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そうだ、絵本作家になろう⑩【最終回】どうやって出版が決まったの?

(前回の記事はこちら→そうだ、絵本作家になろう⑨僕と遠野物語と神楽坂〜後編〜

ところで、絵本作家になるためにはどういう道があるのか、みなさんはご存知でしょうか。
自主制作・自費出版なら自分で勝手にやれば良い話ですが、商業出版となるとそうはいきません。

以下は商業出版につながる道として考えられる方法、そして私がチャレンジしてみた方法を挙げてみました。

①様々な団体が主催する絵本のコンペ・公募に応募する。
②イラストレーターとして活動するうちに、挿絵画家として出版社から声がかかる。
③いわゆる「なろう系」のサイトで作品を発表し続けるうちに人気が出て出版の機会を得る。
④出版社に持ち込みする。
⑤たまたま飲みの席で隣に座った人が絵本の出版社の敏腕編集者で、意気投合して出版が決まる。

そんなところでしょうかね(もっと他にあるのかなー)。

わたしが「こうだったらいいな」と思うルートは、実は⑤だったのですが、いかんせん産後のママなので外に飲みに行く機会が皆無。ゆえにこのルートは自動的に却下されました。

②は、自分でお話も書きたかったし、そもそもイラストレーターになりたいわけではないので却下。

③は、一応なろう系サイトに絵本を一つ登録しているのですが、ネットで絵本を読むのって大人しかいないよね……しかも見辛いよね……と感じて力をそこに注ぐのはやめました。

④については、1社か2社、出版社に持ち込みしました。持ち込みを受け付けている出版社のWEBサイトをチェックして、郵送なりメールなりで作品集を送るのですが、直接会ってはもらえませんでした。(返信もなし)
なので、デビューしてから持ち込みする方が会って作品を見てもらえる可能性が高くなるのでは? と考え、この時点ではやめることにしました。

そして、王道パターンの①が残るのですが、2016年に自主制作した絵本の他にはコンペに出せるような絵本を作ることができていなかったので、新たにお話と絵を完成させる必要がありました。
それから、「自費出版詐欺」のようなコンペもあるようなので、商業出版したいのならコンペの募集要項を読み、評判もチェックし、よくよく吟味する必要があります。
しかしながら出産と平面絵画の制作&発表に気を取られて、絵本のことは全く進まず時は流れて……浮かんでは……消えてゆく……ありふれた……言葉だけ…………。

そんな中、絵本は「遠野物語とか昔話とか、そっち方面でやって行く」という方向性だけ、決めていました。(前回までの記事参照のこと)

以前、私は絵本の学校に通っていたと書きました。

ある時、こんな情報が舞い込みました。
なんと、その絵本の学校の創設者である、松本えつを氏が思いあまって出版社を立ち上げるというのです(笑)←笑うところではない。

(松本えつを氏の著作から抜粋↓)

そして、第0回に相当するクローズドコンペを開催するとのお知らせがありました。
クローズドということは、限られた人にだけ知らされた募集なのです。
私は、こう思いました。「ラッキー!」

信頼の置ける団体が主催する、信頼の置ける人達だけに知らされたコンペ。
そして絵本にしたいモチーフは決まっている。これをぜひコンペに出したい!

主人公は女の子、3歳くらいから理解できる内容で、舞台は地元・遠野にある神社で、妖怪を登場させて、女の子はおしゃれが好きな子で……

そんな風にイメージを膨らませていき、お話しを作りました。

そうして、完成した絵本「メルルとようかいのおしゃれやさん」は、なんと大賞をいただき、出版できる運びとなりました

CHICORA BOOKS キャラクター絵本出版大賞のWEBサイトはこちら。
第一回の募集は終了していますが、興味のある方は時々チェックしてみてください!

それではこれにて、マガジン「そうだ、絵本作家になろう」の連載は終了したいと思います。
ざっとこれまでの成り行きをさらっただけなので、もっとモヤモヤした時期があり、それを経て今があります、ということはまた別の記事にしたいなーと思っています。

そして、絵本「メルルとようかいのおしゃれやさん」ができるまでのお話は、別のマガジンにて連載していきたいと思います! お楽しみに!

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