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なかくきくみこさんの働き方

こんにちは「未来の仕事屋」です。このマガジンでは、「時給で働く」以外のさまざまな働き方を選んでいる方に、その働き方を選んだ経緯や、働く上で大切にしていることなどを伺っています。毎回、共通の5つの質問を通して「じぶんらしい働き方」とは何か?について考えていきます。

今回は「カフェ専門ライター」のなかくきくみこさんにお話を伺いました。

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フリーランスで「カフェ専門」のライターとして活動されているなかくきさん。具体的にはどのようなお仕事をされているのでしょうか?

なかくきさん:そうですね、具体的には、出版社やメディア、編集プロダクションなどのクライアントから依頼を受け、書籍やWEBサイトなどでカフェに関する記事の取材と執筆をしています。

自分の得意分野に特化した形で、ライターというお仕事をフリーランスでできるということは、「カフェ」という1つの分野でかなり長年経験を積まれた、ということなのでしょうか?

なかくきさん:新卒で入社した会社は転職斡旋会社(現リクルートキャリア)で、営業職として働いていました。その後、ベンチャー企業でキャリアカウンセリング業務に従事していました。1社目は給料制、2社目は時給制で働いていました。

なるほど!幅広くいろいろな経験をされた上で、今の働き方にいたっている、ということなんですね。しかも「給料制」「時給制」の両方の働き方を社会人になってから経験されていらっしゃるということなので、さらにそのあたりのお話を詳しくお伺いしたいな、と思いました。


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2社目で「時給」という働き方を選んでいらっしゃったなかくきさんが、フリーランスになろうと思った理由は、なんだったのでしょうか?

なかくきさん:30代半ばで業界も職種も未経験の世界に飛び込んだことと、病気の療養や妊娠出産で社会から離れていた期間が長かったため、そもそもどこかの企業に入社するのは難しいと考えて、フリーランスになることを選択しました。また「カフェ業界にかかわりたいけれど、どんな仕事があるのかわからない」と思っていたのもフリーランスを選んだ理由です(カフェオーナーを仕事にすることは自分の適性とは異なるのでまったく考えていませんでした)。現在、小学生の子どもを育てているのですが、人や会社に合わせたり気を遣ったりせずに、働く時間や仕事量を調節できることもフリーランスの魅力だと考えています。

さまざまなご事情もあり、フリーランスという働き方を選んだなかくきさんも、最初は小さな仕事を積み重ねることからコツコツと積み上げていったそうです。

なかくきさん:「カフェを数多くまわっていれば、何か自分にできる仕事が見つかるかもしれない」と思い、まずは100軒・200軒を目指してカフェ巡りをしていました。そのうちに「カフェを紹介する仕事ならできるかもしれない」と気づき、クラウドソーシングでライティングの仕事を探してやり始めました。当初は1記事500円程度のギャランティでしたが、いろんな媒体で実績を積むことで少しずつメディア側から執筆の依頼をいただくようになりました。

「カフェ専門ライター」という仕事を成立させるために、なかくきさんはフリーランスになってからかなりの努力をされたのだろうな、ということがお話を伺っていてとてもよくわかりました。ただ、2社目で選択していた「時給」という働き方については、不満はなかったそうなんです。

なかくきさん:時給や給料制で働いていたときも、フリーランスになった今も、仕事に対するスタンスや価値観はあまり変わりがありません。ただ時給で働いていたときは、仕事を始めたときの時給額から自分のアウトプットに見合う額に引き上げてもらう交渉をするなどし、納得感の高い環境で働かせてもらっていたのも、あまり不満を持たなかった理由かなと思います。

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時給制、給料制、フリーランスと、さまざまな働き方を経験する中で「仕事に対するスタンスや価値観はあまり変わらない」というなかくきさんですが、実際に仕事で得られるお金については、どのようなお考えをおもちなのでしょうか?

なかくきさん:給料制で働いていた頃と比べると、収入は格段に減っています。子どももいるし貯蓄もしたいので収入も多ければいいなと思いますが、今はライターとしての技術をしっかりと身につけたいので、収入はあえて気にしないようにしています。

収入を気にせず仕事をしたいと思っている方は多いと思いますが、実際になかなか難しいことですよね? なかくきさんは、どのようにそのあたりの気持ちに折り合いをつけていらっしゃるのでしょうか?

なかくきさん:今の仕事にやりがいや未来、自由度に魅力を感じていることも、収入があまり気にならない理由です。やり方次第では収入をアップさせていける可能性があるのもフリーランスのいいところかなと思います。

なるほど、逆にその部分を「フリーランスの魅力」と考えている、ということなんですね。


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さまざまな働き方を経験された上で、フリーランスという立場を現在は選んでいるなかくきさんですが、将来に対する不安などはあるのか、お話を伺いました。

なかくきさん:技術をしっかり身につけ、目の前に起きることに柔軟に対応していけば、なんとかなっていくものなのではないかと考えていて、大きな不安は感じていません。目先の収入のことを考えると時々不安になることもありますが、むやみに怖れずにコツコツ積み上げることをできるだけ念頭においています。

「将来に対する不安」を強くもっている方は多いと思いますし私自身とてもよく理解できるのですが、逆に「目先のことに不安になることがある」というなかくきさんの言葉を聞いて、なかくきさんは今自分の目の前にあるものをとても大切にされているのだな、と感じました。将来のことばかり考えていると、「今」目の前にあることに向き合えなくなることがあります。でも「今」を大切にするって、とても重要なことですよね。

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最後に、なかくきさんが働く上で一番大切にしていることについて伺いました。

なかくきさん:サラリーマンとして働いていた頃は、「大企業の社長になりたい」とか「社会的なインパクトのある仕事をしたい」と思っていて、自分の評価を上げることばかりを気にしていましたが、今大切にしているのは「人から信頼されること」です。私が信頼してもらいたい相手は、クライアントとカフェ(オーナー)と読者。企業に勤めていれば会社のブランドや実績が信頼に結びつくこともありますが、フリーランスは自分ひとりのブランドで仕事をさせてもらうので、より信頼が大事になるのではないかと感じています。

信頼が一番大事というなかくきさんが、具体的に信頼を得るためにやっていることについても、お話ししてくださいました。

なかくきさん:カフェ業界の最新情報を集めたり、締め切りを守ったり、店舗に対してメディアのブランドを傷つけないような丁寧な対応をするなどして、クライアントから信頼してもらえれば、また仕事を依頼したいと思ってもらえるのではないかと思いますし、実際に新しい仕事の依頼をもらうこともあります。カフェを取材した際はオーナーが読者に伝えたいことをヒアリングして記事にしたいと思いますし、お店の良さを誇大に書かないことで読者の方に信頼してもらいたいとも思っています。

なかくきさんは、将来的にはライターの仕事にとどまらず、もっとカフェに深く関われる仕事がしたいと考えていらっしゃるそうです。その際にも、絶対に信頼は重要になると。

なかくきさん:いつか「カフェといえばなかくきさん」と多くの方に言っていただけるようになるためにも、信頼を大切にしていけたらと思っています。

なかくきさんのお話を伺っていて、「カフェといえばなかくきさん」という将来は、そんなに遠くないのではないかなと思えました。今目の前にあるものに、丁寧にコツコツと向き合うことがとても大切だと、改めて勉強させていただきました。これからますますご活躍されることを期待したいと思います。

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