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『ブルーマウンテン』 最終回 《ふたつの魂》vol.22

【登場人物】
谷崎 涼真/25歳
カフェでバイトをしている。
いつか、自分で店をオープンするために修行中。
       
嶋田 樹(いつき)/20歳
大学生。両親は有名な俳優。
幼い頃から世話係に育てられ、親の愛情を知ら
ない。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

涼真:
今回の一件で、樹の母親の取った行動やそれ以外のことにも、父親が責任を感じ入院費用全額と、樹の独立資金まで出してくれた。

実家の父は、認知症が進み、姉と相談した結果、自宅近くの海が見える施設に入居することになった。
これまで、父親の面倒を見てくれた姉は、親戚の紹介してくれた男性とお見合いをして、なかなかいい感じになったみたいだ…

樹:
『いただきまーす!もぐもぐ…うわー、このカレー、めっちゃスパイシーで美味しいね』

涼真:
『お、辛くなかったか?意外と舌は大人なんだな』

樹:
『もー、子ども扱いしないでよ!僕ももう20歳なんだから。立派な大人だよ』

涼真:
『あれ、そうだったっけ?まだ10代だと思ってたよ』

樹:
『涼真さんまで、ボケちゃったの? …あ、ごめんなさい。僕、酷いこと…』

涼真:
『あ、親父のことか…気にすんな。確かに、俺もボケちまう可能性、ないとは言えないからな…』

樹:
『もし、涼真さんがボケたら、僕が面倒見るから大丈夫‼️』

涼真:
『おー、すまないのう、樹。』

樹:
『涼真じいちゃん、食後に珈琲など、いかが?』

そう言いながら、樹はキッチンへと向かう。

涼真:
『お願いするよ…お、樹、おまえ手際、良くなったな』

樹:
『涼真さんの見よう見まねで、ここ何日か毎日、練習してたんだよ』

涼真:
『そうだったのか…』

樹、涼真の前に珈琲を置く。

樹:
『さあ、どうぞ』

涼真:
『ありがとう。…この香りは』

樹:
『お姉さんに聞いたんだ。涼真さんの好きな珈琲…お父さんとお母さんが好きだった、ブルーマウンテン。』

涼真:
『樹…』

樹:
『…これからは、毎朝、僕が、ブルーマウンテンを淹れてあげるよ。涼真さんだけのために』

涼真:
『樹、(樹にキスする)よろしくな』

樹:
『ブルーマウンテン…美味しいね。』

                            …end


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