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君に逢った日はいつも最後の様で

これが最後かもしれないな、とステージに立つ大吾くんを見るたびに思っていた頃があった。

明日どうなっているかわからない世界のなかで、信じられたのは松竹座という場所だけ。そんな狭い箱の中でひたすら夢を見る。一刻も早くこの場所を卒業してほしいという願いと、ずっとこの距離にいてほしいという欲望の狭間で葛藤しなから。

わたしは、西畑担をしながらも必要以上に彼に入れ込まないようにすることにこだわっていた。それは、頑張っている大吾くんを見てわたしもがんばろうと自分を奮い立たせて、日常を大事にしたいという気持ちがあったのがいちばんなのだけど。

それでも、同じぐらい強かったのは、もしいなくなってしまったときの絶望と喪失感を少しでも薄くしたいという気持ち。覚悟をしていたのだ。

ジャニーズJr.なんていつどうなるかわからない。立ち位置はすぐに入れ替わるし、何の前触れもなく干される。グループがあるとかないとか関係ない。ベテランになればなるほど、魅力的な若手に場所を奪われる可能性が上がっていってしまう。でもそれは、そういうもの。

もしかしたら辞めてしまうかもしれないと、心身ともにぼろぼろの大吾くんを見て思っていたことがあった。なんでこの人は西畑担だと名乗りながらも心無い言葉をぶつけられるんだろうとTwitterに溢れる批判の声を見てひとり悔しい思いをした日もあった。今となっては大吾くんはその言葉すらもありがたいものだったと語っているけど。そんな日はいつだって大吾くんに「大丈夫だよ」って手紙を書いた。

でも、わたしにできることなんてそれだけだった。

少しでも長くアイドルでいてほしいと思う日が増えた。大吾くんが望むものがそこではないなら、どんな場所でもついていく覚悟はしていたけど、わたしには大吾くんがアイドルでいたいと思っているように見えた。

辞めちゃったらどうしよう、干されたらどうしよう、ある日突然いなくなってそのまま呼ばれなくなってしまったらどうしよう。

どんなにメインに立っていてもそうやっていなくなっていった人をたくさん見ていたから、焦らないわけがなくて。

だから自分にできる精一杯のことをしながらも、コンサートに行くたびにこれが最後かもしれないってずっと思っていた。

昔、大吾くんがかんじゅ日誌で「まだまだ未熟で空回りしがちな西畑ですが、もっともっと自分の行動や言動に責任を持てる大人の男になれるように頑張ります。」と書いていたことをいまでもはっきりと覚えている。

いろいろな声を浴びるようになって、大吾くんは過剰なぐらい人に配慮するようになった。それでもやっぱりまだまだ火種は尽きなくて。大吾くんはどんどん配慮の人になっていったね。

そんな大吾くんのことをすごいと思ったけど、いつか壊れちゃうんじゃないかって心配に思ったこともあったよ。

コンサートが終わるといつだってaikoの夏が帰るを聴いた。「後悔するくらいなら苦しくても永遠に君を好きでいたいの」と、本気でそう思っていた。

毎年必ず来る学生の卒業シーズンに怯えた。高校や大学を卒業するタイミングで、Jr.を辞める子が昔はそこそこ多かったから。今年は誰がいなくなるだろう、それに影響されていなくなる人もいるんじゃないか、環境が変わったら立ち位置はどうなるのか。いろいろなことを考えた。

2017年の夏。1年後の2018年に開催する舞台「マリウス」に、大吾くんの出演が決まった時は飛び上がるほど嬉しかった。

少なくともあと1年はジャニーズでいてくれることが確定している。それが何より支えになった。

先のことなんて何もわからないけど、それでも大吾くんにどうにか夢を掴んでほしい。そもそもセンターに立つことに自信のない大吾くんに少しでも自信をあげたい。きっとあの頃、西畑担はそう思っている人が多かったんじゃないかな。だからJr.大賞を黙々と頑張っていた。少しでも何かを残したくて。

この先の仕事を夢見れること、なんて幸せなんだろう。なにわ男子ができて、CDデビューして、いつのまにかそんな日々も当たり前になりつつあったけど、ふとこの気持ちを思い出した。

次はどんな曲が出るかな?5周年はどんなコンサートをするんだろう。大吾くんはどんなお仕事をするのかな。

そうやって未来に思いを馳せることができるのは、とてもラッキーなことなのだ。もちろんすべてが確約されているわけではないけれど、"ジャニーズ事務所から華々しくCDデビューした"これだけで、世界は大きく変わる。大吾くんが自分から手放そうとしない限り、ある程度の未来は保証される。なんてありがたいことなのだろう。

思えばわたしがコンサートでメモを取るようになったり、レポをツイートするようになったりしたきっかけは、残しておかないと何も残らないからだった。

自分の目と耳で記憶しておかないと、コンサートの映像なんてどこにも残らない。ありがたいことにまいジャニがあったし、ジャニーズwebの連載やラジオのレギュラーなどをもらえるようになって、だんだん大吾くんを見られる場面は増えて行ったけど、それでも、一番好きなものほどどこにも残らなかった。

いつかコンサートDVDが出せるようになったら、こんなに必死でいろいろなことを記録しなくてもよくなるのかな。当たり前にテレビで見られるようになったら、今この瞬間の大吾くんを目に焼き付けなきゃって一生懸命になることもなくなるのかな。そう考えていた頃もあったな。

結局、わたしは見たものを記録するのが習慣化してしまい、今もメモを取り続けているけど。それでも、昔よりちょっと心に余裕ができた。

もう大吾くんを見ても、寂しくなることはない。いつだって温かい笑顔で迎え入れてくれて楽しそうにゆるゆる笑う大吾くんは、わたしがずっと見たかった大吾くんだ。

本当にいろいろなことがあって、そのほとんどをもう過去のものとして普段のわたしは良い意味で忘れてしまっているけど、こうやってふと思い出した時にちゃんと残しておきたいなと思った。だからこのnoteを書いた。

今があるのは当たり前じゃないこと。そして、今も変わらず大吾くんを好きでいられるのはすごくすごく幸せなこと。きちんと心に置いておきたい。

もうすぐ冬だね。大吾くんがクリパで歌っていた曲をスマホにダウンロードしてプレイリストを作って、御堂筋を散歩していた頃が懐かしいよ。わたしもいつのまにか、東京にきて4回目の冬。時の流れは早いもので、一瞬一瞬噛み締めていかないとすぐに過ぎていってしまう。

大吾くん、今日も美味しいものをたくさん食べて、好きな人たちといっぱい笑っていてね。やっぱり、最後に思うのは、いつだって「出会えてよかった!」これに尽きる。これからもずっと大吾くんとなにわ男子と、たくさんの春夏秋冬を過ごせますように。

君に逢った日はいつも最後の様で
毎日幸せで寂しいんだ
きっと誰よりも大切なんだろう
雨を止んでお願い
夏が帰る / aiko

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