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炎上は、災害である。―これまでの総括と、禁書房のこれから予測

これまでのあらすじ

中野ブロードウェイ4階のファンシー系アパレルショップ「Spank!」の前にアダルトコンテンツ専門店「まんだらけ 禁書房(以下、禁書房)」がオープン。
Spank!は店を開けられなくなり、臨時休業の旨を気持ちとともにツイート。
ツイートは炎上し、双方にそれぞれ非難が噴き出す。
その後、9月14日に禁書房に警視庁の家宅捜索が入ったことが発覚する。

前回の記事(14日)からあったことをざっくり

・9月14日
禁書房に家宅捜索が入る。ダンボールには「警視庁」の文字。

(學天則 a.k.a. 38月さんのTwitterより引用)

複数の現場画像から、「Spank!」「禁書房」の前で作業していることが発覚、「禁書房」あるいは「Spank!」の家宅捜索であるのでは?と推測され始める。
その後、禁書房が公式ホームページやTwitterで、「警察の指導により15日から一時休店」と発表。

・9月15日
禁書房が休店に入る。

(かず(高梨)さんのTwitterより引用)

中では何かしらの準備をしている様子。
台車があるため、何かを別の場所へ移動するか、同じ場所に別のものを移動させている可能性がある。

(CCふくしまさんのTwitterより引用)

(本当は怖い中野ブロードウェイ 零さんのTwitterより引用)

どうやら、ショーケースに飾られていた商品は撤去されている模様。
自主的に撤去したか、区の警察署に押収されたかは不明。
ちなみに、撤去前のディスプレイはこんな感じ。

(✝︎綾羽|ω・)さんのTwitterより引用)

(wkks_さんのTwitterより引用)

前提として述べておきたいこと―Spank!の訴えと今回の家宅捜索は無関係

最初に述べておきたいのはこの、
「Spank!の訴えから始まる炎上と今回の家宅捜索は、直接的には関係がない」
という部分。

家宅捜索というのものは、裁判所に審査をしてもらった上で発行される令状が必要なため、ただの苦情程度ではすぐに家宅捜索を行うとは考えづらいです。 
どちらかと言えば、なにかしら「置いてはいけないもの」を誰か(客、ネット民、地元民、覆面警官、誰でもいい)が見つけ通報したため確認をしたうえで家宅捜索した可能性の方が高い気がします。

もちろん、前回のSpank!の件で目立たなければこんなに早く家宅捜索されることは無かったと思うので、間接的な影響はあったと思います。

ただ、もしも家宅捜索されるような法的にまずいものを、あんな開けっぴろげなディスプレイで置いていたのであれば、完全に「公権力介入の呼び水」に禁書房がなっていたというだけです。
これって表現の自由的にどうなのよ……。だから言わんこっちゃない。
ぼくが危惧していたことが高速で起こり始めててむしろ怖いです。

炎上は災害であるという気づき

ぼくが騒動発生時からいろいろ調べたり書いたりしていて気がついたのがこれです。
もちろん、全ての炎上がこれに当てはまるとは限りませんが、今回の件はもろ「災害」なのです。

世界大百科事典には「災害」についてこう書かれています。

要因はSpank!のツイートだったり禁書房のディスプレイだったり品だったり、複合的になるとは思いますが。
人間社会に結局「公権力」という破壊力が加わって、結果、サブカル社会に関わる「ファンシー文化」の1つが失われ(かけ)たり、
アダルト文化的には価値がある商品が押収されたりして、「中野ブロードウェイにおけるカオス」の均衡が崩れた。

…ね?故意かどうかはともかく文化においての「人為的災害」と言えると思いませんか?(お気持ち)

そして災害においては「防災」という概念があります。

まあ簡単に言っちゃえば「災害を防ぐ」。
例えば自然災害であれば「できる限り被害が小さくなるようにする」ことですね。
例をあげれば、いつでも避難できるように避難経路を確認して災害用持ち出し品を準備しておくこととかです。

中野ブロードウェイ4階炎上騒動においては、いくつも「公権力介入」という破壊力に対しての対策を取れる部分がありました。

しっかりと商品を検品してまずいものがないか確認していれば、ガサ入れなんてされなかったはずです。
そして、こんなにも早くガサ入れが起きたのには、少なからず「炎上で話題になった」影響もあるのだと思うのですよね。

ということは、
炎上しないように見た目をゾーニングしていれば。
ご近所トラブルにならないようにきちんと話し合いに応じていれば。
せめて、火消しムーブをしていれば。

とにかく「公権力の介入」まで延焼したのは、まんだらけの過失、怠慢と言いたくなるよなぁ。と思うのですよね(お気持ち)。

そして、この「炎上災害」において、これから起こりうる懸念というものはいくつもあります。
起こってしまったのはしょうがないのだから、とにかくこれ以上酷いことにならないように対策を練る必要はあると思います。

まあウチらは当事者ではないので、できることといえばとりあえず「自分たちもしくじらないように反省する」ことくらいだと思うので、さらっと参考程度にこの後は読んで見てください。

懸念されること―押収物の内容、なぜ警察が介入したのか

1番の懸念点は、「どう言った法に違反して警察が家宅捜索を行ったのか」です。

例えばありえる可能性としては、
・風営法違反
・刑法175条(わいせつ物頒布等の罪)違反
・児童ポルノ法違反
かなあと。

そして、「問題になった商品はどれなのか、どの法に抵触していたのか」。
これも非常に大事な部分だと思われます。

例えば児童ポルノ法違反なのであれば、今現在は単純所持もアウトですから、「売っちゃあかんことくらい見りゃわかるやろ…」ってなっちゃうじゃないですか。
そしたらもう禁書房単体でアウトだったんじゃんという話になりますからね。

風営法違反だと「やっぱり店構え(見た目、もしくは立地)がまずかったんじゃん」となるし、

問題なのは刑法175条くらいではないでしょうか。たしかに複数の方が指摘するように曖昧な法ではあるようです。
「わいせつな」って具体的になんだよ!って話ですもんね。
ただ、「わいせつの基準を明確に定めてしまうと表現の自由が脅かされる」ということを考えた方がいいと思います。
ゆとりを持たせてもらってることに気が付かないのはまずいですよ(お気持ち)。

懸念されること―このまま閉店

ぼくもこのツイートで述べたのですが、最悪な路線を突き進んでいくと、「このまま禁書房は閉店する」んじゃないかなぁと。
Spank!にも同様の懸念があります。
あくまで最悪の想定ですが、最悪の事態を想定するのは災害において大事なことなので書いておきます。

テナントが休店になってから全く別の店に改装され新オープンというのは本当によくあることで、特にコロナ禍になってからその傾向はどの都市でも顕著に現れています。

現に、禁書房ができる前にあった「まんだらけ なんや」も再開店を匂わせつつ閉店し、禁書房が代わりにオープンしたので。

(まんだらけ なんやのツイート)

懸念されること―中野ブロードウェイへの金銭的な打撃

このツイートをされた方が仰る通り、中野ブロードウェイは中野区から「シティプロモーション事業助成」として、助成金をもらっています。

見た限りそんなに莫大な金額でもなく、「クラウドファンディング」で得たお金から分配といった形のようなので、心配するほどでもないかもしれません。
が、こういった警察沙汰になったことで、次から区が助成してくれる金額が減ったり、次回から打ち切りにされることも考えられなくは無いです。
これも、「炎上災害」の被害であり対策が必要だったものだと思います。

懸念されること―過去のまんだらけの色々の掘り返し

今回の騒動を目にした一部のユーザーからは、「愛と誠紛失原画オークション」の件や「まんだらけが作ったコスプレ店員の写真集」の件についても語っている方が多かったです。
まあその件については詳しくないのでとやかく言うつもりは無いですが、これも「炎上災害対策を怠った」としか言いようがないです。
ていうか、今出回ってるセル画や見本盤って基本捨てられてたのをくすねてモニョモニョ…。

懸念されること―Spank!への嫌がらせ加熱

これが一番個人的に懸念していることです。
TwitterでSpank!が話題になったことで、例の「禁書房とSpank!の間の通路」を撮影しに行ったり、シャッターの閉まったSpank!をからかうツイートをしている人が多数見受けられます。

また、Spank!のGoogleレビューには所謂「表現の自由戦士」と思われる方の虚偽レビューが行われています。
一応述べておきますが、虚偽レビューは刑法233条の信用毀損にあたる可能性があります。
ていうか、山田太郎なんてわかりやすい名前つけるなよ……(お気持ち)

また、「火炎瓶が欲しいらしい」などと犯罪予告紛いのことを言ってしまうユーザーも…。
それはマジでやりすぎ。

とはいえです。
実行しないにしろ「この人のツイート全てを見る」人はフォロワーかぼくみたいな粘着質ネトネト揚げ足取り人間くらいでして。
普通の人はあの引用RTを見たら「ヤバいやつおる」ってなるのですよなぁ。そのツイート以外のツイート見ようとも思わないから。
いやまじで、もちろんSpank!擁護側にも口汚い人はいるのですけど、ここまでやったらそりゃ通報もされますよ…。
こういうことが「禁書房の足を引っ張ってる」気がするのはぼくだけでしょうか…。


結論

中野ブロードウェイ四階騒動、
いや、もはや禁書房単体でガサ入れされるほどヤバいのであれば、禁書房ガサ入れ騒動とかの方が正しいかもしれないが。
この炎上騒動はサブカルチャーにおいての「災害」ではないだろうか。

これから大人になってサブカルチャーを作るであろう子供たちのことも考えて、「防災」に努めたい。


なに?
「エロを開けっぴろげにして何が悪影響になるんだ」って?
もう影響出てるのその発言で証明してるじゃない…。
あなたはもう「子供の期間を終えた」大人なんですよ(お気持ち)

余談(おきもち)

現地に行った方のこのツイートを見て正直ショックでした。
事実だと仮定して話しますけど、

「過去の鬼畜カルチャー」の皮を被った「ただのエロビデオ屋」だったのかよォ…そっちの方がショックだわ………。
せっかく自販機本を期待してたのになんなんだよほんとに…………。
正直DVDに情緒感じないのでますます価値がわからなくなりました…。ゴメン…。

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