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『テンセイのヒジュツ』振り返りの記述

●はじめに

先日、ゲームを公開しました。錬金術RPG『テンセイのヒジュツ』、無料です。

本作を作るにあたって、影響を受けたあれこれや、苦労したあれこれ、裏話的なあれこれなど、記憶が残っているうちに、書いて残しておきたいなあと思ったので、ここに書いて残します。

作中で作者の部屋を入れられたら良かったんですけど、入れる余地というか、タイミングを見失っちゃって…。少々長くなるかも知れませんが、まあどうぞよろしくお付き合いください。

あ、ネタバレはもちろん遠慮しません。未プレイの方はプレイしてから戻ってきてください。

●狂気を決定づけた一言

『テンセイのヒジュツ』が生まれる、最初のきっかけとなったのは、ドラクエ8でした。あの作品における錬金システムは、いくつかの素材を特定の組み合わせで錬金釜にぶち込めばハイ完成という、とてもシンプルなものです。

↑こんなの。

錬金術となれば言及しないわけにはいかないアトリエシリーズですが、

これの錬金術システムにみられるような、多岐にわたって考える要素があるような"深さ"は、ドラクエ8の錬金術には全くありません。

しかし、悪く言えば"浅い"、極めてシンプルでフレーバーに過ぎないような錬金術でありながら、作っててなんか楽しいというか、嬉しさを覚えるんですよね。

秘訣がどこにあるかはわからないけど、このシンプルなシステムなら、ツクールで真似するのも簡単そう…そう思えました。まあ実際は茨の道だったわけですが、それについては後ほど。

さて、では錬金術をテーマにして、どう味付けしようかと妄想するターンです。妄想しているときが一番楽しいです。楽しいとついつい独り言がツイッターにこぼれます。

「錬金術のゲームでどう味付けしよう」

すると友人Kからリプライが飛んできました。

「SAN値振らせようぜ」

これこそが、本作のヤバさを決定づける、最大の元凶でした。言うなれば、このセリフを錬金素材として、狂気に彩られた錬金術RPGを錬成してしまったわけです。

SAN値と言えば狂気。
錬金術で狂気と言えば人体錬成。
SAN値を振る状況を考えていくと、人体錬成で作ろうとした人体が人体じゃなかったら、おぞましいですよね、はいSAN値チェックです。
ではどういう人体を作らせましょうかね、やっぱり死んだ肉親ですかね。
ところで自分は姉に憧れがあるので、じゃあ姉作ろうか。
作った人体が姉に近ければSAN値削れないけど、姉からかけ離れてたらSAN値削ろう。
「姉度」…やべえ尺度だ、採用。
最大姉度を記録しておいて、下回ったらSAN値チェックということにしたら、作る順番も大事になってきて、ゲームらしいジレンマも生まれそう。

とまあ、多分こんな感じの思考ですね。おお、イケるかも。

というわけで、完成版とはいささか様相が異なるものの、「姉を錬成する」という、作品の揺るぎない"核"ができましたとさ。メデタシメデタシ。

●シンプルなSLGだった過去

前段では、「姉を作る錬金術のゲーム(SAN値直葬)」というテーマが決まるまでのお話でした。今回もその続きというか、補足のようなものです。まず、ジャンルについて。

先のテーマが決まった段階では、本作はアトリエマップ内だけで完結する錬金術SLGとして考えられていました。RPGじゃなかったわけです。

SLGはともかく、なぜワンマップか。たしか、ふりーむのワンマップフェスのレギュレーションに適合する形で構想を進めたんだったと思います。

なにしろワンマップで完結するので、なるべくシンプルになるよう、いろんな要素を省く方向で考えていきました。そういう流れがあったもので、戦闘要素も必然的にオミットされる前提で組み上がっていきました。

ですから主人公は、いかにも戦闘能力がなさそうな少年になりました。姉を作るっていう執着に映えるのは少年だろうっていう判断もあったろうと思います。ところで自分はおねショタはショタ攻めも断然アリ派です。待って、石を投げないでください。

あとアトリエに牢屋が設けられたのもこの頃ですね。作ったホムンクルスを、アトリエの外に派遣して、素材を採集してもらう「遠征」システムを管理する場所です。

この「遠征」先は、主に人里を想定しました。"採集"と書きましたが、ゲーム世界内で起きてることは"略奪"です。ひでー話ですね。

この遠征システム、狙いは幾つかあります。

1点目は、ワンマップなので外には行けない(人体錬成なんて禁忌犯してるし外出は避けたいはず)が、錬金に使う素材は何らかの方法で調達する必要があり、それの手段として適当だから。

2点目は、ホムンクルスの差別化のため、何らかの能力を持たせる必要があって、「戦闘力」「採集力」などが使えそうだから。

3点目は、弟は姉のこと以外にまるで無頓着かつ無慈悲という設定を伝えるため。

そして4点目が、リアル時間の経過に応じてアイテムが手に入るという「放置系」のシステムのゲームを作ってみたかったから。

まあ結局、本作がRPGとして再始動するに当たってボツになったわけですが。

●タイトルは大事です

『テンセイのヒジュツ』というタイトルは「姉を作る」ことが決まったくらいの時期、すなわち最初も最初の初期段階で登場し、内定しました。スムーズに出てきたのには理由があります。

要因は、本作の構想よりずっと前、具体的には遡ること三年程度でしょうか、おそらく2018年4月頃に構想が始まった『チセイのヒジュツ』の存在です。(※更に言うとこのタイトルだけなら2016年9月まで遡れる)

この『チセイのヒジュツ』というタイトルへの思い入れは結構強く、半端なものにはしたくないという気持ちがありました。それが悪い方向に作用したか、結局、ロクに作れぬまま長い時間が経過してしまいました。

しかし心のなかではずっと、いつか形にしたいという意志が燻り続けていました。そこへ現れたのが、錬金術をテーマにした新作の構想です。錬金術はやはり「秘術」というイメージがありますから、おそらくそこで連想し、脳内メモリにロードされたんでしょう。

『チセイのヒジュツ』というタイトルをそのまま当てはめることが、ひょっとしたら出来るかもしれない…。さあ、本当に可能なのかどうか、検証の時間です。

この『チセイのヒジュツ』は、主に「チ」と「ヒ」に複数の漢字を当てはめることができるのがキモのタイトルです。
「チ」部分では「知」「地」「血」が。
「ヒ」部分では「秘」「火」「卑」です。

さて、錬金術をテーマとした新作ではどうなるでしょうか。

「ヒ」部分は、「秘」「火」「卑」の全ての要素をクリアできそうです。「知性」との相性も抜群。しかし、「チ」に当てはめられる漢字の数は減ってしまいそうです。「血」はまあいいとして、「地」の要素はどうにも、錬金術のイメージとは結びつかないんですよね。

「地」がないなら…じゃあ「天」はどうか。

「テンセイ」…ぱっと思いつく漢字は「天性」と「転生」。人体錬成を伴う錬金術というテーマにあてがうことを考えると、「テンセイ」は「チセイ」よりも相性が良さそうです。

しかしこのままでは、当てはめられる漢字は2つで、「チセイ」案と同じです。

まだ他にも「テンセイ」はないものか…。
しばし後に出てきたのが「画竜点睛を欠く」。
完璧だ。

こうして『テンセイのヒジュツ』は、タイトルから大オチが決まりました。

●トートくんは無実だった

本格的に制作が始まった時、ストーリーは殆ど決まっちゃいませんでした。決定していたのは「最後は姉の体に転生する」というオチだけです。

強いて言えば、「画竜点睛」という言葉を出すために、堕天使に煽り倒される流れの構想がありましたが、絶対外せないというほどのものでもなく、何なら制作中盤では、堕天使はオミットしようかと検討したくらいです。
(※ゲドゥエルの原型。そう、この時点では堕天使だったのです)

別にわざわざ堕天使に喋らせないでも、「画竜点睛」という言葉は出せますからね、アイテム(姉の体)の説明文とかで。まあ堕天使についての話は次段以降にやるとして、表題についての話に戻りましょう。

ストーリーは決まってませんが、ひとまずはオープニングから作り始めました。自分の経験上、まずはなんかテキトーに決めれば、あとは必然的に、良い感じに、なるようになるんですよ。

サンプルマップ素材から必要な大きさのマップを切り取り、真ん中に倒れた姉を配置。上から下に、姉へと続く血溜まりを置いて、トートくんを"下から"姉へ近寄らせる。雰囲気を出すためにセピア色にして雨を降らせていっちょあがり。

このオープニングイベントを作った後は、ワールドマップを作ってゲームの規模感を決めたり、錬金術や戦闘などのシステム面の基礎固めなどで、数日間を費やします。

並行して「姉をどうやって殺そうかなあ」と考えます。この時点での姉の死因有力候補は"魔女狩りで殺される"パターンです。

でも、トートくんが魔女狩りを避けることが出来た理由が思いつかないんですよね。いつも姉にベッタリなので。たまたま買い出しに…といっても、町に行けば魔女狩り前の不穏な空気はわかる気がします。どうして姉と一緒に逃げなかったのか。
…とまあ、なかなか納得の行く事情が思い付きません。

ふと、オープニングイベントを見直していて、気づくことがありました。

なんでトートくんは、姉が歩いて来た方向とは違う方向からやって来たのだろう。

この時点で出来上がっているワールドマップによれば、姉が倒れている平原から見て、アトリエは北で、姉はそちらから来ています。トートくんは南の町方面から。やっぱり買い出しなのか?
でも買い出し説は先述のように納得できない…。
もしトートくんもアトリエにいたとするなら、姉は襲われたのにトートくんは無事だった理由がやっぱりわからない。

それに、このシーンで死体に向けて、姉(の血痕)と同じ方向からやって来てしまうと、もしかしたら「姉を殺ったのはトートなのでは」とプレイヤーに要らぬ誤解を与えてしまうかもしれない…。

そこで天啓を得ます。
「姉を殺ったのはトートくんである」ことにしてしまえば諸問題が解決することに。

本作のヤバさ指数が上がったのは、こんな経緯でした。

●本質を見極めよう

もともと本作はワンマップSLGとして構想していたと書きました。結果的には、その構想のままは進めず、RPGになりました。そうなった流れについて書いてみましょう。

SLGのまま進めるとして、まず立ちはだかる疑問が「錬金術だけで面白さを確保できるのか?」です。

本作のきっかけはDQ8の錬金術にあると書きましたが、あれは本体がRPGなわけですよね。錬金術をして何が嬉しいかと言えば、たとえば
「(少ないコストで)回復アイテムが手に入る」
「(ここだけの)強力な装備が手に入る」などで、主に
「戦闘する上で有利になる何かが手に入る」からでしょう。

DQ8のやり方をそのまま真似するのは無理がありそうです。ではここでアトリエシリーズを見てみます。

アトリエシリーズでは、素材の一つ一つに何らかの特性が付属しています。その特性を練成物に受け継いで行き、最終的には、ぼくが考えた最強の攻撃アイテムなり装備なりを作っていくゲームがアトリエシリーズです。そうですよね? そういうことにここではします。

えーとつまり、錬金術で考えることは多く自由度は高いけれど、結局目指すところは、戦闘する上で有利になる何か。

まあ古のアトリエシリーズでは、アイテム採集に費やす時間や、アイテム錬金にかかる時間なども考えていく必要がありましたが、効率よくやれたり上手く錬金が出来た「成果」を披露する場所は、やはり戦闘時になっていたと思います。たぶん。

なぜ先人は純粋に錬金術だけをやるゲームを作らなかったのか。面白く作れなかったのだろうか。あるいは作れるけど売れないと判断したのだろうか。

ただでさえこっちは技術力がないのだから、素材の一つ一つに特性を付けるだとか、そういうRPGツクールの標準仕様から大きく外れる要素は入れられないのに。

本当に、シンプルな錬金術を繰り返すだけのSLGは可能なのか…、面白いのか…?

なんだか、考えれば考えるほど、ワンマップSLG路線は危ないと思えてきます。

思えてきたので、やめました。
あっさり。

本作でやりたいことは、あくまでも「姉を錬成する」という最終目標と、その過程で生じる、禁忌を犯してる感の表現、そして「テンセイ」によるタイトル回収です。

ワンマップSLGは、手段の一つとして検討していただけですので。はいはいボツ! 作り慣れたRPGでやろう! 先人に倣って!

※補足。
RPGにしたときの懸念もありました。
本作のテーマ…すなわち「禁忌を犯して姉を錬成する弟の物語」の、焦点がぼやける問題です。

トートくんは戦闘に向いたキャラとして設計されていません。戦闘に向いたキャラなら、魔女狩りかなんかで殺される姉のことを守れてもいいはずです。まあこれは、姉殺害の犯人がトートくんではなかった頃の事情ですが。

でも戦闘力を持つという属性は、このテーマ(錬金術・禁忌・姉と弟)との食い合わせがイマイチで、エモさが減る気がします。

本来は錬金術だけを用いてゲームを構成するのが、作品として美しいはずなんです。

戦闘要素はテーマに対してノイズとなり得ます。後に採用を決めたクエストシステムなんかは特にノイズ度が大きいです。姉以外のことにうつつを抜かすのは美しくないのです。しかし、アイテムの入手経路の多様性や、RPGとしての面白さの確保のため、やむを得ず導入を決めました。

ゲーム制作は妥協の連続です。

●アトリエシリーズってすごい

錬金術を駆使して、最終的に姉を作ることは決まっています。当然のことながら、その最終へ至るまでの過程というものが存在します。過程を作らねばなりません。

錬金術に使う、たくさんのアイテムを作らねばならないのです。

そのアイテムに求められる条件は、これまでの普通のRPG制作経験を通じて蓄積してきた常識とは、大なり小なり異なることが予想されました。

一般的なRPGにおける、アイテムに紐づく情報としては、たとえば回復アイテムなら…
・HP/MPの回復量や、治癒できる状態異常
・値段
・そもそも店に売ってるのか
・所持制限はあるのか
等々でしょうか。

そのようなパラメータから、ゲーム進行上のどの段階、すなわち序盤でいっぱい手に入るのか、それとも終盤で一定数しか手に入らないのか、といったものも決まってきます。

さて、錬金術で「作れる」となると、先述の要素の他に「どの素材で作れるのか」を考える必要があります。

必要な素材が一つでは、じゃあ最初から出来上がったものが手に入ってもいいじゃんってプレイヤーの声が聞こえてくるようです。
一対一変換で一手間かけさせるのは、面倒くささを感じさせそうです。フレーバーとしては機能するでしょうが、逆に言えば殆どフレーバーにしかなりそうにありません。

その点、必要な素材が複数あれば、錬金術をする意味が感じられますね。でも複数あれば、その数の分だけ、素材アイテムを作らないといけません。

そして素材アイテムの数だけ、どこでどの程度、どうやって手に入れるのか、ということも考えなくてはいけません。

そしてこれは錬金術ですから、作成するアイテムの見た目・特性に、ちゃんと見合うような素材でないと、納得感は得難いでしょう。

全てをカッチリ、矛盾なきよう、面白くなるよう、組み上げる必要があります。

考えることが…考えることが多い…!

アトリエシリーズという先達が、一体いかな偉業を遂げたのか、思い知らされるようでした。こんな複雑怪奇な要素組み合わせパズル、そりゃ真似するとこが出てこないわって。アトラスは真似してたけど。

↑アトラスが真似したの。

ともあれこの難行苦行を、我ながらどうやって乗り越え、作りきったのか…。記憶も薄れた今となってはわかりません。たぶんこうだった…という流れは…。↓

1.とにかく錬金素材っぽいアイテム名を作りまくる。

2.とにかくゲームのマップを完成させる。

3.マップの雰囲気に合いそうなアイテム名があれば、そこで手に入ることにしてしまう。

4.とにかく敵の名前と姿と出てくるマップと落とすアイテムだけ決めてしまう。

5.とにかくホムンクルスのレパートリー(姿)だけ決めてしまう。

6.ホムンクルスの見た目的に錬金に使いそうなアイテムを作る
(※画像素材がなければ考え直し)

7.ゲーム進行上あったほうが良い要素(採取道具とか)から必要なアイテムを考え、とりあえず名前だけでも作る。

8.一通り揃ってきたので、ゲームの進行順を意識しながら、アイテムのレシピを作ろうとする。

9.とてもじゃないけど記憶だけじゃ把握しきれないことに気付いたので、メモを積極的に使うことにする。

素材アイテムなら、
・入手場所と手に入る数の多少
・採取か魔物ドロップか
・幾つ消費してどの合成アイテムになるか
・そのままの姿での用途があればそれも記載

合成アイテムなら、
・必要な素材アイテムとその数
・使用用途
・更に派生する合成アイテムがあれば必要な消費数など

10.やっと全貌が見えたので、バランスを整える。
・活用先が少ないアイテムがあれば活用先を増やす。
・活用先が多い割に入手数が少ないアイテムがあれば、入手数を増やす。
整えすぎるとつまらなくなりそうなので、多少は入手数を絞ったりする。また、素材アイテムは原則として、複数の入手手段と活用先を用意する。

11.どうしても入手手段や活用先が足りないアイテムは、クエストで補完する。

12.適宜必要に応じて調整する。

13.完成!エンデ!

とまあこんな具合だったと思います。

Windows10付属の付箋アプリが非常に役立ちました。ありがとうマイクロソフト。

それはともかくとして、もっとうまいやり方はあったと思います。

ロクに戦略も立てず勢いで始めて、高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変にやると、地獄を見るので、よい子のみんなは真似しないでください。

●面倒だから滅ぼしちゃえ

錬金アイテムの製作は、手をつけるまで時間がかかりました。作業量の膨大さと複雑怪奇さが、触る前から、なんとなく予感できたからです。まあ実際に手を付けてみたら、予想以上にヤバくて地獄を見たわけですが、それは前段の通りですね。

ともかく制作初期から中期にかけては、錬金アイテムの製作から目を背けたかったので、それ以外の部分の構築に努めました。それはたとえばマップの製作などです。

尤も、製作だなんて大層な言葉を使うようなものでもありませんでしたが。なぜなら、サンプルマップ素材というものを使い、ほとんどはコピペするだけで済ませたからです。ありがとうHARUMAP。


自分がやったことは、マップ同士をつなぐ作業ですね。あと採取アイテムや敵が出来た後にそれを配置する作業。マップ自体を作ることに比べたら屁みたいなもんです。その屁みたいな部分で幾つかバグを出したのはどこの誰でしたっけね。
まあいいや、ともかく、マップをコピペしていた頃の話なんですが。

この時点でワールドマップ(これは自家製)が出来上がっており、そこには町と王都がありました。町と王都には人が住んでいそうです。

人が住んでいるとなると、作らないといけないんですよね、そこでの「会話」イベントを。でも会話しなければ、いや会話"できなければ"、その必要はありません。

自分はとにかくラクをしたかったので、町と王都は滅ぼす方向で検討しました。

滅ぼすとは言っても、あからさまに荒廃していると、サンプルマップ素材から改変する必要が出てくるので、かえって作業量が増えてしまいます。なので、それは避けられるような方向性で考えます。

「住民は洗脳状態で、操り人形かゾンビみたいになってるけど日常生活(っぽいもの)は送っていて、トートを見たら襲いかかってくる。たぶん王都の王が悪い事してこういう状態になった」というものです。

まあ色々あって廃案となりました。

その町やら王都が滅ぶ事件を、姉の死因と絡めようと思っていた時期がありましたが、ほら、姉を殺したのはトートくんになったので。
姉を殺した犯人を王とするなら、ゲーム中で復讐を遂げられてちょうどいいなぁという狙いもありましたが、結局姉を殺したのは略。

この「町も王都も滅んでるよ王が悪いよ」路線は路線で、ラクできる以外のメリットもありましたが、しかし没となったのも已む無しではあります。

真犯人トートくん説がなにしろ美しすぎて、王への復讐は圧倒的に霞むんですよね。また、会話できる人がいないと、クエストを導入できなくなるのも結構厳しいです。

こんな具合で、マップを起点に、様々な議題が上がり、決まっていくものです。

思えば、姉を殺ったのがトートくんになったのも、マップの都合がキッカケでしたね。自分はひょっとしてマップがないと何も出来ないのかもしれません。なのにマップ作るのがクソ苦手っていう致命的な噛み合わなさ。
誰か助けてくれ。

●幻の「姉の水子」

姉のパーツをもいでいき、そのパーツに由来した回想シーンが再生される。この流れは初期に決まっていました。しかし具体的なエピソードは決まっていませんでした。

「姉と弟には肉体関係があり、姉は妊娠してる」という揺るぎなき設定はありましたが。

ここの設定がなぜ揺るぎないのか、なぜ絶対に外せないのかと言うと、自分の性癖だからです。性癖駆動開発が強いんだと、最近、思い知らされています。もう決して見失わない!

閑話休題。ともかく、その設定がちゃんと伝わるように回想シーンを組んでいく必要があります。

錬金アイテムを作ることからの逃避エネルギーを、姉の回想シーンの構築に向けてからは、ひとまずパーツごとに、どういうエピソードをやるか、大まかに割り振っていきました。

右腕のときは姉弟の紹介とアトリエ開設と魔女狩りの伏線、
左腕のときは患者対応と薬調合と名声は王都まで届いてる噂開示、
といった具合です。また、パーツ説明文に由来した描写も入れたいので、そこも一緒に考えます。頭ナデナデとかですね。なお、この時点で、パーツの説明文は概ね決まっていました。

ちょっと話が逸れるようですが…本作はRPGツクールMZで制作されていますが、その前に、RPGツクールMVで作ろうとしていた頃の試作品があります。

この試作品のデータで既に、姉のパーツごとに説明文が出来ていました。ただし、パーツは
「頭部」
「胴部」
「腕部」
「脚部」
の4つでした。

説明文はそれぞれ
「笑顔の眩しさは面影ばかり。」
「もう抱き返してくれない。」
「目線の高さにあったもの。」
「早歩きして追いついた。」
です。完成版とあまり変わりませんね。

あ、ついでに言うと姉のエキスの説明文も完成版と同じ
「こころなしか、少し甘い。」です。
ただし姉の「エキス」ではなく姉の「肉汁」でした。

さて、なんで腕部と脚部を左右で分けることになったのかと言うと、ホムンクルスの数が13体となったのが原因です。つまりホムンクルスの数の多さに合うように、エキスの数を増やしたかったためです。

ホムンクルスの数は、完成した今となっては、ゲームボリュームに対して多すぎると思うんですけど、ホムンクルスの元ネタが13体なので、ここは絶対に外せませんでした。絶対の絶対です。

↑中でも有名な一体

ともかく、絶対に数を変動できない13体に対して、数を変動しても良いエキスはこれで6つ。まだ足りない気がします。もうちょっと増やせないか…。

そこで浮上したのが「姉の水子」案です。これはアトリエにある姉の死体からは取れず、堕胎した場所で取れます。

これならエキスを増やせるばかりか、マップ探索の意義だって増せそうだし、姉との関係のヤバさをより強く打ち出せるし、水子には姉と弟双方の成分が含まれていることから、最後の禁忌錬金での「転生」の説得力が盤石となりそうです。

もうこりゃ採用しかないネ! …と思っていたのは束の間でした。

廃案の原因は、実際に回想シーンを作ってみたら、ヤッてから妊娠するまでの時間が確保できないことがわかったからです。ほら、強姦してるわけですから。すぐに詰問されるでしょ。詰められたら殺っちゃうでしょ。

うーん、残念。

●天界事情

天使ゲドゥエルが、一時期リストラの危機にあったことは、「●トートくんは無実だった」で語りました。

ゲドゥエル…しばらくは「堕天使」「クズエル」「クソエル」「ゴミエル」など多様な名前で呼ばれていた彼ですが、実際に採用を確定したのは、姉の水子をやらないことが決定した辺りだったでしょうか。

もうちょい踏み込むと、回想シーンで、王の横にゲドゥエルを置いて、トートくんを呼び止める展開が出来た辺りですね、たしか。

もう大体の元凶はこの外道羽虫のせいにしておこうと思いました。そうすることが、このゲスが最も輝く道ですからね。

しかし、ここまでの悪事を働いておきながら、この羽虫を潰す機会はないので、プレイヤーの中には釈然としない気持ちになるケースもあるかもしれない懸念はありました。

でも、最後にはトートくんの本性を見誤り、勘違いからの勝利宣言して去っていく道化を演じてもらうことで、ある程度の溜飲は下がるかなと。

また、トートくんは、ガンギマリの異常者なので、プレイヤーが彼の立場になって感情移入するケースはほぼ無いだろうし、ゲドゥエルに「復讐したい」という欲求は少なくとも表れないだろうという見方もありました。

諸悪の根源が野放しなのはその通りですが、まあこれに限らず、天界に連なるものってそういうところあるでしょ。神とかクソですよクソ。あ、石を投げないでください。石を投げて良いのはイエスだけです。

自分は天界とか神とかそういうのに不信感を持ってて、その価値観が出てしまったなあと思います。ポポロクロイス物語2でボロクソ泣いたのは、それはそれです。

ところで、本作の初期構想が固まる前の段階では、天界はもっとストーリーに密接に関わっていました。

天界の総意によって人類は滅ぼされることが決定していて、具体的には魔物を大地に満たすことでそれを為そうという魂胆なのですが、魔物を作る役目を与えられたのがトートくんです。

トートくんが姉を作ろうとして作り上げた、姉っぽい魔物を、天界が引き取って、大地に放逐するという流れです。トートくん本人に天界の真の目的は明かされませんけどね。天界はクソなので「頑張って姉作ってね!」って応援するだけです。

いや、応援するだけってのは言い過ぎでした。大事な支援もあります。トートくんに永遠の寿命を与えることです。これで何百年だって魔物を作り続けてもらおうって魂胆です。一貫して外道。

他にもこぼれ話としては、ノアという人物が方舟を作っているよという噂話が流れてくる案がありました。大洪水が起きる一歩手前の世界設定ってことですね。だんだんゲームの理想形が見えるにつれ、人類滅亡もノアのくだりも不要と判断してボツです。

●創作環境パワー

制作のモチベーション管理は非常に重要です。

特にモチベーションを高めるのは、作品の完成形への自信(理想)の高さと言えるでしょう。

一方、モチベーションの消耗を遅らせる要素は、作品の完成形(理想)と現在進行系の実物のズレが少ないことと言えるでしょう。

モタモタしてればモチベが尽きるが、さっさか進めることを優先した結果、理想からかけ離れすぎれば、やっぱりモチベは尽きてしまう。ジレンマです。

中にはモチベ(やる気)の有無に囚われず、とにかく継続して手を動かせって派閥もあるようですが、自分にはそんな仕事みたいな真似はできません。なんとかうまいこと、自分にできる最良のモチベ管理を見つけなくては。

んで最近ハマってるやり方が、「ゲームアツマールクリエイター交流Slack」で進捗状況を投下することです。

参加者は各自、作業所チャンネルというものを作り、そこで進捗状況を投下します。自分は愚痴や悩みやパトスも投下します。
(※別に作らなくてもいいけど作るのが推奨されている)

この交流Slackを活用する前の自分は、進捗状況などはツイッターに投下することが多かったのですが、ツイッターは全世界に開かれてるという特性がありますから、あまり核心に迫るネタバレ部分は投下し難いんですよね。

この点、先の交流Slackでは、見てる人はどんなに多くても100人程度です。核心に迫るネタバレだって遠慮せず投下できるってぇ寸法です。

また、参加者がみんなもれなくクリエイターであるという特性も見逃せませんね。

たとえば「いい感じの血溜まり画像素材が見つからないなあ」みたいな愚痴をこぼしたとしましょう。するとそれを見かけた誰かが「突然ですが作ってみました!」って、ました工法でいきなり素材を投げてくれることがあります。ありました。

その節は本当にありがとうございましたmyOmochiさん。

また、システムの仕様など、随所で悩みを吐露した時、ご意見をくれた方もいました。

その節は本当にありがとうございましたlinkscapeさん。

進捗画像にスタンプ(画像付きいいねみたいなやつ)が付くのも、承認欲求が満たされる重要な事柄でした。

本作がエターナルの海に沈まずに済んだのは、こういったご厚意のおかげです。ありがとうですやでほんましかし。

と、自分はこの「ゲームアツマールクリエイター交流Slack」にお世話になりましたが、ここに限らず、半クローズドな制作コミュニティは幾つか存在しますから、そういうところでやるのもいいでしょう。

最近はDiscordのサーバーを活用する事例が多いように見えますね。Discordは、Slackとやれることが似てるので、たぶんここもかなりアリよりのアリだと思います。

…なんかいつの間にか、ただの振り返りでなく、後輩クリエイターにアドバイスの体で自分語りする先輩みたいな格好になった気がしますが、まあいいや。

ともかく、制作環境、大事だね!
これが言いたかった。

●選曲意図

ゲーム制作において、BGMはめちゃくちゃ重要だと思っています。

何度聴いても聴き飽きず、メロディがしっかり主張している、個性が強い曲が好きです。

なんかいい感じの音楽素材を見つけると「こんな良い素材あったよ!使用例はこんな感じ!」といった具合に、布教したいからゲームを作ってる側面すらあります。

まあしかし、使おうとした素材曲が、他のゲームを遊んだときに聴こえてくると「被ったぁーー!!」と頭を抱えるんですが。それはそれ。

さて、本作ではどうやって選曲したでしょうか。

まず方向性をどうしようかという問題がありますね。方向性というのは、大まかに2つ、明るいか暗いかです。

本作は狂気マシマシのエグいRPGです。

しかしホムンクルスのデザイン(星乃だーつさんの画像素材)に見られるように、グラフィック面で与える印象はKAWAII系で意識しています。ギャップでエグみを強調していく方針ですね。

BGMもそれに倣い、明るい系にするか、それとも逆にエグみの直喩で暗い系にするか。最終的には前者、すなわち明るい系になりました。

理由の一つは、本作は錬金術RPGだからです。

本作をプレイする前のプレイヤーは、錬金術でRPGと聞いたら、まずはアトリエシリーズを意識するでしょう。じゃあそのイメージを、BGM面で肯定しようかなと。

タイトル画面では、これから待ち受ける冒険の前途の明るさを感じる、マーチみたいな感じ。

一番耳にする機会が多くなるであろうアトリエ曲は、絶対に聴き飽きない、ゆったりと落ち着いててリラクゼーション効果がありそうな感じ。

ボス戦闘は熱いロックでギュンギュンに。

ダンジョン探索は基本的に幻想感強めに、場所に応じて民族調バリバリのケルティックにしたり。

こうして全体的に、アトリエシリーズを意識した選曲となっています。

また、自分が個人的に、民族調の曲が大好物でして、この選曲方針はゲーム制作におけるモチベ確保にも大きく貢献するだろうという目論見もありました。大正解。

一部楽曲に関しては、そのままではループしない場合でも、ループするように改変を加えました。この改変は、どのタイミングでループするかの情報を加えるだけなので、曲作りの知識が皆無でもできます。

気に入った曲があれば、ぜひ無限にループ再生して、聴き惚れて欲しいですね。

●完走した感想ですが(※完走できてない)

これまでそれなりに多くのRPGを作ってきました。しかし、アイテム合成をメインに据えたRPGは、本作が初めてです。

正解のバランスが全然全くこれっぽっちもわからない。

ただでさえ、毎回思うことなんですよ、正解のバランスがわからないっていう感情は。

しかし、今回ほどの、皆目わからなさときたら…。

ずっと暗中模索のバランス調整でした。
一通り完成してもわかりませんでした。

でも、ここが最低限、酷い出来でさえなければ、他の部分でカバーできる気はしました。十分な良作を作れたという実感だけは何となくありました。

この実感を信じて、とりあえず出してみよう。

えいやっ。

ゲーム制作期間の2ヶ月弱、この間に受けたストレス総量を遥かに凌ぐ、地獄の四日間の始まりでした。

絶え間なく報告される、バグと、進行に詰まったよと、バランスが悪いよと、図鑑入れろと、図鑑図鑑図鑑…。

バグはひとまず置いといて、暗中模索をプレイヤーにまで強いていたことが実感できました。

しかし、このプレイヤーが感じる暗中模索に関しては、大きな改修を必要とはせず、一筋の光さえ与えれば、十分に対処可能に思えました。

アイテム入手性のバランスはさほど間違っておらず、誘導の方法の問題だろうという推測です。

誘導とは、たとえば
「このアイテムはあの場所で手に入ったの覚えてるよね」とか
「そのモンスタードロップ狙うのは効率悪いよ」など、
プレイヤーが行動指針を立てるのに必要な情報をちゃんと与えることですね。

その手法の一つが、多くのプレイヤーが提案するような、アイテム図鑑・モンスター図鑑の機能実装です。ただこれは、幾つかの観点から、できれば避けたい手法でした。

一つは技術的なもの。
最初期に導入しようとしてバグって失敗していたのです。

また一つは、内部データがバラバラ問題。
この内部データをそのまま外部に持っていくと、参照性が著しく悪いため、うまいこと整理しないといけないのですが、これにはかなりの作業量が予期されました。

さらに一つは、面倒くさい。
これは作者が面倒くさがってるという話ではないです(いやまあ面倒くさいですが)。

アイテムまたはモンスター図鑑となると、その項目一つ一つに対してページがあるわけですよね。図鑑でプレイヤーが目当てとする情報といえば、「どこでどのアイテムが手に入るか」だけでしょう。
それをいちいち個別のページ開いて参照するのは、プレイヤーからすると、かなり手間になるんじゃないかという懸念があったわけです。

実際に実装してみたら意外と手間じゃない可能性もあるのですが、この地獄の四日間の空気は、一刻も早い対処をしないと何かが一生手遅れになるんじゃないかと思わせるような、不穏なものがありました。
ちょっとでも改修に時間がかかりそうな手立ては取りたくありませんでした(ほんの数日間でさえ)。

マジで精神的に参ってました。

作品の感想は、肯定的否定的問わず、とにかくあったら嬉しいですよというスタンスでしたが、このときばかりは、肯定的なものしか欲しくありませんでした。表立ってそうは言いませんでしたが(渦中でそんな事言ったらそれこそ一生尾を引きかねない)。

プレイヤー数が、感想数が、バグなどの問題数が、完全に自分のキャパシティをオーバーしていました。

話が逸れました。まあともかく、誘導の方法をどうしようかという問題ですが。

思いついたのが、ダンジョン図鑑の実装です。

アイテムは100種以上、モンスターは40種程度、それぞれデータ数がありますが、ダンジョンに関しては10種とありません。ダンジョンごとに、手に入るアイテムと出てくるモンスターを網羅して載せれば、問題のだいたいは解決しそうな気がします。

ただアイテム情報をずらっと書くだけでは芸がないので、フレーバーも付けましょう。

作中のキャラに語らせようかしら。ダンジョンに詳しい人物…『魔機人形と棄てられた世界』のプロゴエみたいな冒険野郎かな…でも錬金素材を扱うわけだし錬金術についても詳しくないとな…。

ということで、大魔女アマゴエという新キャラを生やしました。名前の元ネタは先に挙げたプロゴエです。プロに対してアマチュア。だからアマゴエ。

自分の命名法はだいたいいつもこんな感じです。
姉だからアンネ、弟だからトート、外道だからゲドゥエル。
ねっ?

まあこんな具合でサクッと書いてえいやっと実装しました。

…うん、反応見るに、たぶん大丈夫。
いけるいける気持ちの問題だって。

他、頂いた反応を参考に、小さくない仕様改修も経て、ようやく納得の行くバランスになったと自負しています。いやあキツかった。

もう二度と錬金術RPGなんて作らんぞ!!!

●終わりに

思った以上に長くなってしまいました。

こうして振り返ってみて、新たな気づきもありました。

自分の、ゲームクリエイターとしての属性とでも言いましょうか、そこを見直すキッカケになりました。

漫画『キングダム』で、将軍のタイプは「知略型」と「本能型」に分けられるという話がありました。

自分は圧倒的に「本能型」だろうと思っていたんですね。理屈よりも直感を重んじていると。

しかし、制作の経過を書き出してみれば、意外と理屈をこねてて、考えて作ってるじゃんと。「知略型」の要素も意外とあるじゃんと。

でもねえ、なんででしょうか、「本能型」の方が、なんかカッコいい気がするんですよね。そっち側でありたい気持ちが、自分で自分を騙しているのかもしれませんね。

「知略型」代表ヅラした李牧がダサい所為でもあるでしょうか。

李牧ディスりは置いといてもろて。

まあ理屈で決めることも多いんですが、それでも「えいやっ」で行く部分だって多くって、まだどちらかと言えば「本能型」だと思うんですよ、きっとね。

「知略型」のクソダッセー李牧と一緒にくくられるの嫌だし。

李牧ディスりは置いとけなかった。

本作『テンセイのヒジュツ』は、ここ数年スランプを自覚していた自分が「転生」するキッカケにしたいという意気込みをもって制作しました。

まだ自分はやれるんだと、面白いゲームを作れるんだと、世間に証明したかったんです。

おかげさまで、いささか人を選びはするものの、好評と呼べるだけの評価を得ることが出来たと思います。

そうとも、まだ自分はやれるんだ。まだまだやってやろうじゃねえかよこの野郎!まあゆかりさんは天才ですから?

自分を結月ゆかりだと思いこんでいる一般人は置いといてもろて。

えー、次回作は有料ゲームを作ってみたいですね。

有料同人ゲーム界隈って、エロがあると売上が軽く10倍は変わるっぽいですよね。だから可能ならばエロゲーですね。

無職なのでね、稼ぐ意欲を見せていけって感じですね、親に向けてね。いつまでもオヤノスネは齧れない残酷な現実。

長期的には、小中規模の有料ゲームを年に一本くらい作れば食っていけるような、そんな体制を整えたいという野望アリです。

ともかくこういう構想があるので、本作が最後のフリーゲームとなる可能性もあります。

まあ、ゲームの提供方法として、幾つかやり方は考えていて。

たとえば、設定資料集なりエロ部分なりは有料にするが、そこ以外は無料で遊べるだとか。

エロ部分は自分で書いたクソ絵を仮に実装して、他の部分はしっかり完成させて、その状態で無料公開してしまい、「このゲームを有料エロゲーとして完成させてくれる絵師さん募集!」とかね。

絵が描けず、絵を発注する金もない、武器が限られる自分なりのやり方を、必死こいて考えています。

まあなにはともあれ、実際に走り始めてみないとわかりませんね。
次の作品がいつになるのか、いやいやあるいはゲーム作りから引退してしまうのか、先のことは何一つわかりませんが、願わくは、また完成作品を携えて戻ってこられたら…いいね!

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