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世界の女子サッカーカルチャーを、日本人はまだ知らない。

2019女子サッカーW杯が、終わった。

「日本代表になって、日本でも女子サッカーを広めたい。」

小学校の卒業式の時の「将来の夢の発表」でそう言っていた。怪我して、プレーでは叶えられなかった。だったら、「支える」側で女子サッカー、女子スポーツの楽しさを伝えたい。

アメリカで経験した、今の人生にもすごく影響している大切なことはほとんど、サッカーを通じて学んだから。何よりも、サッカーが、スポーツの楽しさを私に教えてくれたから。

「日本で女子サッカーを文化にしたい。」って。大学生になって、色々活動している中で、折りに触れて言い続けてきた。

でも、「文化」って何?逆にいえば、女子サッカーが日本でも文化になったと言える理想の状態って何?

文化ってなんだ。

今回のW杯では、海外の女子サッカーと日本の女子サッカーの、カルチャーの違いを見せつけられたように感じた。

2011年、なでしこが優勝して、国内で女子サッカーがすごく注目された。「結果を出せば注目される。」そんな考え方のまま、この8年間日本は歩んできてしまったのではないか。「王者なでしこの復活」というストーリーが、ここ数年間で離れていったファンの共感を呼び起こし、ファンが戻ってくると信じて疑わなかった。「王者復活を応援してみないか」というストーリー作りは、なでしこに限らず、日本人が割とやりたがるプロモーション方法だと思う。

その間に、世界では、女子サッカーがまさに文化になりつつあった。

優勝したアメリカは、近年注目されているジェンダー問題が持つ影響力にもうまく乗っかって、「女性への平等のために戦うアスリート」という女性像を確立し、反響を呼んだ。そして、メディアの力もあって、アスリートがスーパーヒーローになるという物語が出来上がった。

そうやって、なんというか、エンタメとかビジネスとか社会問題とかいろんな領域も含めた、社会の流れの一部として、女子サッカーというスポーツを見るというカルチャーが、日本にはなかった。

勝つことだけじゃない。スポーツは、手段である。彼女たちが届ける思いやメッセージが大切だと、我々はまだまだ気づけていない。彼女たちの訴えに、日本が、世界が、共感した時、人はファンになりうる。ファンやサポーターがどうしてチームを応援するのか、ファン目線で捉えきることができていなかったのではないか。

これは女子サッカーに限らず、他のスポーツでも言えると思う。

女子サッカー×デジタルメディア

ここで、私が注目したいのが、こういうストーリー作りやアスリート像作りには、メディアの力が不可欠であるということだ。影響力を自由に駆使できるメディアの発信の仕方一つで、ファンが読み取るものは変わってくる。

ピッチ上の彼女らを、どのようにして世界に届けるのかは、メディアにかかっていると言っても過言ではない。

海外では、COPA90やEight by Eightなどが中心となって、クリエイティブに女子サッカーを打ち出していった。

人が集まって楽しそうにしていること。内輪ノリであってもそこに「俺たちイケてる」みたいな自負があること。それでも同時に、外側にもベクトルが向けられていて、オープンであること。

これが、人々がメディアに求めることだ。

中でもCOPA90は、ピッチ外に焦点を当てて、インタビュー動画を配信したり、選手を世界的に有名なイラストで描いたりしていて、とにかくアツい。それが、ファン目線という一貫してブレない軸に乗っている。説明するより実際に見たら、わかると思う。

「イケてる」。かっこよすぎる。

少し余談だが、下のインタビューの雰囲気が好きすぎるのであげておく。カメラマンも、オーディエンスも、インタビューアーも、一体となって、楽しんでいるところが。

Ada Hegerbergは、このインタビューでこう言っている。

"We have to play, to gain the respect women' football desires. We have to be  critical to go in the right direction.

We can't control FIFA. So we have to make an impact, bringing it into the game."     

彼女たちが、何かのために、サッカーを通じて戦っていることは、言うまでもない。

だからこそ。

日本でも、女子スポーツを「イケてる」ものにしていきたい。彼女たちが届けたいメッセージを、最高にカッコよく、届けたい。

女子サッカーを、女子スポーツを、盛り上げて、

一人でも多くの人とその楽しさを共有するために。

バチバチにカッコいい、女性アスリート像を作って見せたい。




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