見出し画像

いいのかな。いいんだよね。

無理なローンを組んでいた。75歳で完済する家のローンだった。借金は約6000万は残っていた。支払えると思っていた。そして、早期返済してくれて、幸せで楽しさ溢れた老後を夢見ていた。

でも、内心怖かった。75歳まで生きていられるのかな。2人で思い描いた事が出来るのかな。僕はそこに入っているのかな。僕が死ねば、ローンが完済する。この家は、子供達に残してあげられる。本気でそう思っていた。

そう言えば、義父は初めて貰った年金を銀行から下ろして、飲みに行った翌日死んだ。

悲しかった。男の一生って何なのか。人生の終わりって、こんな事で終わっちゃうんだって思った。

何もかも背負い込んで来たものを、一度に全部下ろしたら、ホッとしたんだ。自己犠牲していた。美徳だと思った。偽善者だったのかもしれない。

僕は生きる。自分のために。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?