自分を構成しているもの①

最近転職をした。
いや、5月からする。
もっというなら直近で短期離職を
二度と繰り返した。

実は昨年秋に約11年働いた会社を退職した。
11年と言うととても長いように思うけれど
その期間は紆余曲折の嵐で、一般的な
社会人の通ってきた道とはかなり
異なっていた。

さらっと書いておくと、前職(11年
働いた会社)は東証一部上場の大企業
だった。
資本金300億
従業員数はグループ会社合わせて
一万名近い。(前回千名と書いてた)
その親会社の本社で正社員として
勤務していた。
大会社はホワイト2000にも選ばれて
おり、福利厚生も手厚く
退職金制度や確定拠出年金だけで
なく年毎の人間ドックもバイトにまで
つけるような手厚さだった。
余談だが支店のパートにですら
年二回賞与を支給してくれる。
有休も辞める時には一月半近く使わせた
くれた。
ローンや賃貸の審査も会社名や
年収を提示するだけで大概は
通るほど名の知れた会社だったと
思う。

間違いなく花形だ。
正直誰もが聞いたことのある企業
である。CMやテレビでもおなじみ。
芸能人がうちの会社でお買い物をする
番組はしょっちゅう放映されていた。
自覚はなくとも肩書を出すと大手
ですね〜と言われる。さらに本社と
言えば凄いですね!と言われる始末
だった。
自分はその会社の広告宣伝部
と言う部署で3年ほど働いていた。

3年?と思われたかもしれない。
途中から本社に異動してきたので
3年なのだ。ちなみに正社員になって
からも3年である。
ん??またもや疑問に思われたかも
しれない。
実は自分は元々はその会社が運営する
実店舗の一つでアルバイトをしていた。
そう、途中から正社員として登用され
たのだがそれにしても11年と言う
長さに対して3年はあまりに短いと
感じると思うと思う。

実はもとはアルバイトだった。それも
サービスカウンターの人間だった。
それが何故正社員になるかと言うと
トントン拍子には進んだわけではない。
5年はサービスカウンターで勤務した。
バイトでである。
大きなお店で店員も沢山いる為
上層部の人間などは私の存在すら
知らなかっただろう。

それがたまたま、お店内の広告物を
作る担当になった。
簡単になったわけではない。
店内広告制作担当ポスト募集と言う
張り紙が当時の店長から出され
複数人応募した中から自分が選ばれ
たのだ。
理由は自分がデザイン学校出身で
あったからが大きい。
あとは店長が若い女性を側に固めて
おきたかった動機があるような
気がする。
私ともう1人若い女の子が選ばれた。
店内広告と言うと簡単な作業を想像
されるだろう。
しかしうちの会社は全ての広告物を
内製している為、お店毎に業務用の
大型印刷機やラミネーターなどが
備えられており
デザインをするだけでなく実際に
印刷し、加工もしてから店内に貼り出す
それがわたしの仕事だった。

そのポストについても即社員登用
とはならなかった。
2年半はバイトの立場でその担当を
続ける。
わたしはかなり重宝されて、必要
不可欠な存在とされながらも
当時の店長から正社員への打診が
くることはなかった。
2年ほど経った頃、異動があり新しい
店長がやってくると、正社員になる
でしょ?と数ヶ月で言われた。
もう決まってるよね?
そんな調子だった。
願ってもないことで、またプライドが
高く自ら要求のできないでいた私は
打診が来るまで己で頼むことは
絶対にしないと決めていた為、
二つ返事で快諾した。

ちなみに正社員になるためには
試験が勿論ある。
本社に赴き、面接や適性検査をし
社員になってからも厳しめの研修が
待ち構えていた。
それらを乗り越えて正社員になった。
そして正社員になったその月の終わりに
本社がとあるポストの募集を出した。
本社広告宣伝部内にて会社の広告物を
作る担当を一名募集。

それは初めてのことで、かつてその
ような募集が本社から出されたことは
ないという話だった。
勿論パートの頃なら応募すらでき
なかった。しかし正社員になった
瞬間にその募集がかかった事に
わたしは運命を感じて応募をした。

受かるか受からないかもわからないし
試しにと言う気持ちもあった。
だから極力人には話さないで
結果が出るまで隠していた。

しばらくして書類審査が通ったと
本社から連絡が来て対面にて
面接をすることとなった。
面接に現れたのは本社の広告宣伝部
部長と次長の2人だった。
当時はそれがどれだけ凄いことか
自分が大それたことをしているか
何もわかっておらず
緊張はしたけれど持ち前の外面の
良さを前面に出して面接を終えた。

正直、受かったと思った。
手応えのある面接はなんとなく
わかる。
またそう言う時は大概受かる。
わたしの思惑通り、3週間程して
あなたが受かりましたと本社から
連絡が届いた時は受かると思って
いたとはいえ、信じられず
軽くパニックを起こしたのを覚えて
いる。
後から聞いた話だと、わたし以外に
十人ほどが応募していたらしい。
しかもわたしのような社員になり
たてのペーぺーではなく
各支店で長く働き広告を作ってきた
猛者たちが応募をしていたとの
ことだった。
こうして私は大企業で正社員として
毎日働く事になるのである。

※既にこの会社は辞めたますので過去の
経緯を書いています。





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