【登場人物】

谷崎 涼真/25歳
カフェでバイトをしている。
いつか、自分で店をオープンするために修行中。　　
　　　　　
嶋田 樹(いつき)/20歳
大学生。両親は有名な俳優。
幼い頃から世話係に育てられ、親の愛情を知らない。
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樹：
『…あんたには、わかんないよな。僕の気持ちなんか…』

涼真：
『え？』

樹：
『…わかるはず、ない』

涼真：
『そりゃ、そうだ。わかるわけ、ないさ。』

樹：
『…』

涼真：
『（ふと、腕時計を見て）あ、もう、こんな時間か。外も暗くなって来たし…まだ、雨降ってたんだな…俺はもう帰るよ。』

樹：
『…』

涼真：
『色々…辛いこととかあるかもしんないけどさ、そのうち、いいこともあるよ、きっと。
…怪我治ったら、コーヒーでも飲みに来いよ。駅前の《りべるて》ってカフェ。来てくれたら、快気祝いに、奢ってやるからさ。』

樹：
『…』

涼真：
『じゃあな。』

涼真、病室を出て行く

樹：
『…リベルテ…フランス語で、自由、か。』

涼真：
芸能人の一人息子…か…
生まれた時から注目されて、プライバシーも何もあったもんじゃない…
俺たち一般人には想像もつかない悩みがあって当然だよな…
…それにしても、綺麗な顔してたな、あいつ。男とは思えない…

色白で華奢な身体つき…女みたいだ…