カツラギ キエ

ライター。'92生→'15東大文学部(社会学)卒。平日昼は体育会系…

カツラギ キエ

ライター。'92生→'15東大文学部(社会学)卒。平日昼は体育会系企業のギラギラサラリーマン。平日夜や休日は、YouTuberについてのエモめなエッセイや、世代間ギャップ、ジェンダーバイアスについての意見を書きます。

最近の記事

  • 固定された記事

ライター/コラムニスト 桂木きえの自己紹介

※2021年3月現在 プライベートな事情で新しくお仕事をいただくことを控えております。これまでの記事をお楽しみいただければ幸いです! はじめまして、桂木きえ(カツラギ キエ)と申します。 コラムニストとしての自己紹介noteをまとめます。経歴とプロフィール、これまで書いた記事を掲載させていただきます。 桂木きえのプロフィールYouTubeコラムニスト。1992年東京生。2015年に東京大学文学部卒業後、日系メーカーで会社員として働く傍ら、コラムを執筆。主なテーマはYou

    • 水溜りボンドの毎日投稿6年間を振り返る【最大級のありがとう】

      「はいどうも~水溜りボンドですお願いしま~す、ね、毎日動画頑張っていきましょう」 「頑張っていきましょう」 「トミーです」 「カンタです」 「お願いしま~す」 この挨拶を聴くのが日々のルーティンでなくなるときが近いと思うと一抹の寂しさに襲われるのは、一部のYouTubeファンにとっては当然のことだ。 2015年1月1日からちょうど6年間。YouTuber水溜りボンドの2人はいっときも休まず走り続けた。はじめしゃちょー、Fischer's、スカイピース…2人と一緒に走ってき

      • 世界一寛容な夫に引かれる「オンライン会議コーデ」

        私の夫がいかに寛容かを説明する世の中の全・妻に申し訳ないが、私の夫は世界一寛容だ。(私調べ) 私の夫が世界一寛容なことを裏付ける証拠として、夫の意味のわからない発言の数々が挙げられる。その中で2つだけ例を挙げたい。 世界一寛容な夫の名言1.「こんな部屋に住んでるきえちゃんがかわいそう」 私の辞書に「片づける」という言葉はない。いや別に掲載しなかったわけではなく、何度掲載してもインクがすれて消えていってしまうのだ。なんとかオシャレな言い方をしてみたが、つまるところ片づけら

        • こんな時こそ、アラサーOLがうんこを漏らした話をさせてほしい

          ※注意※ この投稿には、タイトル通り「うんこ」という言葉とうんこにまつわる話がこれでもかというくらい出てきます。たぶん、長いインターネット史のなかで日本で公開されたブログ記事やnote記事の中でも上位を争うレベルで出てきます。苦手な方は閲覧をお控えください。 長い前置き大規模イベントが続々と中止し、あらゆる企業が在宅勤務推奨を開始。新型コロナウィルスの猛威によって、感染者だけではなく、イベントの主催者や企業の収益にも大打撃が発生している。政府のスピード感のなさに悶々とすれ

        • 固定された記事

        ライター/コラムニスト 桂木きえの自己紹介

          2020年になったって、HIKAKINをバカにする人は変わらない

          『踊る!さんま御殿!!』『逃走中』『ダウンタウンなう』… YouTuberのHIKAKINが出演してきたテレビ番組は、パッと思いつくだけでも歴々の人気番組だ。2019年のHIKAKINは、これ以外にも多くの番組に出演していた。『ヒルナンデス』の「小中高生が選ぶ令和元年に活躍した有名人ランキング」では米津玄師を抑えて3位にランクインした。ここでわざわざ語るのもバカらしいくらい、子供たちのスーパースターだ。 マスメディアへの露出がこれだけ増えた。彼が始めた令和時代は、YouT

          2020年になったって、HIKAKINをバカにする人は変わらない

          「タピオカブームももう終わるな」と言う人は一生タピオカを買わないし、タピオカを売れない

          安西くんという友達がいて、彼はタピオカのことをなぜかすごく嫌悪している。 「マスメディアがタピオカって言い始めたから、タピオカブームももう終わるな」 「陰キャのオタクがタピオカについて言及し始めたぞ。タピオカブームもそろそろ終わりかな」 安西くんはこの前ツイッターでそう呟いていた。 いやお前誰やねん。 お前はタピオカのなんなん。 陰キャのオタクに親でも殺されたんか。 安西くんは、よく、雑居ビルの4Fあたりのベランダから祭りを眺めたかのような発言をする。20秒ほどその祭

          「タピオカブームももう終わるな」と言う人は一生タピオカを買わないし、タピオカを売れない

          カラオケでORANGE RANGEを歌う令和生まれに出会いたくない

          「ORANGE RANGEって、もはやTUBEっすよね」 2016年のロックインジャパンで偶然会った大学の後輩が、しみじみとそんなことを言っていた。2019年になった今でも、ここ10年で聞いた言葉の中で5本の指のうちの小指くらいには入る名言として私の中に残っている。 「まあそんな感じでね、お分かりの通り、僕ら一年中夏やってるわけですけどもね」 そのロッキンで、ORANGE RANGEのボーカルHIROKIは自虐ネタとしてそんなことを言っていた。バカ受けしていた。 ――

          カラオケでORANGE RANGEを歌う令和生まれに出会いたくない

          Tシャツのわたしと、ピンクの浴衣の後ろ姿と

          街なかで、浴衣を着た女性が歩いているのをちらほら見かける。そうか、今日は花火大会か、と目を細める。 手をつないで歩くカップル、軽口を叩きあってにこにこ楽しそうな学生らしき数人のグループ、真顔をなんとか維持しているけど、たぶん待ち合わせのLINEをしているであろうスマホの画面を見てちょっと口角が上がっちゃってる女の子。 浴衣を着た人たちがそれぞれに非日常なハッピーを噛みしめている横で、私はひとり、あの苦い夜を思い出す。 ピンクの浴衣の後ろ姿。 20歳になって初めての夏で

          Tシャツのわたしと、ピンクの浴衣の後ろ姿と

          レペゼン地球にちゃんと怒る

          こうしてnoteのページを開いて新規テキストを書くだけで、彼らや彼女やファンの間では、「DJ社長の手の平の上で転がっている」ことになるのかもしれない。 そんなことどうでもいい。 私は、「ネットに湧いているフェミ」でも「騒いでるアンチ」でもない。私は私だ。1人の人間として、ちゃんと怒る。ちゃんと声に出して怒る。別に、あなた方の手の平の上で転がっているつもりはない。地面の上で、地を踏みしめて、ちゃんと怒っている。 ジャスミンという新人シンガーが、YouTuberレペゼン地球

          レペゼン地球にちゃんと怒る

          夫がパオパオチャンネルに泣いている―アラサーのモラトリアム

          クリエイター・踊り手の「@小豆」が先日、YouTubeの個人チャンネルに「踊ってみた」動画をアップしていた。 それを見て、夫が突然泣き出した。 「あーずーかわいいよ…泣けてきた…」 わけがわからん。 確かにあーずー(@小豆の愛称)はかわいいし、私もあーずーのことは大好きだし、ソロ動画を上げてくれたことはめちゃくちゃに嬉しかったけど、泣くまでではない。 隣の夫を見てみると、普通に泣いている。 涙ぐんでるとかのレベルではない。普通に涙を流してぬぐっていた。 口あんぐり状態になり

          夫がパオパオチャンネルに泣いている―アラサーのモラトリアム

          世界への殺意を失うことを、時代の終わりに恐怖して

          7年前、20歳。私は世界に殺意を抱いていた。遅れてきた思春期だ。 自分よりも優れているもの、美しいもの、強いものへの激しい憎しみと、 自分よりも劣っているもの、美しくないもの、弱いものへの嘲笑と、嘲る自分への嫌悪。 ひとつめもふたつめも苦しくて、痛くて、つらくて、もうすべて無くなってしまえばいいのにと思っていた。 全員死ね、と、毎晩思って苦しんだ。 現在、26歳。私は世界を愛している。 空が青くて美しい。春の空気が澄んでいて草の匂いが美しい。 部屋の窓から太陽の明かりが差

          世界への殺意を失うことを、時代の終わりに恐怖して

          スーパースターになったって、彼らは今日も、スマホの中でバカをやる。

          ===== ※19.4.17 ハフポストに転載いただいた当記事を、水溜りボンドのカンタさん本人が読んでくださり、ツイートしてくれました。 ===== Youtuber「水溜りボンド」のファンになったのは、2016年夏頃のことである。 2015年に新卒として大企業に入社した。初期配属でゆかりのない地方都市の営業所に転勤になった。 東京生まれ・東京育ち、23年間実家を出たことのない世間知らずの小娘だった私にとって、親類も友人もゼロの土地で、3年間の転勤独り暮らし生活は、た

          スーパースターになったって、彼らは今日も、スマホの中でバカをやる。

          「こんなに嵐ファンだったんだよ」って自慢したいほど輝く青春を、5人がくれた

          あの夜、私はうたばんを観ながら一生懸命『WISH』の踊りを練習して、 あの放課後、私は教室の後ろのほうで、昨日発売されたばかりの『きっと大丈夫』を踊って、 あの朝、私は『LIFE』とか、『Still...』とか、爽やかなカップリング・アルバム曲を聴いて涙を流した。 10年前の記憶のたくさんの断片に、嵐の曲は、存在は、こすってもこすっても消えないくらいこびりついている。 中学生の私は、アルバム『5×5』が大好きだった。 「PIKA☆NCHI」、「とまどいながら」、「ナイスな

          「こんなに嵐ファンだったんだよ」って自慢したいほど輝く青春を、5人がくれた

          『いだてん』批判と、ピンクのスリッパを履きたい男の子

          Twitterで『いだてん』と検索すると、二語目に「つまらない」がサジェストされる。 今年の大河ドラマ、面白いはずなのになぜ?とその語で検索ボタンをクリックしてみると、「キャストが多すぎて」「展開が早すぎて」ついていけない、だからつまらない。 そういうコメントが多かった。 バラエティ豊かなキャラクターとそれを彩るスターキャストたち。 目まぐるしい速さで進んでいく飽きさせないストーリー展開。 まさに「クドカンならでは」の情報量の多さには、個人的にはかなりポジティブな感覚を持

          『いだてん』批判と、ピンクのスリッパを履きたい男の子