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都市部よりの自給自足①木工編

唐突ですが、わたくし、お金を使って誰かにやってもらうことに加えて、いざとなったら自分でもやれちゃう選択肢を持った方が、これからの世の中生きやすくなると考えています。
(はじめましての方向けの説明)

その中で、ずぅーっとずぅーっと私たち庶民にとっての木材を使用したモノづくりの仕組みについて、一番負担なくしっくりくる落とし所はどこかとあーだこーだと考えては試してきたのですが、ある程度ココだなと方向性が見えてきたのでまとめておこうと思います。

忙しい人は最後にまとめで同じことを簡潔に書きますので、それだけでも読んでね。

それではレッツnote

買った方が安いの圧倒的存在


自作するにあたって戦わなければいけない強大な敵がいます。
それが妖怪【買った方が安い】です。
こいつが存在するせいで世の中から自作が絶滅しようとしていると言っても過言ではございません。

ここでこいつと真正面から戦っても、スキル【大量生産】を使われて全滅してしまうので、どちらかといえばこいつが入り込めない領域を見つけてそこを攻めた方が良さそう。

買った方が安いの反対は【作った方が安い】なので、どういう条件であればそうなるかをまず整理してみると、以下に集約されそうです。

作った方が安いにするための条件


①素材はタダで手に入るものが基本
②エネルギーを使わない
③売っていないモノを作る

順に見てみましょう。

①素材はタダで手に入るものが基本


これが絶対条件。じゃあタダになりやすいモノってなんだっていうと、【ゴミ】です、ゴミ。
ゴミだけだとあまりイメージがわかない?じゃあゴミを少し言い換えてみましょう。
ゴミってのは、その場で活用方法が見出せていないモノ、のことです。
活用方法が見出せなくなりがちになってしまう状態の一つが、その場でものすごく余っている、ということ。

これを現在の日本の木に置き換えると、【杉】です。
戦後に良かれと思った人たちが、後世が使うだろうとめちゃくちゃ杉を植えたんだけど全然使われなかったので、今すごく問題になっています。

答え
タダで手に入りやすい木材→日本で現在当てはまるのは杉

杉は真っ直ぐに伸びるので主に建材で使われます。この杉の大きな特徴として一番に挙げられるのは、良い意味でも悪い意味でも【柔らかい】ということです。

なので杉でモノづくりをする場合、強度をだすことと接合には工夫が必要になります。
杉で強度のある接合をするにはどうすれば良いでしょうか。

杉の接合:最適解はダボとボンドだが…

ボンドは平面同士の圧着があって初めて効果を発揮するものなので、接着面を真っ平らのツルツルスベスベに切らないといけません。こんなの手動では無理です。機械使用前提の加工精度が求められます。

さあここで【機械】というワードが出ました。作った方が安いの次の条件を踏まえて、改めて接合について考えてみましょう。

②エネルギーを使わない


極力使わない。なぜなら、エネルギーにもお金がかかるからです。
このエネルギーには、加工と輸送2つの要素があります。まずは加工から見てみましょう。

機械は使わないに越したことはない

電動工具も含みますが、木工では精度を求めれば求めるほど、大型の機械が必要になります。
もちろんとても高価です。とても個人が買えるものではありません。
電動工具も買い揃えるとなるとかなりの出費になり、結局機械に頼ると、たくさん作らないとペイしない、すなわち妖怪買った方が安いが顔を出してパクっと喰われて終わります。
個人の木工制作は基本的に【手工具】を中心に行いましょう。

手工具は大変?素人じゃムリ?
それはやってみてもいねえクセに口だけは達者な人たちの思い込みです。(言い方!)
商品となり得る精度で作る技術を得るには確かに数年かかるでしょうが、使用に耐えうるモノを作るってだけなら2〜3回やればできるようになります。

基本的に木工に限らず、生きるために必要な技術が難しいわけないんです。
難しかったら人類は生き延びていない。
グダグダ言わずにさっさとやってみましょう。

接合まとめ

そんなこんななので、先程の接合の話に戻ると、機械を使わないDIYであればビス留めが基本となります。

とはいえ杉は、とても柔らかいので、他の堅い材と同じような感覚でのビス留めでは緩んできてしまう確率が高いです。
杉のような素材をビス留めで強度をだすにはどうすれば良いでしょうか?

【太さ】【広さ】【筋交】【挟む】

同じ作りであれば、太ければ太いほど、全面を覆えば覆うほど強度は上がります。
それと筋交構造や、

筋交構造のスツール



挟み脚構造なんかにすると、

挟み脚構造のスツール



ビス留めだけでも十分な強度をだせるようになってきます。

なるべく近くにあるモノを使う

輸送費をかけないってことです。
入手場所は近ければ近いほど良いのですね。

この基準でいくと、自由にできる森が近くにあれば問題ないわけですが、多くの人にそんな環境ありません。ましてや都市部で暮らしていれば、ほぼ絶望的な気にすらなってきます。
都市に住む人の一つの選択肢として考えられるのは【建築材】です。

建築の余材

工務店さんに話を聞くと、家一軒建築する時に、だいたい木材が余るらしいのです。
余ったらどうするのかというと保管するにもコストがかかるということで、その都度産業廃棄物としてお金をかけて捨てているそう。

じゃあ貰っちゃって良いの?と聞くと、全然構わないとの答えが返ってきました。
全部が全部の工務店さんがそう答えるとは限りませんが、少なくとも私が聞いた数件の工務店さんはどこも好意的だったので、可能性は高そう。

受け入れる場合は当然、工務店さんにもメリットがないと持続的ではないですから、廃棄物としての処理代が丸々浮いちゃうくらい、継続して回収し、地域ごとに受け入れて消費し続けるコミュニティを作る必要がありますが、構築さえできてしまえば半永久的に素材がタダで入手できるので、検討に値すると思います。

実際私は自宅を建てた時にでた余り材を全て受け入れてみました。建てる家の工法や形によって変わってくるかもしれませんが、広い板は少なめで、太めの角材がわりと多めという印象でした。

接合でも触れた通り、太ければ太いほど強度がでるので、工夫すればこの傾向をメリットにできると思います。

建材以外でも

意外ですが都市部であればあるほど、木材というものはゴミになりやすいです。
ジモティなんかをみると、無料で引き取ってという案件がチラホラと散見できるので、その辺も使えるかもしれません。
あとは自治体とかと繋がっておくと良いかも。

③売っていないモノを作る


売られているモノのほとんどは大量生産で作られたモノです。
コストの面では、大量生産にはどうしても勝てません。
自己満足なら自作も良いですが、そうでなければ無理に作らずに買っちゃったほうが今のところ良さそうです。

であるならば、優先して作るべきは、大量生産されていないモノ、売っていないモノ、になります。
そういったモノを手に入れるには通常オーダーメイドしかありません。
オーダーメイドは総じて高価格なので、ここに自作のメリットが生まれてきます。
多分部材をホームセンターで揃えたとしても、作った方が安くなりやすいでしょう。


じゃあ、売ってないモノってなんだ。

結論を先に言います。答えは【収納】です。
なぜならば、デットスペースや何を仕舞うかは、家庭によって違うからです。

例えばこんなスペースがあります。



そんで作ったのがこれ。



こんな形の棚なんて、どこにも売ってませんよね。

こんな形



収納であれば、構造が単純で素人にも十分機能するレベルのモノが作りやすいというメリットがあります。

また、重くなく、あまり出し入れしないモノを置いておくならば、そこまで強度も求められないので、ビス留めだけで十分な場合がほとんど。
ビス留めだけでできれば、バラして何度でも再利用ができるんですよね。
地味ですが、これもメリットの一つだと思います。

まとめ


長々と書いてきましたが、振り返ってザックリ一文にまとめてみましょう。

作った方が安い状態にするには手工具と建築余材を使っていこう。そのほとんどが杉なので、素材の特性を生かした接合と構造にして収納を作っていくのがベストですよ。


そして木工をすると、木の小片やおが屑が大量に発生します。
これをどうするかも解決しておかないといけない課題の一つで、一応これじゃないのと考えている案があります。

これまで書いてしまうとさらに長くなってしまうので、また実際にやってみたら改めて記事にしますね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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