カフェモカ

私は昔からコーヒーが苦手だった。

レストランでは決まってソフトドリンクを頼み、スタバに行けばフラペチーノ。
正直、毎朝ブラックコーヒーを淹れる両親の味覚が信じられないとさえ思う。

ただ、うんと小さい頃に口にしたカフェラテが凄く苦くて飲めなかった、という記憶が、私を18年間コーヒーから遠ざけていたことも分かっていた。
いわゆる「食わず嫌い」ならぬ「飲まず嫌い」。


そんな私がついに勇気を出して「カフェモカ」たるものに挑戦してみたのはつい先日のこと。

スタバの新作、「メルティ 生チョコレートモカ」である。


ん、美味しい。

びっくりした。

多少の苦味はあるものの、チョコの甘さがふわりと鼻を抜け、とてもまろやかな優しい味わいだった。

これがモカなのか。


まず、普段だったら迷わず新作のフラペチーノを選んでいたであろう私がモカに挑戦したのにはちょっとした理由がある。

私は先月からカフェでバイトを始めた。

そのお店はドリンクがとても豊富で、コーヒーが苦手だった私の目にも美味しそうに映るものがいくらかあった。
私はこれらを飲めるようになりたい、と思った。

働いてから知ったのだが、一口にコーヒーと言っても種類がある。ブレンド、アメリカン、ラテ、モカ、キャラメルマキアートなど。
また、お客さんによってもこだわりは異なり、ブラックで注文される方からミルクとお砂糖を多めに注文される方もいる。

みんながそれぞれお気に入りの飲み方でコーヒーを楽しむ。

そんな大人な楽しみ方に純粋に憧れた。

まあ、自分もまだまだ子供だなあ、とこういう時に感じるのだが。


そんなこんなでチョコたっぷりのカフェモカをクリアし、大人への階段を一段(狭い幅かもしれないが)登った私は、次はカフェラテあたりに挑戦してみようと思う。

いつかは店一番のおすすめコーヒーを、ブラックで美味しく頂けるくらいの大人になりたいなあ、なんて憧れを抱きながら。

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