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マジメにやってる私がバカみたい

こんにちは。「元気な心と体のあなた」のプロデューサー武衛鮎(ぶえあゆ)です。この連載では、毎回日常の中でどうしてもイライラしてしまうような具体的な事例を1つ取り上げて、それを「体を整える」ことから解消していく方法をご紹介します。事例として取り上げるのは、コンテンツ制作チーム「未来の仕事屋」さんのお仕事小説『生活残業クロニクル』の主人公木田有希ちゃんのイライラです。

※この連載は1回ごとの読み切りです。また『生活残業クロニクル』本編をお読みいただいていない方にも内容がわかるようになっています。

この連載で解説している「イライラ解消」の基本となる考え方については、下記の基本の記事「なぜイライラするの?」で解説しています。

今回取り上げるイライラの元凶は、有希ちゃんの「マジメにやってる私がバカみたい」という気持ちです。それでは詳しく見ていきましょう。


●イライラが生まれる背景

この物語の主人公有希ちゃんは、「時給で働く」という働き方をしていて、日々、同僚たちの「生活残業」に悩まされています。「生活残業」というのは、生活費目当てでわざとダラダラと働いて残業代稼ぎをすることを言います。仕事をテキパキとこなして効率よく働く有希ちゃんよりも、昼間はダラダラと働いて、定時が過ぎたら忙しそうに残業していく同僚たちのほうが、給料が高くなってしまう……有希ちゃんはそのことに強い不公平感を抱きます。

はじめは有希ちゃんも、同僚たちの「生活残業」に気づきませんでした。しかし、途中から「わざとやっているんじゃないか?」「ズルしてるんじゃないか?」と気づき始めて、次第に「マジメにやってる私がバカみたい」と感じるようになっていくのです。

有希ちゃんと同じ環境、同じ状況に置かれていなくても、なんとなくこの気持ちを理解できる方は多いのではないでしょうか?

(ご興味のある方は本編をご覧ください)


●リラックスした状態が持続しない

私はこれまで、鍼灸師としてたくさんのクライアントさんの体を診てきましたが、そんなクライアントさんたちがよく口にするのが「美味しいものを食べたり旅行したり趣味に時間を使ったり、自分の好きなことをしているときはいいんだけどねぇ」という言葉です。

体に何かトラブルや悩みを抱えて、マッサージや鍼灸などのメンテナンスを受ける場面で、多くの方が感じる不満は「持続しないこと」ではないでしょうか?

旅行や趣味に時間を使うこと、マッサージや鍼灸を受けることで、その瞬間はリラックスできたり体が軽くなったり、とても気持ちいいのに、普段の生活に戻るとまたすぐに元に戻ってしまう。少しでも日常に戻ったときのストレスを減らして、リラックスした状態を持続させたいと思っている方は多いと思います。

ではこのリラックスした状態は、どうすれば持続することができるのでしょうか?


●自分をしっかりと観察する

ここで、有希ちゃんの心の中で起こっていることを丁寧に見ていきましょう。

周り(同僚たち)を見て自分をバカみたいだと思っているというのは、「自分のやっていることと人がやっていることに差分を感じている」ということです。そしてそれによって「自分は正当な評価を得ていないんじゃないか?」という疑問が心の中にわいてしまう、この怒りに似た感情が「イライラ」になっていくのです。

このような場面に遭遇したとき、まずやらなければいけないことは「自分をしっかりと観察する」ことです。

どんな感情を抱いているだろう?
どんな行動に出ているだろう?

と、自分自身の心の中にあるものと、それによって体がどう動いているか(行動しているか)を丁寧に考えることです。具体的に紙に書き出してみる、というような方法をとってみてもいいでしょう。

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●観察によって生まれる変化

自分自身をしっかりと観察し、「認識」や「把握」ができることは、実は皆さんが考えている以上に重要で大きな力をもっています。観察をした時点で、体には変化が現れます。そして、冒頭にご紹介した基本の記事で説明したように、心と体はつながっています。体に変化が現れるということは、それによって心(感情)にも変化が現れます。

例えば、こんな経験をされたことはないでしょうか? 何かをふいに目にしたり、周りの人に何かを言われたときに「ハッ!」と何かに気づいた瞬間、気持ちが大きく揺れ動くということがあります。「気づき」によって一瞬で感情が大きく変わることはよくあることです。

この「気づき」を、自分をしっかりと観察することで、生み出すことができるんです。「私はこう思ってるんだ、こう考えてるんだ」とか、それによって「私はこんな行動をとっているんだ」ということが、客観的に冷静に見られるようになるからです。

これが、基本の記事の冒頭で説明した「層で観る」ということにつながっています。層で観ることができるようになると、より自分にフィットした静かな場所を見つけることができます。そして、イライラは解消していくことができるというわけです。

例えば、お腹がすいたときにイライラしたり、体調が悪いときに憂鬱になったり、体調によって感情が生まれることは、日常的によくありますよね。体調と感情はつながっているんです。つながっているからこそ、まずはひと呼吸置いて「観察する」ことが大切です。とても簡単なことですが、この「間」があることで反射的な感情の浮き上がりが弱くなり、リアリティをもって自分の状態に気づけるようになります。

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「観察する」ことで、心や体のサインを自分ですくい上げることができるようになりましょう。


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【基本の記事】なぜイライラするの?
ズルしてる人が許せない


武衛鮎
鍼灸按摩マッサージ指圧師・コーチングコンサルティング/インド政府機関BSS認定パンチャカルマセラピスト取得/アロマセラピスト/個人・アスリート・企業向けヨガインストラクター/『元気な心と体のあなた』をプロデュースする情報を発信しています。
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