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百合子さんの「口紅忘れました」に思ったこと

働き方改革が進められる今。みなさんの働き方には、何か変化が起こっているでしょうか? そもそも、どんなふうに改革されれば、みなさんはもっと豊かな働き方ができると思いますか?

このコーナーでは、「働き方」に関するさまざまな話題を取り上げて、「幸せな働き方って何だろう?」ということを考えていきたいと思っています。

■リーダー像は見た目でも補強されていく

春から新型コロナウイルスへの対応に追われ続けている各都道府県知事たち。中でも感染拡大が続いている東京都では、小池百合子知事が毎日のように会見を開いています。

その中で、少し気になることが……。5月末の会見での小池都知事のこの言葉。

「あれっ……、私、口紅忘れてる?」

7月末の会見でも、冒頭から

「口紅をしてくるのを忘れました。すみません」

という言葉がありました。

都知事の会見に口紅が必要不可欠かというと別に必要ではないので、当然ながらネットでは批判的な声が多く上がったのですが、私は小池都知事の姿勢の中で「ばっちりメイクをする」ということだけはすごいなと日々思っておりました。

この事態でメイクなんてしている余裕があるのかという批判もわかるのですが、メイクをしなければ政策がよくなるわけでもないので、とりあえず「見た目に気を遣う」ということの重要性を、百合子さんを見ていると考えさせられるのです。

こうした緊急事態において、対応にあたる大臣や自治体の長たちの見た目というのはしばしば注目をされてきました。

今回なら大阪府の吉村洋文知事は毎回着ている大阪万博のロゴ入り作業衣ジャンパーも、好感度を上げるひとつの要因となっているようです。

東日本大震災のときには、目の下にクマを作ってやつれていきながらも日々情報を発信し続けた当時の枝野幸男内閣官房長官に対して、Twitter上では「#枝野寝ろ」というハッシュタグが多く使われました。あの疲れた顔で懸命に説明をする枝野さんの姿には、やはり心打たれるものがありました。

そして小池知事も、毎日バチッと決まったメイク、特にしっかりしたアイラインや下まつげまで塗り込んだマスカラで強調された目元から、何やら「どんなことが起きても揺るがない強さ」を感じさせるのです。

今挙げたどなたの場合も政策や会見での発言内容についてはまあ言いたいことはあれども、あの見た目から「頼もしさ」や「信頼感」を感じるという人も多いのではないでしょうか。

■仕事でのメリットを考えて見た目を変えられれば強い

枝野さんの疲弊した姿は作ろうとして作れるものではなかったと思いますが、とにかく、こうした政治家たちの様子からも、見た目を意識することの大切さを改めて考えさせられている今日この頃。

私は今まで「できるだけラクな服であること」を重視して、あまり人からどう見られるかを気にせずに服を着てきました。メイクも5分で済ませていますし、小池知事のように口紅を引くということは5年に1度あるかないかくらいです。

でも、もう少し気にする必要があるのではないかとじわじわ考えるようになってきてはいます(考えるだけで実行には移していませんが……)。

例えば、おしゃれなファッション雑誌でデザイナーさんを選ぶときに、寝起きでそのまま来たようなダサい服装の人と、流行かつ似合うかっこいいファッションの人とがいたら、後者を選びたくなるような気がします(実際には過去の仕事例を見せていただいたりして決めるのですが)。

資産運用とかローンを組むとかお金の相談をするときには、髪の毛がボサボサでノーメイクの女性や、派手な色の髪にギャルメイクの女性よりも、しっかりまとめた髪にナチュラルだけどキリリとしたメイクをした女性のほうが、安心して相談できる気もします。

落語や書道、俳句をやっている人だと、ジーンズにTシャツ姿よりも、和服を着ているほうが名人のように見えます。

最近は、職場でのスーツにネクタイ、あるいは女性のハイヒールなどが義務づけられていることに批判する声も上がるようになってきています。私も、明確な理由もなく押しつけられるルールは嫌ですし、「おかしいのでは?」と主張をできる社会になってきたことはいいことだと思っています。スーツの暑さや動きにくさ、ハイヒールを履くときの足の痛みはわかるので、それによって仕事や健康に支障が出ることはナンセンスだとも思います。

一方で、「どう見られたらメリットがあるか」を意識して、自分の姿を仕事に有利な方向に作っていくことができれば、強いなとも思うのです。

百合子さんのようなメイクをする自信はありませんが、私も社会問題を扱うような取材のときにはキリッとした服装やメイクにしてハイヒールを履いたり、ファッション系の取材のときには流行の服を選んだりすることで、取材での会話の弾み方も違ってくるのかもしれないなと思います。

ちなみに、子どもたちを相手にする無料塾では、大人の女性といった格好よりも、ラクで動きやすい格好のほうがコミュニケーションがとりやすくなるのではないかなと思っているので、いつもどおりでいきます。

そういえば、「未来の仕事屋」の編集Kさんはハイヒールを履く練習をしていたと思うのですが、その後どうなったでしょうか。

みなさんは、仕事の戦略として見た目で意識していることはありますか? 参考にしたいので、ぜひコメントお待ちしております!


大西桃子
1980年生まれ。出版社2社、電子出版社1社の勤務を経て、2012年よりフリーのライター・編集者として活動。2014年より経済的に困難を抱える中学生を対象にした「無料塾」を立ち上げ、運営。

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