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今だからこそいかに「つながる」かが成功のカギ

働き方改革が進められる今。みなさんの働き方には、何か変化が起こっているでしょうか? そもそも、どんなふうに改革されれば、みなさんはもっと豊かな働き方ができると思いますか?

このコーナーでは、「働き方」に関するさまざまな話題を取り上げて、「幸せな働き方って何だろう?」ということを考えていきたいと思っています。

■みなさんが「真っ先に行きたいお店」はどんなお店ですか?

全国で緊急事態宣言が解除となりましたが、「まだ自由にいろいろなところに出歩く気にはなれない……」という方も多いのではないでしょうか。私もその一人です。

でも、少しくらいなら行きたいお店に行ってみたい。となると、行くところを厳選しますよね。私の場合は、よく行くバーが何軒かあるのですが、やはり長年お世話になってきたお店、マスターと会うのが楽しみなお店から順に、となります。

もし仲間と飲みに行く機会ができても、やはりよく使わせてもらっている居酒屋さんから順にとなるでしょう。

この外出自粛期間、私はほとんどテイクアウトもせず自炊をしてきましたが、もしテイクアウトをするのであっても、いつもお世話になっているお店からお願いしたいなと思っています。

飲食店はどこもこの状況で困っていることと思いますが、使わせていただくのであれば、少しでも力になりたいと思うお店を優先的に。お店の方の顔や、元気な接客の声が思い浮かぶお店を使おうと思いますよね。

飲食だけでなく、服を買うにも、美容室に行くにも同じですし、この先もし旅行に行けるとなったら、思い入れのある地に行ってみたいと思います。かつて尋ねた地で、思い出の店はどうなっているのか、出会った人は元気にしているのか、気になります。

こんなふうに考えていると、今、ビジネスに大切なのは、「人といかにつながるか」ということではないかなと思います。

■「相手の顔や声が思い浮かべられる」ところが選ばれる

先日、ビジネス系の内容で取材をしたときにも、同じような話になりました。今のビジネススはただモノを売るだけ、施設を使ってもらうだけではだめで、お客さんとどれくらい日常的につながれるかが重要だということです。

緊急事態宣言が出されている間、宿泊業や飲食業などはお客さんを施設やお店に呼ぶことができず、売り上げも大きく減ってしまいましたが、その中でもオンラインを使ってお客さんたちとつながるということを積極的にやってきたところが数多くありました。

そういう「つながり」を今しっかり作っておくことで、この事態が収束したときにすぐ来てもらえるかどうかが変わってくるわけです。他のところではなく、数ある中から自分のところを選んでもらえるような工夫は、本当に大切だと思います。

私も4月以降、「行きつけのお店がオンラインで飲み会やってくれないかな」「そうしたら常連さんたちと話せるのにな」なんて思っていました。もし店員さんや常連さんたちとたくさん話せていたら、「早く直接会いたい!」という気持ちがもっと高まったと思いますし、再開したときに常連さんたちと「この日に行こう」と約束をしたり、あるいは密集しないように「ある程度バラけて行こうよ」と決めたりもできたかなと思います。

そんな中で近況報告などLINEを頻繁に送ってくれるお店もあり、やっぱり真っ先に行くのはそのお店です。だって、こんなにやりとりしてきたのに、他のお店に先に行ったら申し訳ないですし……。

今はネット上に情報が溢れていて、近くの飲食店を調べてもズラリと情報が並びます。だから、ただ情報サイトに掲載するだけではお店を差別化することはできません。その一段階上を行くことが大切で、それはお客さんとどれだけコミュニケーションがとれるかなのかなと思います。

SNSを使えば、簡単に、お金をかけずに人とつながることができるわけですから、これを使わない手はありません。

私のようなフリーランスの仕事でも、ただブログをやっていますとか、ホームページがありますというだけではダメで、積極的に人とつながることをやっていかなくてはいけないなと思っています。

面白いことを発信しているライターはたくさんいますが、「この人とは普段からやりとりしてきて、信頼できるから」という理由で選んでもらえるようにならなければ、ですね。

■改めて、教育もコミュニケーションが重要!

これは教育でも同じだと思います。

学校にしても塾にしても、ただ「基礎的な知識を与えて、問題が解けるように解説をする」というだけなら、この休校期間にたくさんの企業が質の高い映像コンテンツをネット上で無償提供していますから、ネットが使える子にはそれを使ってもらえば済むことになります。

でも、学ぶことの面白さを伝えたり、子どもの「これは何だろう?」「どうして?」「もっと知りたい!」という小さな探求心の芽を見つけて一緒に深掘りしたり、といったことは、基本的にはコミュニケーションの中で生まれていくものです。

あるいは、教える人との関係性の中で「この人に励まされると前向きになれる」「この人にほめられたい」「この人に認められたい」とモチベートされることもあるでしょう。

この休校期間中、オンライン化が大幅に遅れてしまって、紙で課題を出して生徒は一人でそれをやるだけ、という状況になってしまった学校が多く見られました。そんな生徒たちの様子を見ていると、やはり孤独な努力を強いられてきたなと感じます。

「教育ってこれでいいんだっけ?」「ワークの問題が解ければOKなんだっけ?」そんなことをすごく考えてしまいました。

ようやく学校も再開の運びとなり、公立の学校でもリアルな授業と並行してオンライン化を進める動きが見られてきましたが、オンラインを使うにしても、一方通行ではなく双方公的にやりとりができる仕組みを取り入れてほしいなと願います。

(学校の先生たちは本当に大変だと思いますが、どうかお願いします!)


大西桃子
1980年生まれ。出版社2社、電子出版社1社の勤務を経て、2012年よりフリーのライター・編集者として活動。2014年より経済的に困難を抱える中学生を対象にした「無料塾」を立ち上げ、運営。

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