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入院生活と外泊での出来事

入院1か月半過ぎても、病名は婦人科のみで痛みの原因は不明でした。一通り検査は終わっていました。主治医は毎日のように顔を見せてくれるけど、肝心な痛みが一向によくならない。病名も分からない。仕事は、今でいう派遣切りに遭うし、詐欺にも遭うし、散々な入院生活でした。

そんな中、同室で一緒になった、仲間の人たちとのおしゃべりが、唯一の楽しみでした。

年齢はみんなバラバラでしたが、良くしていただきました。両隣、お向かいの方と特に仲良くさせてもらいました。みなさん病名が既にわかっていて、いろいろ心労もあった事かと思いますが、明るかった。

左隣の方は、主治医が一緒で話がよくあいました。「主治医の話が分かりにくいから、一緒に聞いて」と、二人まとめて診察してもらった事もありました。

仕事のクビを宣告された時に優しくしてもらったSさん、暖かかったです。Sさんから教えてもらった言葉があります。「ゆっくり、ぼちぼち」です。いい言葉だなと思ってます。今でもしんどくなったら、この言葉を思い出しています。私の安定剤です。

そして右隣の方、私に的確な事を教えてくれ、バイブル的な存在です。

みなさん本当にいい方達です。ひと時の家族のようにも思えました。

そんな中でも、早くここから帰りたいと思っていました。主治医に相談すると土日の外泊が許されました。ただし、車椅子での外泊という条件でした。病院の車椅子を貸してくださいと言うと、それはダメだと言われ、主人に相談すると、自宅におばあちゃんの使っていた車椅子あるよと言う方があり、その方のご厚意に甘え貸していただきました。

車椅子は自走式ではなく、介助者が押すタイプの車椅子でした。不便でした。自分の意思では全く動けないので、このタイプは私には不向きでした。

外泊の日、朝の体調はいつもと変わらず、微熱がある程度でした。微熱は入院当初からずっとあったので、さほど気にせずにお借りした車椅子で、自宅にそそくさと帰りました。

寒かった時期に入院だったのですが、風景が一変していてびっくりしました。花がほころび始めていたのです。風景を懐かしく見ていました。なんとなく食欲がないなと思っていたのですが、帰りにスーパーに寄った時、気分が悪く車内で待っていました。

自宅に到着し、買ってきたお弁当を食べようとした時、たまらなくしんどかったので、横になっていました。熱を測ると38度以上ありました。ろくに何も食べていないのに吐き気が止まらず、ご飯が食べられなかった状態になっていました。

「このままじゃヤバイ、病院に帰った方がいいかな?」と思ったけど、車に酔ったのかなと思って、その日は家にいてました。

朝になっても熱は高いままでした。病院へ電話して、すぐに帰る事を伝えました。自宅へしんどくなりに帰ったようでした。昼前には病院へ到着し、すぐ当直の先生に診てもらいました。感染症と言われました。その後1週間熱にうなされました。いろいろ買い物もしたかったのに、しんどくなりに帰ったようでした。

残念な外泊でした。やっぱり病人なんだと思った出来事でした。

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