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絵本導入期の5要素【あそび】

【絵本を読むことも遊びの一つ】

子どもにとっては
絵本を読むことも読んでもらうことも
遊びの一つです。

絵本を読んでいるかと思いきや、積木を出してきて遊びだす、絵を描きはじめる、なんてことは良くある光景で、そのたびに「読むか遊ぶかどっちかにして」などと子どもに言うのも必要ありません。

絵本を乱暴に扱うこと(※)
はしてほしくないことですが
例えば、絵本を何冊か重ねて何かに見立てて遊んでいても構わないというのが私の考え方で、実際、わが家の息子は、絵本を駅に見立てて遊んだりしていました。
でも、この辺りの考え方はご家庭によって違うで、あくまで私の考えです。

※まだ手先の発達が未熟な2歳中頃までのお子さんが紙を掴むようにめくったり、結果、本が破けてしまうのは仕方のないことです

※乱暴に扱わないという指示を理解し、めくるという動作ができるのには個人差があります

※絵本を丁寧に扱えない時期の絵本との付き合い方については別記事あります

【絵本の中にはあそびがいっぱい】

絵本の中には、子どものあそびが描かれています
赤ちゃん絵本の代表格である

「いないいないばあ」
松谷みよ子
童心社

などが、その一例です。

父親、母親になり、わが子に上手に語りかけたり遊んであげたりできる人もいるでしょうが、子どもの相手が苦手だと思っているパパやママには絵本に描いてあることをそのまんま、わが子にしてあげることをおすすめします。

月齢(年齢)に合った絵本を選んでいれば、そこにはその歳の子どもが喜ぶことが詰まっています。
絵本を読みながら、見ながら目の前にいるわが子に同じことをしてあげるだけで、とっても楽しい遊びができます。
何冊か絵本もあげておきますね。

「くっついた」
三浦太郎
こぐま社

「まてまてまて」
こばやしえみこ 案
ましませつこ 絵
こぐま社

「こちょこちょさん」
おーなり由子 ぶん
はたこうしろう え
講談社

他にもあそびを題材にした絵本はたくさんあります。

「つみき」
中川ひろたか ぶん
平田利之 絵
金の星社

「おしくらまんじゅう」
かがくいひろし さく
ブロンズ新社

「こぐまちゃんのどろあそび」
わかやまけん
こぐま社

「うずらちゃんのかくれんぼ」
きもと ももこ さく
福音館書店

「どっちのてにはいってるか?」
新井洋行
偕成社

「けんけんぱっ」
にごまりこ さく
福音館書店

などなど。
例に挙げる作品を迷ってしまうくらい
「遊び」を扱った絵本はたくさんあります。

【科学絵本は遊びのライブル】

科学ときくと、まるでお勉強のために読む絵本という印象を持つかもしれませんが、
実は「科学絵本」には、どんな絵本よりも遊びがたっぷりつまっていると言っても過言ではありません。

絵本と同じことをすれば
すぐに遊びになる
何冊か絵本をご紹介します

「てのひらおんどけい」
浜口哲一 ぶん
杉田比呂美 絵
福音館書店

「びっくりまつぼっくり」
多田多恵子 ぶん
堀川理万子 え
福音館書店

これらの絵本は福音館書店の月刊誌
「ちいさなかがくのとも」がもとになっています。

「ちいさなかがくのとも」より少し対象年齢のあがる
「かがくのとも」もおすすめです。
すぐに真似できる遊びがいっぱいです。

「かみひこうき」
小林実 ぶん
林明子 え
福音館書店

「平野レミのおりょうりブック」
平野レミ 
和田唱・和田率 え
福音館書店

「バナナのはなし」
伊沢尚子 文
及川賢治 絵

福音館書店

月刊誌の中でよりすぐられたものだけが
ハードカバー化して書店に並びます。
月刊誌から何年か経ってからのことがほとんどですので、「これは!」という面白いなぁと感じた月刊誌は躊躇なく購入されるといいと思います。

「ちいさなかがくのとも」「かがくのとも」は
文章の量やその他さまざまな発達の視点から考えても対象年齢は3歳頃からだと思います。
(なので年中・年長組さんで配本されることが多いですね)

ですが私は、赤ちゃんとママ向けの講座で必ず
「ちいさなかがくのとも」の定期購読をおすすめしています。
新米のママ、パパにとって育児書の一つになると思っています。
赤ちゃんを抱っこしながら、ベビーカーを押しながら散歩をするとき、絵本に描いてある自然を感じられたり、目にとまるようになれば、赤ちゃんに語りかける言葉はきっと広がります。
家事や普段の生活で、なんの気なしにしていた事がこんな面白さがあったのかと気がつかせてくれます。

そして何より、オトナの中にあるコドモゴコロがくすぐられます。

「子どもの視点で物事をみてあげる」
なんて親マニュアルみたいなのに書いていそうなことですが、こんなのは、デキル親の話です。
子ども目線なんてとても難しい話なのです。
なぜなら、私も含めて私たちは、オトナなんですから。
どこをどんなふうにどうやって見てもそれはオトナ目線。

だけど、こんな私たちにも些細なことを面白がれるコドモゴコロはあります。
子どもの頃に得た感覚が蘇ることもあります。

子育ては、オトナ目線でコドモゴコロを楽しむのがいいと思ってます。
そうすると、わが子のコドモ目線のコドモゴコロのなんとまぁ面白いこと。
子どものセンスオブワンダーを感じると、親はそんなに気負わなくてもいいんだと、教えることなんかないんだなぁ、ただ一緒に楽しめばいいんだなぁと実感できます。

絵本は作り手側が、子どもの心に寄りそい、子どもの心を動かす工夫を凝らして作品ができています。
だから、絵本そのものが「子ども目線」なのです。

だから親は、絵本を読んであげるだけで、子どもの目線に寄りそうことが簡単にできます。
遊ぶこともできます。

植木鉢の裏っ側を覗きこむ
空を見上げて雲の形をたのしむ

そんなことが科学で遊びです

夢中になって遊ぶことが
子どものあらゆる面の成長に欠かせないことは
誰もが理解しています
遊ぶことは、生活の一部であり、
特別な場所に行ったり、お金をかけたりしなくてよいことを絵本が教えてくれます。

2020.5.13
待ちよみ絵本講師 内田早苗

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