「オレの起業コンセプト」競合の特徴 編
起業に欠かせないコンセプトのまとめ方を、「起業ライダーマモル」の事例を元に紹介するこの連載。今回は、競合の見つけ方と分析だ。まずは、オレがまとめた「起業ライダーマモル」の競合の特徴を紹介しよう。
*競合の特徴*
① WEB検索(Google,Yahoo!)
起業関連ワードの検索で膨大な情報を取得できる
② 起業本
起業の一般的知識を体系的に学べる
③ 利用者の近親者
起業は無謀なんじゃないかとアドバイスする
これをオレがどうまとめたのか紹介する前に、どうして競合調査が必要なのかを少し紹介したいと思う。競合調査は必要性を感じにくくて、リアルな相談の現場でも、競合はないと言っていたビジネスに競合がいたなんて事がよくあるからだ。
1.なぜ競合調査が必要なのか?
結論から言うと、自分の考えている事業アイデアの実現性を高めるためだ。
まぁ、そう言われてもあまりピンと来ないかもしれない。オレも最初は「事業内容を綿密に考える方が大事じゃないのか?」なんて思ったりした。同じように思った人のために、今読んでいる「この記事」を例にちょっと考えてみようと思う。
この記事の競合になるのは、当たり前だが「競合」の話題に触れている記事だ。そこで、noteを市場だと仮定して、どのぐらい「競合」に関連する記事があるのか検索してみた。
結果は、8,030 件(2019/6/24 時点)。しかも、この章の話題とまったく同じテーマの「『競合他社』はなぜ必要か」という記事も見つかった。
もし、これを調べずに同じタイトルの記事を書いてしまったときは大変だ。この記事を書いた人のフォロワーは48,496人。一方、オレは、7人。(2019/6/24 時点)2つの記事が並んだ時、どちらが読まれるかは言わなくても分かる。
この結果から分かることが2つある。
①市場を知れる
②選ばれるかは「相対価値」で決まる
まず、8,030 件の記事が出てきたということは、それだけ「競合」について考えている人が居るということだ。そして、正確な閲覧数は分からないが、そこに読む人が居るから沢山記事が書かれている。つまり、そこには市場がある可能性が高いということだ。
そして、8,030件の記事から選ばれるときは必ず比較される。「フォロワーが少ない記事より多い方が内容がいい記事かもしれない」といった感じだ。競合に関する記事という「絶対価値」は同じでも、比較された「相対価値」によってモノは選ばれることになる。
まさに、棒の長さは同じなのに目の錯覚で長さが違って見える現象と同じだ。(下の棒の方が長く見えると思うが、実際は同じ長さだ。)
よほど独自性のあるビジネスでない限り、競合は必ず存在する。競合調査をしなければ、市場の無いところで事業を始めてしまったり、自分よりも既に価値が高い製品・サービスに気づかずに起業してしまう。だから、競合調査は事業アイデアの実現性を確認するために必要なんだ。
2.迷ったら「商品」「価格」「場所」で考える
よし、競合調査をがんばろう思って考え出すと、たいてい自分が考えている事業とほぼ同じもので比較をしてしまう。オレも最初はそうなっていた。
分かりやすい例で言うと、都内でカフェをやりたいと思った時、スタバ、ドトール、サンマルクの競合調査をするといった感じだ。実際は、コンビニのコーヒーやタピオカミルクティーも競合になったりする。
そうならないように役立つのが、4Pで競合を考えるやり方だ。少し専門的な用語になってしまうが、4Pとはマーケティング用語の一つで、次の4つのPの頭文字をとった言葉だ。
・Product「商品」
・Price「価格」
・Place「場所」
・Promotion「販促」
難しい話しは置いておいて、先ずは4Pの中の3つ「商品」「価格」「場所」で考えると考えやすい。
オレの場合、「商品」は会話形式で情報提供をしている「チャットボット」だ。それと似ているのが「検索」でGoogleやYahooが競合になる。逆に、提供方法が違うアナログな商品が「本」や「人」への相談だ。提供方法が違っても、同じ価値を提供していれば競合になる。
「価格」で考えると、オレは無料でサービス提供をしているが、有料で提供しているのが経営コンサルタントで、競合になる。最近では、事業を経験したことがある先輩に安価でアドバイスを貰うことができる「スポットコンサル」なんてサービスもある。サービスを有料で提供する場合、他社のサービスの価格をしていれば、価格決めの参考にもなる。
最後に「場所」だが、ここはオレの例だと少し分かりにくいから、カフェで考えてみる。例えば、都内の駅前に出店をするとしよう。ほとんどの場合、少し歩けば複数のカフェが見つかるはずだ。そうなると、周辺のカフェとお客さんを奪い合うことになる。
一方で、田舎に出店をする場合、少し歩いてもカフェは見つからない場合が多い。するとカフェに行きたい人は、新しくできた店に行く可能性が高くなる。同じカフェなのに、場所が違うだけで選ばれるカフェになるのだ。
こうやって「商品」「価格」「場所」で考えると、視点が広がって競合を幅広く調べることができる。
3.広い意味で考えるとみんな競合
オレの競合の特徴に「利用者の近親者」を上げているが、これに違和感を持った人がいるかもしれない。でも、これも視点を変えれば競合になる。先輩起業家が身近にいないと、家族や友だちに相談する人もいるだろう。そうなると、起業のアドバイスをする人としては立派な競合だ。
最初に紹介したnoteにも書かれているが、ユニクロの柳井さんは「ユニクロはいずれ、グーグルと競合する」とインタビューで答えている。
時間とお金を何に使うかという視点で見れば、ほとんどの製品・サービスが競合だ。競合調査をしてみて競合がいないと思ってもそこで諦めず、絶対どこかに競合がいると思って粘り強く調べてみて欲しい。
おわり■