投手出身か野手出身かで合う合わないがある気がする監督とチーム状態との相性

動かないことが目立ってしまったカープ佐々岡監督

カープの佐々岡監督が3年間の指揮を終えたところで辞任を表明した。

今季も5位ということで、その要因について、OBの高橋慶彦さんのYou Tubeチャンネルで「“バッティングセンター状態(=ただ打つだけの勝負)”になってしまった」と述べたことが話題になっている。

これな。
なんとなくの、あくまで感覚的なところで、

投手出身の監督は、機動力の活用について
「後手にまわる」か「奇行に走る」かのどちらか

のような気がする(笑)のは、確かだ。

佐々岡監督については、典型的な前者かなと。
「普通にやれることだけをしていたが、スキをみつけて意外な戦術をするようなことはしなかった」ということだと思う。

それが、今のカープの事情を考えたら、少し勿体なかったなということだし、そこをサポートするための河田雄祐ヘッド兼外野守備走塁コーチ存在でしょ? ということで、今季限りでの退任を申し出て了承された河田さんの行動は説得力がある。
僕は河田さんびいきなので、ある意味「さすがの潔さだな」と、納得している。

何もしなくても打線が回れば勝手に勝てるベイスターズ

んで、同じく「後手に回っている」のに、まったくの真逆で2位に躍進したのがベイスターズだったなと思う次第。

三浦大輔監督も、投手出身。
そして、機動力の活用は後手後手というか、やはり「なにもしない」という印象を勝手に持っているが(データ的に真実かどうかは、現時点では知らん)、こちらはむしろ放っておいても打ち出したら勝手にとまらなくなるから、放置タイプの監督であることが現在のチームの気質上、相性が良かったということになる。

三浦監督はある意味で心置きなく1軍で通用する投手の育成に従事できたのではないかなと。
そりゃ、昨季から今季の前半までの低迷状態のときは、「心置きなく」なんて気楽な精神状態ではなかったと思うが(大変生真面目な方とも聞いているし)。

ただ、いまとなれば、三浦監督就任直後は、ラミレス監督時代に「早いイニングから継投に持ち込んで、とにかく短いイニングでも速い球、決め球を全力で投げ込んで目先の1勝をもぎとるという成績優先の野球」をしていた副作用で、根の生えたような揺るぎない投球をする投手が今永昇太だけになってしまった状態だったのは周知の事実だろう。
そこから、地道に投手の基礎的な土台を底上げしたことが、打線の復調と相まって大きな躍進につながったのは間違いない。

こういう、ちょっとした相性って、もちろん、結果論だから語れることなので、監督起用自体が妙手とも悪手とも思わないが、明暗が如実に表れてしまったので、非常な運命だなと考えさせられる。
という、お話し。

ちなみに、「後者は誰ぞ?」と問われたら、それはホークスで長期政権を築いた“あの御方”ではないかなと、勝手に思っている。
だから、要するに奇行だろうが、勝てればいいのよ。

そうなっちゃうんだよね。この手の話は。


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