アニメ「楽しいムーミン一家」の一期と劇場版の魅力は何だろう

私がムーミンと出会ったのはいわゆる”平成アニメ”と呼ばれているアニメ「楽しいムーミン一家」の、早朝やっていた再放送だった。

原作者トーベ・ヤンソンの小説の日本語訳版も読んだ。最近公開された映画「TOVE/トーベ」も見た。これらはまた別としてとても好きになった。

しかし一番なじみの深いものはやはり平成アニメのムーミン(の1から78話までの第一期。加えて劇場版「ムーミン谷の彗星」)だ。

この魅力は、アニメーションの制作が丁寧なことだと思う。キャラクターの生き生きとした姿、優しくて暖かいストーリーや、自然の表現が素晴らしい。霜柱の立ち上がる様子、嵐の海や川のしぶき、吹き荒れる風に揺れる窓、ムーミン谷の丘陵の草・木・花・岩など。このような魅力を感じるのは、原作者トーベ・ヤンソンだけでなく、監督・脚本・キャラクターデザイン・音楽・音響・美術・コンテ・作画などのスタッフと、声優キャストによる、総合的な出来栄えが理由だと思う。丁寧に作られたアニメを見ることは、丁寧な態度でコミュニケーションを取られていることと同じような心地よさがある。逆もまた然り。

今まで平成アニメのムーミンに感じていた魅力を探るにあたって、原作のトーベ・ヤンソンと音楽の白鳥澄夫に注目していたが、今度は監督・斎藤博と脚本・宮崎晃に焦点を当ててみようと思う。今「ペリーヌ物語」がYouTubeで全話公開(正式に権利元の許諾を得ている)しているので可能となった。

追って、音響・斯波重治・浅梨なおこ、キャラクターデザイン・山崎登志樹・名倉靖博、美術・河野次郎、色指定・宮下眞理についても深堀したい。

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