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卵を割ろうとしている子に

卵の割り方を教える。

親がしているのを見ていれば
「やりたい」と言い出す子が多い。

割り方を教える。
手を添えて一緒に割ってみる。
何度かやってみて
なんとなくコツを掴んだ。
次は1人でやってみたいと言う。

さぁやってみて。

子どもに卵を渡す。

子どもが卵を手になかなか割ろうとしない

そんなときに

「失敗してもいいよ!」
「頑張って!」

と声をかける。

ああ、私って
子どもの失敗を責めない
いい親だわぁ。
失敗しても何度でもやればいいんだもんね
ここで「早くして!」とか言っちゃダメなんだよ。

いい声かけできてるわぁ。

そうか??

子どもが割ろうとしないのは
本当に失敗を恐れてなのかな。

子どもは、割る手順を脳内シュミレーションして
いるのかもしれない。

卵の質感を改めて手に感じているのかもしれない。

この卵は割ったら今までとは違う中身が
出てくるかも?と想像しているかもしれない。

「かもしれない」
を書き出せばキリがない。いくらでも
○○かもしれない
が考えられる。

卵を手にした子どもを前に
親が勝手に「かもしれない」の内容を決めつけた声かけをしないで、
どうか

待ってほしい

「失敗してもいいよ、やってみて」
こんなふうに子どもを励ますのは
なんていい言葉かけ!!!と、
自分の親っぷりに酔ってはいないか?
本質的には
(失敗してもいいから)
「早くやれ」と作業を急がせているのと
変わらない。

♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎

待ってみて
その子が親のほうを振り向き
「手伝って」と言うか
「手伝って」というそぶりを見せたら
また一緒に手を添えて割ってあげたらいい。

「さっき教えたでしょ!1人でやってみないと
1人で卵割れるようにならないよ!」
と突き放さないで
子どもが望むように親はしてあげたらいい。

その子が1人で卵を割りはじめ、
親の方を振り向かず
1人で黙々と割ることを続けていたら
それが、どんなにぐちゃぐちゃで
うまくいってなくても
ただ見ていて待ってほしい。

うまくいかないことが続いて
それで親の方を見たら
そのときは、また割り方を教えて
一緒に手を添えて
見本を見せてやってあげたらいい。

その子が1人で割ってみて
パカっとうまく割れた!!
そこで親の方を振り向いたなら
そのときの親の喜びをストレートに
声に出して伝えたらいい。
「すごい!」
「じょうず!」
「できた!」
「わーーーーー!」
なんだっていい。親の素直な気持ちを
口にしたらいい。

その子が1人で割ってみて
パカってうまく割れた!!
そのあと、黙々と
同じ作業を続けているなら
横から
「今のうまくできたね!」
「じょうず!」
「やった!」
声をかけてしまって
子どもの作業を止めてしまうより
子どもが集中してる姿を良く見て
待ってほしい。

子どもが親を見るまで
待ってほしい。

親を見たときに、子どもと目が合ったときに
親の気持ちを口にして伝えよう。

見ていたよ

それが子どもにとっての喜び。

♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎

ある時急に
「卵割りたい!」と言い出したら
せめてその日、冷蔵庫にストックされている
卵は全部使い切るくらいは
許容できる親でいてほしい。
もったいない、は当てはまらない。
食べ物を大切にすることも教えなきゃ!
そんな正論はいらない。

卵を買いに行くなら
私(さなえさん)なら
最低3パックは買います。
(もっと買うかも。でも買い物は自転車なら5パックくらいが限界かな?)
これは、家庭の家計のこともあるので
たくさん買えば?とは言えないけど
ケチるところではない。


たくさんできた卵液はどうするか?
そんなことは、調べればいくらでも
出てくる。

卵を割りたいと言えば
ママ(パパ)は
卵をいっぱい買ってくれた!!
子どもの喜びのための買い物だ。
子どもの望むことをする。
わがままでも無駄遣いでもない。

♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
立派な声かけができる親でなくていい。
子どものことを
待ってあげられる親でいることが
上手な声かけなんかより
何倍も価値がある。

子どもを待つ
できる範囲で子どもの望むことをする。

「待ちよみ」は、
そんな考え方を言葉にしたものです。

2021.8.31
待ちよみ絵本講師 内田早苗




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