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禊初修行

禊とは、現在、禊祓(はらえ)として,神事や祭祀の前に沐浴(もくよく)して心身を清めることとしている。元来の意味は物忌の後,水に入って若返り,神となるための行事(変若水(おちみず)信仰)であったとされる。

水行や滝行を想像する方がいらっしゃるのではないでしょうか。『みそぎ』といっても水をかぶるわけではなく、『吐菩加美依身多女(とほかみえみため)』という祝詞の言葉を力強く、繰り返し唱え続ける行で、仏教にも似たような念仏修行だ。日本広しとはいえ、唯一ここだけになってしまったようだ。

合気道を志している方は、ご存じの方も多いかもしれませんが、日本よりもむしろ海外からこの修行に参加する方が多いようです。私が参加した時も、スイス人が参加していた。3泊4日の間、食事は麦と白米の混合飯と、味噌、梅干し、沢庵のみの食事になる。3食×4日。飲み物は白湯だけ。消灯は21時。起床は6時。貴重品や携帯は預けられてしまうので、デジタルデトックスにもなる。念仏修行なので、声が出なくなる。午前中は45分の5セット。間に10分間の休憩がそれぞれ入る。昼食後60分の5セット。正座で行う為、足は毎回痺れて歩けなくなる。なんでこんなことやらなきゃならないんだ。逃げ出して止めたくなる。本気で実行に移す人もいる。しかし、それを乗り越えた先に、別の感覚が出てくる。仕事でも恋愛でも、結婚生活でも、嫌なことや不満は誰にでもある。その先を見ようとすれば、景色が変わるし、考え方も変わる。私は、常に乗り越えてきた。この修行も、私の壮絶な人生に比べれば、とても楽に行えた。ひとそれぞれの我慢できる物差しは違う。海外にいる方が日本の良さを知っている。この道場も、いずれ無くなってしまうかもしれない。日本人が日本の文化を大切に感じなかったり、知らなかったりするのは、なんだか悲しい。禊修行だけじゃないんだろうな。跡継ぎがいなくなってしまうのは。そんなものを繋げていきたい。

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