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そうだ、絵本作家になろう④出産、それから

(前回の記事はこちら→ そうだ、絵本作家になろう。③

初めての妊娠は、神秘的というか、不思議な体験でした。

私が私でないような感覚。お腹の中に別の生命がいる。私の中に心臓がふたつあって、もうひとつの心臓の主は、ぐにゃぐにゃ手足を動かしている。

でも、「いる」。確実にいる。お腹の中に、いる。

子宮の海の中で、新しい生命が育っているのだ。

いまの私の全てのエネルギーは、ここに集中している。

子宮が私の中心で、子宮が私を支配している。
そういう感覚でした。

ただ、陣痛がなかなか来なくて、予定日を1週間超過したのちに入院してから促進剤を点滴し、出産しました。

出産の経験は、自分が動物だったということをまざまざと自覚させられるものでした。

それまで、SNSなどでは「出産しました♡」みたいなノリで発表されるのを見るばかりでしたが、実際の私の感想は「♡」では全然なかった。
ケモノです、ケモノ。

そして、自宅での赤ちゃんのお世話の日々が始まりました。

正直、しんどい産後。こんなに大変だなんて思わなかった。心も体も波が激しい。毎日、寝る時間を確保することしか考えられませんでした。

そんな私をよそに、日々ものすごい速さで成長していくわが子。
昨日できなかったことが、今日はできるようになっている。
どんどん身体が大きくなっていき、運動能力も発達していくのが目に見えてわかる。
そんな光景を目の当たりにするにつれ、「私はこのままでいいんだろうか?」と、ふと思ったんです。

出産した時に、病院で「生まれてきた赤ちゃんにメッセージを書きましょう」みたいな紙を渡されたので、そこに書いたのが「やりたいことをやって人生を楽しんでね」みたいなことだったと記憶しています。
だけども、私はやりたいこと、やってるかな? この子がもっと成長した時に、目指したい大人の姿であれるだろうか? と、にわかに疑問が湧いてきたのです。

そこでようやく、「絵本をまた作りたい」と、思い至ったのです。

初めての赤ちゃんのお世話は大変で、自分のことをやる時間は全くありませんでしたが、考える時間はたくさんありました。

それで、自主制作はこれまでもやったことがあったので、次を目指すなら商業出版かな〜と、この時はまだ薄ぼんやり思っていました。でもどうやったらいいのかな〜、みたいな。
全く出版社のツテはないし、知り合いにも絵本作家はいない。とりあえず検索しよ。という感じで、冒頭の「絵本 出版」のワード検索の件りに繋がります。

すると出てきたサイトには、絵本を出版するには企画を100本書いて云々とか、印税のこととか、書いてあったような(うろ覚え)。そのサイトにくっついていたリンク先から、「絵本の学校」という絵本の学校を見つけ(ややこしい)、直近のスケジュールで開催される授業見学に行ってみたのです。

次回に続く。

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