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『精神仕掛けの浪漫劇』再公開にあたり


過去に作った作品を再公開する

いきなり本題。
色々考えた結果なんですけど。
私が過去に作っていたフリーゲーム『精神仕掛けの浪漫劇』を再公開しました。
下記のリンクからダウンロードできます。フリーゲーム夢現様のページにとびます。

「え? 過去にボロクソ言われた作品を? 絵が下手なくせに自作絵の作品を出すなだの、自作絵ゲームで金賞をとった●●様の迷惑になるからフリゲ界を去れだの、バットが折れるまで叩かれた作品を今更?」と思うでしょう。
まあ、色々考えた結果なんです。
その理由を書いていきますね。

再公開を決めた理由

まずは私が一歩を踏み出したかった

現在「フリゲ一期一絵祭」を開催しています。私が主催で。

この企画は「自分の作品に自信がなくなってしまった方を、イラストを通して励ましたい」という思いから立ち上がった企画です。
でもね。
「自分の作品に自信がなくなってしまった方」が「自分の作品を企画に出す」って。かなりの勇気が必要なんですよ。
そして。
私が「好きなはずの創作で不安になっている方、ご応募お待ちしています」って言ったところで、なんの説得力もないでしょ。
だって私は逃げてるんだから。
作品を全部消して。
「口だけの主催者め。まずはお前がやってみろよ。ボコボコに叩かれたという作品をもう一度出してみろよ。自分ができないことを他人に押し付けてんじゃねえよ」。そう言われたら反論の余地が無かったの。完膚なきまでの正論ビンタだったんです。
だから私がやってやるんです。「自信が持てなくなった作品」を、もう一度世に出してやるんです。
「ほら、主催である私がやってみたよ。だからあなたもやってみて!」って、これで堂々と言える。

フリーゲームに携わる方の温かさを知った

一時期フリーゲームの世界を離れた時、フリゲに携わる方々全員が敵に思えちゃったんですよ。
「励ましの言葉をかけるフリをして、私の作品を、本命の作品を称えるための踏み台として利用する」こともされたし。
「自分の拡散力を利用して、虚偽の内容を流布したり、都合の悪いことを伏せた内容を広められたりして、あたかも私が100%悪いかのように仕立て上げられる」こともされました。
その時ね、私のことを信じてくれた人はいなかったんですよ。誰も。
だからもう、フリゲにかかわる人は全員敵なんだ。私の話を聞いてくれる人はいないんだ。私を追い出すことがフリゲ界の決断なんだ——と思ったんです。決断うんぬんは、他の作者様のファンから実際に言われたことです。そして、この言葉を否定した人もまた、いなかったんです。

そうしてフリーゲームを離れ、小説に集中することになります。
小説で何回か受賞したり、コンテストで名前が載ったりしたことで自信をもつことができ、そっとフリーゲーム界隈を覗いてみたんです。
そうすると、私と同じように、自分の作品を不当に傷つけられた人っているんだなあ、と思って。
立ち上げたのが「フリゲ一期一絵祭」だったんです。

この企画の一番の不安は。
賛同者が誰もいないんじゃないかってことです。
だってそうじゃないですか。過去に私をかばってくれた人はいなかった、信じてくれた人はいなかった。それっぽい人はみんな、他の作品を持ち上げるために私の作品を踏み台にしようとした。客観的な第三者のフリをして、私にだけ「あれしろ」「これしろ」「我慢しろ」「お前の主張は我儘だ」と言いたい放題だった。
フリゲ界隈への不信感は残ったままだったんですよ。

でも、蓋を開けてみたら。
リポストやいいね、拍手コメントで応援してくれた方々がいました。
「運営のことで分からないことがあれば、相談にのりますよ!」と声をかけてくださった方がいました。
「人脈なんて最初は誰も持っていない。はじめは人脈ある人に頼り、いつか自分がその立場になった時に返せばいい」と激励してくださった方がいました。
「お手伝いできることはありませんか?」と御声をかけてくださった方がいました。
そこで私は思ったんです。

私の知っていた「フリゲ界隈」って、フリゲの世界の中では、ほんの一部分にすぎなかったんだな、って。
例えるなら、世界のどこかの田舎の村でしか暮らしたことがないのに、世界とは何たるかを語っていたんだと。
一歩村を出れば、そこには自分の知らない人がいて、知らない価値観があるんだと。

こうして隣町への引っ越しに成功したんです。
前の村ではあることないことを言われてしまい、自ら壊してしまったガーデニングを、隣町でもう一度やってみようと思えた。
こんなところです。

フリーゲーム制作者としての再出発

このような経緯で、私は過去作品の再公開を決めました。
創作者にとって作品は名刺のようなものだと思っています。
作品をひとつ公開したことで、私も「フリーゲーム制作者」としての名刺を持ったことになります。
そういうわけで、改めまして。
フリーゲーム制作者としての「月泉きはる」をよろしくお願いいたします!

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