見出し画像

僕らは基本クズなのだ

安全なモノを食べたいから自分で畑を持って作物育てたいなあ、と思い始めて数ヶ月。

そして巡り巡って今僕は、狩猟免許をとりたいと思っている。
話がとんでいるように感じるかもしれないが、ようはこうだ。

田畑による食料生産にとって、野生鳥獣による被害ってめちゃくちゃ深刻。この個体数を減らす役目を担っているのが猟師なんだけど、高齢化や狩猟だけでは食べていけないこともあり、年々人数が減っている。当然野生鳥獣は増え、被害も高止まりしている。

狩猟のメインターゲットはイノシシやシカで、これらは里山にしか出没しないんだけど、その影に隠れてアライグマなどの中型動物の被害もしっかりあって、こいつらは市街地だろうがどこでも生息している。

つまりほぼ日本全体で、農作物に被害を与える野生鳥獣を減らさなければならないという問題がある。
しかも、これら野生鳥獣たちのほとんどが、食べることができるのだ。イノシシやシカはもちろん、アライグマだってハクビシンだって、カラスだってスズメだって食べられるし、しかも美味しい、らしい。

畑の被害を軽減できて、肉や毛皮も手に入る。とっても農作業と相性良いじゃん!というわけで、猟師に憧れている。もうちょっと正確に書くと、農作業と兼業できそうな、罠猟師に憧れている。

猟師に憧れているもんだから、猟師のYouTubeやブログを見漁った。
するとかなりの熱量で、猟師や、野生動物を食べる人を敵視している人たちの存在を知って、少なからずショックを受けた。
この人たちの言い分をザックリ言うと、
「お金を払えば簡単に肉が手に入るこの時代に、わざわざ殺して食べるなんて可哀想。人間のクズ」
という感じ。

この意見にはとても悶々としてしまう。
そもそも、その食肉とされる動物たちが、生まれてからお肉になるまでどんな扱いをされているのか知っているのだろうか?

鶏も
ブロイラー(肉用に飼育される鶏)の飼育環境

豚も
肉用に飼育される、豚の一生

牛だってそうさ
肉用に飼育される牛の一生

これこそ命を冒涜しているとしか思えない。
もしかすると僕が勉強不足で、極端な場所の一例を読んだだけで、全ての食肉生産場がこうなっていると思い込んでいるのかもしれない。
むしろそれならありがたい。誰か間違いを指摘して欲しい。このイヤな気分を軽くしてほしい。

食肉生産場のほとんどがこんな感じであると仮定したならば、こんな一生を過ごさなきゃならない生き物こそ減らさないといけないんじゃないの?

しかも、肉を生産するためには、その4倍から10倍くらいの穀物を必要とする。世界をみれば肉を生産することが原因で、食べ物が足りない人たちもいる。

一方で、狩猟対象の野生鳥獣たちのほとんどは捕獲後に殺処分でただ捨てられている。

こんなんを全体的に俯瞰すると、「まあちょっとくらいなら畑のモノ食べても良いよ。そのかわり、必要な分だけ、オレらも捕まえて食べるからね」というほうがよっぽど自然ではないかい?

世の中には、そもそも人間の体のシステム自体が食肉はあんまり相性よくないと言ってる人もいる。
極端な話、個人的には、全ての動物が絶滅の危機に瀕してしまって、人間が食べると絶滅してしまう、となったら、肉食べなくても良いかなぁと思う。多分、穀物と野菜だけでも僕はイケるくち。

だけど、増えて困っているなら、んでもって捨てられるくらいなら、僕はそいつらを食いたい。それによって、工業品のように扱われる生命が減るならなおさらだ。

「お金を払えば簡単に肉が手に入る」
確かにそうだ。
でもこの言葉、その肉ももともと生命であるという想像を経ている発言とは僕は感じられない。
「なのにわざわざ殺して食べるのは人間のクズ」
クズかもしれない。
クズかもしれない、としか言いようがない。

僕にできることは、せいぜい食べる前に「いただきます」と言うことくらいだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?