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「性格は変えられない」けど、働く上で行動を変えることはできる!

働き方改革が進められる今。みなさんの働き方には、何か変化が起こっているでしょうか? そもそも、どんなふうに改革されれば、みなさんはもっと豊かな働き方ができると思いますか?

このコーナーでは、「働き方」に関するさまざまな話題を取り上げて、「幸せな働き方って何だろう?」ということを考えていきたいと思っています。

■リーダーや高収入の人に共通する性格って?

先日、仕事で複数の人から面白い話を聞きました。人材研修をされている方や、コンサルタント、心理学・統計学で教鞭をとっている方と、業種はバラバラなのですが、たまたま同じような話が出てきたのです。

それが、人の性格によって、リーダーになる素質や収入が変わるという話です。

物事を即断即決するタイプや、誰とでも楽しく会話ができるノリのいい性格の人は圧倒的にリーダーになりやすいという話です。また、勤勉な性格であることも、収入に比例してくとのこと。

確かに、私が知っている、うまく組織の舵をとっているリーダーたちは、物事を決めるのが異様に早いか、誰とでも楽しい会話ができる人のどちらか、あるいは両方です。また、他人に対してオラオラ系のコミュニケーションをとる人や、やけに分析する時間が長く決め事が苦手な人がリーダーになった会社が、何社も沈没しているのも見てきました。

ちなみに私も、ザ・理系で職人タイプ、人付き合いは苦手という性格が社長のベンチャー企業に数ヶ月だけいたことがありますが、「理屈だけで金は動かない!」を実感しました。大きなお金が動くときには、だいたい「共感」とか「感動」「応援したい」という感情が入ってきます。ですから、外交的な性格であることはかなり重要なのだと思います。

若手で組織の中でいろいろ抜擢されて活躍している人たちを見ていると、リーダーのポジションについている人以外では、とにかく勤勉な性格です。物事を理論立てて考えたり、新しい知識や情報を得たりということを怠らないような人たちです。

彼らはたぶん、リーダーというポジションにはつきにくいと思いますが、リーダーポジションの人から重宝されることは間違いありません。リーダーたちがもっている性格のデメリットの部分を補えるからです。彼らは高収入を得るような人たちに必要とされて、自然と、高収入になるというわけです。

といっても、「性格なんてそう簡単に変えられないしな〜」と思ってしまいますよね。

でも、こういう話をしてくださったみなさんが共通しておっしゃっていたのが、「もともとの性格は変えられなくても、環境や役割によって性質を変えることができる」「マインドを変えてトレーニングをすることで、身につく性質もある」ということでした。

■自分の行動は案外簡単に変わっていく

この、「性格は変えられなくても、環境や役割、意識によって性質を変えられる」というのは、私もとても実感しているところです。

たとえば、上司やリーダー役がいるチームで自分がひとりのメンバーとして動いている場合と、自分がリーダーになった場合とでは、見えるものが全然違ってきます。

ひとりのメンバーであれば、自分に与えられた仕事をこなしたり、そのために最低限のコミュニケーションをとったりということだけを考えていればよく、その中では自分を変える必要はあまり感じずにいられました。合わない人がいたら、コミュニケーションを避けていてもあまり問題は起こりませんでした。

ただ、仕事上で旗振り役をやることになったり、自分で無料塾を立ち上げたりする中で、それだけでは物事が回っていかないことに気がついていきます。

自分がリーダーの場合、私の判断をみんなが待っています。このときに、「理論上こう判断すれば、こういう成果が出るよね」ということだけでは、物事を決められません。そう判断したときにメンバーがどのように感じるか、今後このチームを動かしていくにあたってマイナスになることはないか。そんなふうに、目先のメリットだけを考えて判断はできなくなります。

私はもともと「とりあえずやってみよう!」「考えるより行動が先!」という性格なのですが、これではメンバーがついてこない場合も出てきてしまいます。

そこで、もう少し慎重に、細かい部分まで想像して物事を判断する力が必要になってくるわけです。自分とは合わないタイプの人がいたとしても、そういう人たちの意見を取り入れることが面白い化学反応を起こして、物事の推進力になっていくこともあります。

私にとって「慎重に動く」「細かく先々までを考える」というのはとても苦手なことなのですが、やらざるを得ず、やっている間に少しずつ意識できるようにはなってきたと思います。

また、私は「何でも一人でやってしまいたい」性格で、人に任せるということが苦手です。これは、だいぶ解消されてきました。人に回さずに自分だけで抱え込むことのデメリットも嫌というほど味わいましたし、逆に他人に任せれば任せるほど、チームの一体感が出てくることや、組織が強くなるということも感じました。

この「人に任せていく」ということは、無料塾の初期メンバーからかなり何度も言われてきたことで、その中で意識して動いてきた結果、もう苦手意識はなくなってきています。

こうやって、役割が人を変えていくことや、意識することで自分になかった性質を手に入れたり、苦手な行動ができるようになったりすることは絶対にあるわけです。しかも、1〜2年もあればしっかり変わることができます。

だから、「自分はリーダーには向いていない」「リーダーをサポートする役も難しいかな」と考えている人も、もし望むのであれば、変わることはできるはずです。また、リーダーになるかならないか、収入アップするかどうかに関わらず、自分自身が変わっていく体験というのは、結構面白いものです。新たな武器を手に入れたという気にもなります。

もし、「こうなりたい」「こういう性質をもち合わせたい」と思うことがあるなら、意識して行動すればいいだけ。ぜひ試してみてください。


大西桃子
1980年生まれ。出版社2社、電子出版社1社の勤務を経て、2012年よりフリーのライター・編集者として活動。2014年より経済的に困難を抱える中学生を対象にした「無料塾」を立ち上げ、運営。

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