無税国家論

自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。どんな道かは知らないが、他の人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがえのないこの道。広い時もある。せまい時もある。のぼりもあればくだりもある。坦々とした時もあれば、かきわけかきわけ汗する時もある。

      「道をひらく」松下幸之助著(PHP研究所)

松下氏の文章は簡潔で読みやすい。音読してもスラスラ読める。

時代が変わっても古びない言葉は、いつでもスーッと心に入ってくる。


「松下政経塾」はその晩年の1979年、次代の国家のリーダーを育てようと、70億もの私財を投じて設立された。

 この塾の創設のベースにあったのは、当時松下氏の唱えていた「無税国家論」。

高率の税に国民が苦しんでいるにも関わらず、財政が窮迫し赤字国債を発行して国費に充てている。しかし、今から120年を使えば、日本は無税国家に変われると。


この松下政経塾の第1期生の中に第95代目の首相、野田佳彦氏がいた。

東日本大震災のあった2011年9月に発足したこの政権から

復興増税を皮切りに、消費税増税へと大増税時代へ突入したとは、

なんとも皮肉なことだ。


松下氏が高率の税と言っていたのは1970年代のこと。それからおよそ50年たった今、消費税が10%に上がってすぐに、未曾有の台風19号による災害に見舞われた日本。

被災者の経済はもちろん精神的な負担も計り知れない。

松下氏はこの事態をどのように見ていらっしゃるだろうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?