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充電中

そうだ。ボーっとしてたら、この感じ、どこかで味わったよなって思い出した。ちょうど25年前だ。旅行会社を辞めた時だ。

営業開発部に所属していた。財団法人や社団法人の渡航の手配を中心に、新規開拓もしていた。士農工商エージェントと言われていて、ほとんど奴隷のような扱いをされていた。お客さんから、どうしてこんな扱いをされなきゃならないんだと。もちろん、感謝されたお客さんもたくさんいた。それは、やってはいけない事をお手伝いしていたから。

Air Ticketは皆さんも、安いチケットは検索してわかるとおり、ピンからキリまである。それこそ正規料金は最も高い。なぜなら、チケットは金券であり、制限がかかればかかるだけ安くなる。

例えば、成田からロンドンまで正規料金が20万だとしよう。その正規チケットは何でもできる。乗らなくて払い戻しだって可能だ。ルートや航空会社を換えたっていい。なんなら乗る人の名前を換えてもいい。そこにドンドン制限を掛けるから格安チケットが存在する。一番安いチケットは、日付も時間も乗る飛行機も乗る人も、制限されれば安くなる。

請求書と領収書を正規料金で、実際は格安チケットで。そうすると差額が生じる。滞在中のお小遣いが増えるという仕組み。僕はよくやってあげていた。心の中で歪みが出ていたのかもしれない。でも、今思えば、自分で勝手に思い込んでいただけ。なんてことはない。会社が潤って、お客様が喜んで、僕も可愛がられて。

でも、若かった。なんだか許せなかった。PUREな世界に逃げ込んだ。学校の先生に。生徒と接していて浄化された。ドンドン浄化していった。いつしか、生徒との接点が少なくなった。学年主任に、部長に。ドンドン少なくなった。学校の経営は、旅行会社のそれに似ていた。

似ている。25年前と。あの時と違うのは、彼女がいるかいないか。あの当時の彼女は、僕を支えてくれた。苦しい時に支えてくれたことに感謝していた。でも、幸せはそこにはなかった。今は1人。家族が1人でも側にいたら、僕は決断できていなかったかもしれない。良かったんだ。

1ヶ月後の自分は、笑えている。またきっと浄化されている。意外と早い充電になるかもしれない。

あとちょっと、のんびりしよう。もうこんな時間はすごせなくなるかもしれないから。

🍀I hope you are happier than yesterday.

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