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みんなちがって、みんないい。って本音で思えていますか。

ひょんなきっかけで、ロシアのエンジニア、ロドリゲス(仮名)と仕事をすることになりました。

その決起会ということで、まずは一杯!と飲みに行ったとき。
楽しい前向きな会になるかと思いきや、異文化コミュニケーションの最たる例みたいな飲み会になったのでnoteに書きます。


多発する”笑ってやり過ごす作戦”

ロドリゲスとはお互い、ほぼ初対面なので、今までの仕事の話や家族の話などをしていました。ロドリゲスは家族をとても大事にしていて、奥さんと毎日ご飯を一緒に食べて、週末は庭に芝生を植えたりBBQをしたり、楽しく過ごしているんだそう。

私の話になったので、「うちは旦那さんは仕事が忙しくて平日は家でご飯食べない。土日もほぼゴルフかな(笑)」と言いましたところ。「えーーー!かわいそう!あなたはすごくかわいそう!」と過剰なほどに憐れまれました。

結婚する前からずっとそうだったし、そもそもBBQとか苦手なほうなので、今の生活は心地良いのですが、家族の時間を大事にしたい人からすると、我が家はかなりだめなタイプの家庭なんだろうな…
横でロドリゲスが、「旦那さんひどい!」と連呼する中、ぼんやりとそんなことを考えていました。「うーん、そうかな。まぁ、仕方ないよ、忙しいから」ととりあえず無理やりつくった笑みを顔に貼りつけて答えていたと思います。

ロドリゲスが言いたかったこと。

でも。

ロドリゲス、とにかくしつこい。(笑)
「えっ本当にそれでいいの?旦那さんありえなくない?ひどすぎじゃない?あなた辛くない?」
さすがに私もいらっとして、「いや、辛くないよ。私はこれでいいの。だからロドリゲスにそんなふうに言われたら、悲しいよ」と言いました。

そしたらロドリゲス、なんて言ったと思いますか。


「やっと言ったじゃん。本音。」


えっ…まさかわざと私をあおっていたのか…?

「ていうか悲しい、じゃなくて、なんで怒らないの?あなた旦那さん大事に思っているんでしょ。なんで大事な人のこと、ぼろくそ言われて笑ってるの?頭おかしいんじゃないの?」

一瞬私の頭の中は状況を理解できずにいたわけですが、とにかくわかったのはロドリゲスは真っ当なこと言ってるわ、ってこと…。

その時周りには私の仲間もいたし、そういう責められ方をされて正直恥ずかしかったんですが、(泣いて…はない)でもその時ロドリゲスから、「こういう仕事の仕方をしようよ」と言われている気がしたのです。


みんな違ってもいいの?

あとから自分がなんで笑ってやり過ごしてたんだろう。って思い返すと、ロドリゲスに気をつかっていました。
家族との時間を大事にしたいロドリゲスと、それはあまり重要ではない私。明らかに両者には考え方の違いがありますが、私はその違いをはっきりとさせることで、ロドリゲスとの心理的な距離感が生まれてしまうんじゃないか、と思っちゃったのです。自分の主張をしないことで、穏やかな関係を築けるのだ!という思いこみ。(さすが純ジャパの私)

でもロドリゲスにとって、違いは違い。自分はこれが好きで相手はこれが好きじゃない。ただの違い。
むしろ、大事なものを大事と言えないことのほうが信用ならないわ、ということだと思います。

ロドリゲスがそんな示唆を私にしてくれたおかげか(本人がどう思っているかはわからないけど)仕事はまぁ順調に進んでいます。


みんなちがって、みんないい。
金子みすゞさんの有名すぎる詩の一節。
名言です。わかってます。でも、無意識のうちに
みんな違ったらみんな大変。
みたいな感覚持っちゃっていたなぁと、思います。

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