ディスカッション

現在就職活動真っ只中、ここまでの経験で分かったことが1つある。


わたし、グルディスが嫌いだけど得意らしい……


"グルディス"とは"グループディスカッション"の略で、複数人のグループに分けられた学生同士で課題に向けた話し合いを行い、その議論内での自らの立ち振る舞いや思考回路を評価される、選考のひとつである。

私は今日までにグルディスを4回経験しているが、人事の方が何をどう評価しているのか、正直未だに掴めずにいる。

というのも、終始「自分が自分が」と分かりやすくリーダーシップを発揮する学生や、いかにも正解そうな喋り口調で論破しようと試みる学生、常にオーバーリアクションの学生など、私は4回の経験で実に様々なタイプの学生と議論をした。

そして、そのような自己主張強めのライバルを前に強気で発言する勇気はなく、いつもふんふん議論を聞いて、時折「こんな考えはいかがでしょうか……」と気がついたことを低い姿勢で置いて終わることしかできない私は、グルディスの雰囲気にとてつもない苦手意識と嫌悪感を抱いている。

しかし、選考とは分からないものだ。
グルディスを行った4回のうち4回、私は選考を通過している。実はグルディスが得意"らしい"。

いつも周りの闘志に圧倒され、「今回も"置き土産"しかできなかったな、きっとダメだろうな…」と落ち込み、そして通過の連絡に驚かされる。

4回経験してもなぜ私が評価されたのか分からないし、いくら毎回通過してるからといって自信満々に「私、グルディスが上手なんです!」とは口が裂けても言えない。だって嫌いだし。



そんなある日、サークル内でも特に気が合う同期女子5人でご飯を食べに行った時のこと。

それぞれが思う、好きになる男性の特徴や、結婚相手に譲れないポイント、究極クエスチョンなど、ちょっとした価値観の違いが分かる話題で大いに盛り上がった。

女友達が集まれば、この手の話題には慣れたもんだし、そこから思いもよらない方向に話が進んでいくから面白い。

そしてこの時、ふと「これも立派なディスカッションだよな~」と思った。

あたりまえだが、この時間はどこにも自分を優秀に見せようとか、相手の発言の穴を探そうとか、そんな黒い感情は一切なく、あくまで自分の価値観を話し、友人たちの価値観に触れる。ただそれだけの議論。

私は、この議論の空気感が、何にも替え難い幸せな空間であると感じた。

友人の話を聞いて、自分とは違う考えだった時はもちろん驚くし、ふざけて「それちょっと変じゃない?」とか、「だから変な男ばっか寄ってくるんだよ」とか言うことも、言われることもある。

でも、なるべく周りを否定しないように気を使っているグルディスとは違って、友人との議論では多少言い過ぎたとしても大して嫌な気持ちにはならない。

自分とは考え方が違う人の話は純粋に興味が沸くし、私からは見えていなかった色んな世界を見れるようになる。

つまりグルディスでもこういうモチベーションで挑めばいいのだろうか……。うーん。


まあ、だからといって何だ、という訳ではないのだが(ここまで読んでもらってるのにごめんなさい)

いつか、就活のグルディスでも、友人とのディスカッションのような空気感で話し合える日が来ればいいな、と願わずにはいられない。

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