる。ワンドリンク制で優しげな店主に紅茶を淹れていただき、さっそく本や貯蔵されている品々を堪能。店主の方がとても丁寧に解説してくださるので大興奮。とにかく「ダメな人はダメ」だと思うので、興奮した品々の名称だけ挙げていく。
・人の頭蓋骨でつくった杯
・人の皮でつくった本の表紙
・戦時中の玩具
(現代人から見るとかなり悪趣味)
・戦争の資料本(現代社会では知ることのできない、むごい現実が直視できる)
・江戸川乱歩が参考にした事件資料本(死体写真ありだが、死体の状況で事件を解決する様子が密に記されている)
などなど・・・。
 「ジムノペティ」が流れる店内で読書に熱中してしまったわたしたちは、なんと4時間もそこにいた。4時間、上記のような本を読み続けたわたしたちは、最終目的地に向かう車中でずっと「死生観」について話していた。心動かされる本屋である。

ーゲンシシャさん最高だったねー!
 店主さんの説明が面白い!興味深い写真集をどんどん出してくれる!どんどん出てきた写真集についても説明してくれる!ステキな本屋さんだったなー!
 1冊読んで立ち上がると「こんな本もありますよ」と本を紹介してくれるから、本当に時間を忘れて没頭していたなぁ。13時過ぎに入って18時前に出たから、4時間半はいたことになるね。うーん、良本ばっかで楽しかったー!!(あの後に夫婦で『死』について思ったことを話し合った時間も楽しかったなぁ~。)


 ゲンシシャさんに行く前、別府冷麺の有名店「手のべ冷麺専門店 六盛(ろくせい)」へ。店内には「店内でのスマホの利用はご遠慮ください」とあったため写真はない。が、とにかく冷麺と、地元の人に大人気の中華麺がものすごく美味しかった。「別府のソウルフード」とも言われている別府冷麺。温泉もいいが、別府に訪れた際はぜひ食べていただきたい。
 写真は店内へ通される前と後で寝相が変わっていた猫ちゃん。

(↑)店を出ると、入店前に寝ていたときとは反対向きで熟睡していた


8日目 福岡・TRIAL

(↑)ヨシロウがずっと行きたかったスーパーマーケット「TRIAL」

 最終日の目的地は、スーパーマーケットに関わる仕事をしていた夫がかねてより行きたかったスーパーマーケット「TRIAL」へ。TRIALは関東にも店舗を構えているが、夫が行きたかったのは「24時間営業の無人スーパーマーケット」である。

 AI技術をフルに活用したスーパーマーケットだ。24時間営業のうち、午後10時~午前5時は売り場に店員がいない。だが普通に営業している。なぜ、それが可能なのか。
 まず無人営業時間帯は、専用アプリや会員カードで入店を制限される。が、TRIAL会員であれば入り口に設置された専用端末にアプリやカードに記載されているバーコード等をよみとらせるだけで入店できる。
 それからすべての商品に電子タグがつけられている。店内にはAI搭載カメラが約200台設置されており、タグや画像の情報を通じて、在庫状況や顧客の動向が理解できるのだという。TRIAL会員の顧客は専用のカートに商品バーコードを読ませる。専用カートには画面があり、何がカゴに入っているか、合計金額が何円かなどが表示される。専用カートは決済機能付きだから、セルフレジにいけば、画面の指示に従うだけで決済できる。顧客はAI機能のおかげで、誰とも接することなく商品を選び、購入し、店を出ることができる。お店側は発注作業をAI機能に託せる。
 人手不足のあえぐ各企業が「!」となるような画期的なスーパーマーケットなのだ。

(↑)TRIALの専用レジカートに夢中のヨシロウ

ーやー、やっと念願のTRIAL大野城店に行くことが出来たよー。やぁ流石は日本最先端のスーパーだ。やっていることが真新しくてとても楽しかった。TRIALの取り組みについては下の動画を観て欲しい~!

 最新店舗であるTRIAL大野城店に行ったんだけど、所感としては「思ったより特殊な技術を使ってはいないなぁ」だ。アメリカのAmazonGoのような超最先端技術を使っているわけではないけど、着実でかつ効率的な技術を使用した店舗として、とても好印象だった。
 日本のスーパーにはTRIALのように「実店舗にドンドン技術を導入する度胸」を持ってもらいたいと思ったよ。


 キャンピングカーを返却後、博多駅にて美味しいもつ鍋を食べ、旅は終了。福岡空港からスタートし、キャンピングカーで佐賀→長崎→鹿児島→宮崎→熊本→大分→福岡と回った今回の旅。
 よしさん、楽しんでくれましたかー?!

ーやー、今回の九州旅行は自由度が高くて最高だったな~~。
 そりゃそうだよね。カホさんがゲットした予算20万があって、移動は全てキャンピングカー。6月というオフシーズンだから人混みもなく、おまけに僕は無職ときた。うーん、これ以上の条件は思いつかないなぁ。
 ところどころ喫茶店に入ってノマドワークもしたけど、カホさんが旅行にあわせて仕事を前倒ししてくれていただから、ほぼ1週間ゆっくり遊べたと思う。カホさんには改めてお礼を言わないとだね。ありがとう。おかげで濃厚な結婚記念旅行としてカホさんと楽しく過ごすことができたよ。4年目もヨロシクね!
 今回の旅で今後の目標が明確になったのが良かったと思う。それは「カホさんとキャンピングカーで世界各地を旅すること」だ。
 働き方がもう少し自由な職業に就いて、カホさんともっと色んなところを旅行したいなぁ。とね。

 キャンピングカーも買っちゃっても良いかもしれない。またキャンピングカーの展示会に遊びに行こう~(^o^)


編集後記

(↑)旅先のスーパーマーケットで見つけた小回りのきくカートに大興奮。

 キャンピングカーで九州をまわった夫の姿は終始楽しそうだった。

 「夫のやりたいことを存分にやってもらおう」と思い立ち、相模ゴム工業株式会社の20周年企画に応募したのがきっかけだったが、本当に「思い立って」よかった。旅の行程決め
もキャンピングカーを借りることも全部夫に任せてしまったことに、夫への負担を考えて反省することもあったが、今ではわたしが企画・提供した旅をしなくてよかったと考えている。「ぜーんぶ自分のやりたいままに」という旅に満足してもらえたように見えるからだ。やはり夫は、自由奔放に動き回っている姿のほうが魅力的だ。

 いつかまた、夫とキャンピングカーで日本各地をまわりたい。

 次回は7月末に刊行予定。

photo / sentences / edit: Kaho Katayama

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かたやまかほ

ライター・ブロガー・画家。 3足のわらじを履いてぬるぬる生きる。ぬーるぬる。 1991年生まれ。東京在住。 noteでは、自分の生活を晒していきます。

月刊アカ ヨシロウ

月末更新のWEB上ZINE。 アカ ヨシロウの妻、かたやまかほが写真・文・編集を担当し、毎月『アカ ヨシロウと〇〇』と題して、夫のこだわりを紹介していく。
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