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韓国音楽シーン、最注目のロックバンドSilica Gelがニューアルバム『POWER ANDRE 99』を発表!

韓国音楽シーン、最注目のロックバンド
Silica Gelがニューアルバム『POWER ANDRE 99』を発表!

アルバムカバー

- 「Desert Eagle」、「NO PAIN」で2022年、2023年続けて韓国大衆音楽賞「最優秀モダンロック・ソング」部門を受賞、「NO PAIN」は「今年の曲」部門にもノミネート。
- MV「Tik Tak Tok feat. So!YoON!」はインディでは異例の公開からわずか9日で100万回再生突破
- 11月初めに開催された単独公演「POWER ANDRE 99」は発表前のアルバム全楽曲を披露する企画ながら2,800人規模のホール 3日間即完
- 11月に開催されたMelon Music Awardでのパフォーマンスも話題、「ベスト・ミュージックスタイル賞」も受賞
- 2024年Primavera Sound Barcelonaに出演決定


バイオグラフィ+アルバム紹介


韓国を代表するロックバンド、Silica Gelが12月20日、ニュー・アルバム『POWER ANDRE 99』を発表した。フルアルバムとしては2017年の『Silica Gel』以来7年ぶり、音源作品としては今年4月のEP『Machine Boy』、8月にSe So Neonのファン・ソユンを客演に迎えて発表したシングル「Tik Tak Tok feat. So!YoON!」に続く本作は、18曲入り、これまで通りメンバーたちによる完全セルフ・プロデュースで制作され、彼らがこれまで影響を受けてきたギターロックやサイケデリック・ロック、フォーク、電子音楽やアンビエント音楽、クラシックや現代音楽など多様なジャンルの観点から楽しめるハイクオリティな録音作品となっている。

Silica Gelは2013年に大学時代の友人たちを中心に結成。当時はVJメンバーも含めた8人編成であった。2015年にEP『Pure Sun (새삼스레 들이켜본 무중력 사슴의 다섯 가지 시각) 』でデビュー、2016年にはフルアルバム『Silica Gel』を発表した。この頃には韓国大衆音楽賞の「今年の新人」を受賞、韓国の放送局EBSの「EBSスペース共感 今年のハロールーキー大賞」を受賞するなど評論家らが選ぶ新人賞を総なめした。2018年1月には同じ韓国のバンド、Parasolと共にシャムキャッツ、トクマルシューゴとの東京公演も実現させている。

兵役による活動休止を経て2020年夏以降、体制を現在の4人体制(ギター・鍵盤・ボーカル:キム・ハンジュ、ギター・ボーカル:キム・チュンチュ、ベース:チェ・ウンヒ、ドラム:キム・ゴンジェ)に改め、ミニマムなサイケデリアが反復する「Kyo181」、電子音楽とロック・サウンドがぶつかり合う「Hibernation」、別々の曲たちが一つに繋ぎ合わされたような「Desert Eagle」、「S G T A P E-01」、「I’MMORTAL feat. sogumm」と独特な楽曲を発表し続けた。そして2022年夏、パンデミックの終息とともに大幅に増えたライブ公演でのパフォーマンスや、彼らの代表曲となるフックを持った「NO PAIN」の発表が決定打となり、ファンダム“自警団”は韓国国内で爆発的に増加。2023年春に発表したEP『Machine Boy』の発表を記念した単独公演のチケットは即完、今年の春から秋にかけても20以上の韓国国内の音楽フェス、香港のClockenflap、日本のBiKN shibuya、台湾のFireBall Fest.に出演、8月に発表されたシングル「Tik Tak Tok feat. So!YoON!」はMVがインディ・アーティストとして異例のスピードの公開からわずか9日で100万回再生数を記録するなど勢いは留まるところを知らない。さらに本作『POWER ANDRE 99』発表直前には、大半が未発表曲であるアルバム全曲を曲順に披露するという異例の単独公演を3日間開催し、3,000人弱の過去最大級のキャパでの公演を即完させ、K-POPアイドルで埋め尽くされたMelon Music Award のラインナップの中でライブ・パフォーマンスを披露、BEST MUSIC STYLE賞部門の受賞といった快挙も果たすなど、本作発表を前にして韓国国内では尋常でないほどの期待がSilica Gelに掛けられていた。

そうして発表されたアルバム『POWER ANDRE 99』は、彼らの音に対する拘り、探求心、情熱と向上心が反映されたアルバムであり、オーディオ作品としてのクオリティも非常に高い。具体的には特殊なエフェクトが施された音色、使用するアンプやマイクを増やしたり、広さや高さなど、彼らが選び抜いた空間で臨場感ある音が収まるよう工夫が施されたレコーディング、彼ら自身のライブ演奏を想起させるダイナミックなバンド・アンサンブル、加工されたボーカル音やシンセサイザー、サンプラーなどを利用した電子音楽的アプローチやプロダクションなど、砕いて語ろうとすればキリがない。もちろんジャンル的にもギターロックやサイケデリックロック、フォーク、電子音楽やアンビエント音楽、クラシックや現代音楽など多数のジャンルが含まれているが、アルバム1曲から18曲まで順に聴いた時には作り込まれた一つのサウンドが通底しておりアルバムとしての統一感も素晴らしい。そうした実験性の一方で、フックのあるメロディ、強靭なギターリフなど、実験性と聴き手を一聴で惹きつける衝動性を両立させており、より広い世界に訴求させる作品だ。

一方でSilica Gelの作品はビジュアル・ワークやそれを支えるチームにも注目だ。本作でもリード曲の一つ「APEX」のMVはこれまでも「9」、「Kyo181」、「Mercurial」、「Tik Tak Tok feat. So!YoON!」などSilica Gelの多数の楽曲のMVをディレクティングしてきた作家、MELTMIRRORが担当、これまでの彼らの世界観を維持、拡張している(もう一つのリード曲「Ryudejakeiru」のMVはメンバー、チェ・ウンヒが担当しており、今後公開予定だ。さらにアートワークは「Kyo181」、「Tik Tak Tok feat. So!YoON!」に続きDaylenseuが制作。音源以外の部分までメンバー自身がコントロール出来る形で、信頼するチームによって、完成されたのが『POWER ANDRE 99』なのだ。実際彼らのビジュアルコンセプトが反映されているツアー・グッズは常に即完しており、11月にソウル市内の百貨店でポップアップが開催された時には長蛇の列ができるなるなど、Silica Gelがファンから熱い支持を受けている理由の一つになっている。ビジュアル以外にも、デビュー以来全ての作品、また大半のライブ公演でサウンド・エンジニアを行っているシン・ジェミンの名前も忘れてはならない。

最後にSilica Gelのメンバー個々の才能にも目を向けておこう。まずキム・ハンジュはバンド、Se So Neonの楽曲を多数プロデュース、ボーカリストとしてもKim Doeon、Tabber など多数のアーティストの楽曲に客演参加、最近は電子音楽家Kim Doeonと共にライブ活動も行っている。ギタリストのキム・チュンチュはフォーク・ミュージックを基盤にしたソロ・プロジェクト、Playbookでこれまで一枚のフルアルバムとEPを発表しているほか、韓国のインディ・アーティストのプロデューサーとしても活躍中で、今年は大好評だったYoon JiYoungのアルバム『In My Garden』をフル・プロデュース、ミキシングまで行っている。ベースのチェ・ウンヒは先述の通りMV製作も行うほか、4人組ロック・バンド、Wah Wah Wahのメンバーとしても活躍、ドラムのキム・ゴンジェはマルチ・ジャンル・バンド、APNEA、プロデューサーNthoniusとのデュオ、Shirakami Woodsなどでも活動している。ここまで言及したメンバーの活動はほんの一部でこれ以外にもTVや映画の音楽を制作するなど常に彼らのクレジットは韓国の芸術界のどこかで目にすることが出来るほどだ。全員がシンセサイザーを使いこなし、ソングライティングが可能、そんな個々の才能が結集してこその結果が、この独特なバンド・サウンドに繋がっている。

Silica Gelは2024年既にスペインのフェス、Primavera Sound Barcelonaへの出演も決定しており、ここ数年、韓国国内で爆発的な人気拡大を見せた彼らがグローバルなプレゼンスを上げていく準備が整っている。今後もどんな驚きをリスナーに届けてくれるのか、本作以降の活動にもますます注目である。(山本大地)

公式紹介文の日本語訳

Silica Gelの2ndフルアルバム『POWER ANDRE 99』は2016年のファースト『Silica Gel』以来7年ぶりにリリースされる正規アルバムで、11月に行われた同名の単独公演で全曲を先行公開した。
『POWER ANDRE 99』は全18トラック、2つのリード曲で構成されたアルバムだ。誰もが簡単に歌って楽しめる「Ryudejakeiru」と、激しいバンドサウンドで注目を集める「APEX」。相反する感じのダブル・リード曲が、今回のフルアルバムがいかに多様な曲で構成されているかを説明してくれる。
昨年3月にリリースしたシングル「Mercurial」からEP『Machine Boy』、そしてシングル「Tik Tak Tok (feat. So!YoON!)」まで、”Machineboy”の正体を探求してきたSilica Gelの壮大な旅が、『POWER ANDRE 99』で完結する。これにより、ジャンル的な挑戦に限界を置かない彼らが今後、どんな新しい形と経験で音楽を聴かせてくれるのか、さらに期待させる。

TRACKLIST

1.     On Black
2.     Eres Tu
3.     Juxtaposition
4.     Realize
5.     Gosan
6.     Andre99
7.     Babyface
8.     NO PAIN
9.     The Rim
10.  T
11.  Tik Tak Tok (feat. So!YoON!)
12.  Budland
13.  Ryudejakeiru (リード曲)
14.  APEX (リード曲)
15.  Ondine
16.  Mercurial
17.  Machineboy空
18.  PH-1004

各種リンク

アルバム・ストリームリンク
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収録曲MV
「APEX」

「Tik Tak Tok feat. So!YoON!」 

ライブ映像
Melon Music Awards 2023


「APEX」


CREDIT

Silica Gel:
Kim Geonjay キム・ゴンジェ
Kim Chunchu キム・チュンチュ
Kim Hanjoo キム・ハンジュ
Choi Woonghee チェ・ウンヒ

・下記トラックを除き全て作曲・作詞・編曲・演奏: Silica Gel
3.     Juxtaposition コーラス:에몬 Emon
11.  Tik Tak Tok (feat. So!YoON!) 作詞・作曲・編曲・演奏:Silica Gel, So!YoON!

・その他クレジット
all produced by Silica Gel
all recorded by Silica Gel, 신재민(シン・ジェミン) Shin Jaimin (우리모두 스튜디오 ormdstudio, 필로스플래닛 Philos’ Planet, 음악역1939 MUSIC VILLAGE1939)
all mixed by Silica Gel (우리모두 스튜디오 ormdstudio)
all mastered by Shin Jaimin (필로스플래닛 Philos’ Planet)
cover artwork by Daylen Seu (@daylenseu)
3D promotion video by Park Sungwoo (@piiwave)
hair by Gu Yeyoung (@Kowon)
make-up by Kim Yunjung (@Kowon)
styling by Halominium
Management MAGIC STRAWBERRY SOUND

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