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令和6年3月朝礼

 全国の地方公務員のみなさん、おはようございます。今日から3月、令和5年度も最後の月を迎えました。各自治体では令和6年度当初予算案を始め、新年度に向けた議会審議が続いていると思いますが、住民の代表である議会に対して説明責任をしっかりと果せるように首長や幹部職員を支えるようにしてください。

 説明責任といえば、大谷翔平選手は結婚記者会見を開いてしっかりと説明をしたことに国民的な祝意が集まっていますが、国会においていつまでも果たされることがないのが裏金問題をはじめとする不透明な政治資金の取り扱いです。昨日、岸田総理が衆議院の政治倫理審査会に出席して質問に答えていましたがその答弁の内容は自民党の調査報告書の域を出るものではなく、国民の納得を得られるものであるとは到底言えない証言でした。続いての武田元総務大臣もそうですが、恐らく今日の政倫審でも他人事のような責任感の伝わらない答弁を繰り返すことが予想されますし、国民の政治不信は最高潮に達するでしょう。

 対する野党も、最大野党の立憲民主党は野田元総理を質問者に送り込みましたが、自分たちの仲間にも十分な説明責任を果たさない議員がいるため、もっぱら岸田総理に政治資金パーティーを止めろとしか追求できませんでした。本来なら続く日本維新の会や日本共産党のように岸田総理の証言内容が不十分であり、証人喚問が必要だとしなければならなかったものが、まさに自民党と立憲民主党のなれ合いに見えたのは、政治に対する国民の希望を打ち砕くものだったのではないかと思います。折からの確定申告シーズンに政治の無責任が民主主義の血液である納税に影響しないと思っているのでしょうか。

 しかし、国政が政治への信頼を失ったとしても、住民のみなさんの命を守り、暮らしを支えなければならないのは住民に最も身近な存在である地方自治体です。現に能登半島では元日の地震から丸2か月が経ち、世間の関心は薄れつつありますが、政府の非常災害対策本部によれば、住家被害は約7万8千戸弱、断水も約1万9千戸弱にのぼり、いまだに1万人以上のみなさんが避難生活を余儀なくされています。被災市町に対して支援職員や支援物資を送っていただき、建物物危険度判定や罹災証明発行など緊急かつ基礎的な部分を行政が担う支えになっていただいていることには頭が下がります。こうした大災害では何度も繰り返される光景ですが、国政政治家にはそういうところにこそ光を当ててほしいと思います。しかし、昨日から今日に掛けても千葉県沖でスロースリップ現象による地震が頻発するような状況でもあり、役に立たない国政政治家に代わり、自治体職員の皆さんが粛々と職務をこなしていただくことで公共への信頼回復につなげてほしいと思います。

 日頃は緊急事態条項であるとか緊急時の国会議員の任期延長だとか危機管理に関する憲法改正を声高に唱えている人たちが自分たちの危機すら管理できていないのは笑い話にすらなりませんが、差し迫る危機は地震災害だけではありません。加熱する経済投資も国際情勢にいつ冷や水を浴びせられるか分かりませんし、見えない危機として足もとに迫っている人口減少問題に真剣に取り組もうとする政治家はほぼ皆無です。そして、緊張をはらむ国際関係においては何が起こっても不思議ではありません。そうした国際関係と安全保障を取り上げた古典的な名作である『沈黙の艦隊』がアマプラで実写ドラマ化されています。第1話だけ見ようと思いながら全話一気見してしまいましたが、映像がとても美しく、テンポも早く、原作と違和感なく現代社会とシンクロしているので、一見の価値があります。先月22日には1月30日に行われた沖縄県国民保護共同図上訓練の結果も公開されましたが、自治体職員としても、ぜひ国内だけでなく、国際関係も含めた多角的な危機に備えるという視点を持ちながら年度末を迎えていただきたいとお願いし、今月の朝礼を終わります。

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